クリエイションの傑作サード盤
今日も昨日に引き続き、「青春のかけら達・アーカイブ」シリーズで、クリエイションの特集のラストになります。1970年代の日本のロックの話題なので、ちょっとマニアックなのですが、しばしお付き合いのほどを(笑)。
さてさて、これではイカンと思ったのか、セカンド・アルバムだけで、フェリックス・パパラルディの下を離れたクリエイションである。まあ、パパラルディのオーバー・プロデュースで、あそこまで個性を殺されたらプロデューサーを代えたくもなるわな。
と言うわけで、1977年に発表したサード・アルバムである。ファーストのアルバム頃に立ち返った様に、竹田和夫がブルージィな魅力を放ち、渋いロック・サウンドを披露している。そんなクリエイションの傑作サード盤が『Pure Electric Soul』(写真左)。ファースト・アルバムに引き続き、ちょっと強烈なジャケット写真ではあるが気にしない。
ファースト・アルバムでは、ホワイト・ブルース的な演奏一辺倒な感じだったが、このサード・アルバムでは音楽性の幅が広がり、ファンキーな楽曲有り、ソウルフルな楽曲有り、レゲエのリズムを取り入れたカリビアン的な楽曲有り、で楽曲のバラエティーが豊かになって、とても楽しい仕上がりになっている。
楽曲の選択もなかなか渋いものがあり、ラストの『HAPPENINGS TEN YEARS TIME AGO』などは、あのヤードバーズのカバー曲で良い演奏です。
特に、このアルバムの楽曲で思い出に残っているのは、5曲目の『SPINNING TOE-HOLD』(写真右・シングルのジャケ写)。この曲、当時のプロレスファンの方であれば、たちどころにお判りかと思うが、ドリー・ファンク・ジュニア+テリー・ファンク(ファンク兄弟)の必殺技。
1970年代、一時期、プロレスラーが登場する時のオープニング曲に、当時流行っていたロックの曲を流していた。そんな中で、ザ・ファンクスが、この「SPINNING TOE-HOLD」を採用していたのだ。
ちなみに、ブローザー・ブロディが、確か、レッド・ツェッペリンの「移民の歌」を流していたような記憶がある。アブドラ・ザ・ブッチャーは、ピンク・フロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐(One of TheseDays)」。「吹けよ風、呼べよ嵐(One of These Days)」は、ピンク・フロイドの「おせっかい」のA面の1曲目だったよな、確か。
確かに、イメージって大切なんで、オープニング曲が印象的なロックの名曲を採用するのはいいんだが、アブドラ・ザ・ブッチャーが、ピンク・フロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐」(なぜ「One of These Days」の邦題がこうなるのか理解に苦しむが・・・)だったのには「参った」。ちょっとちょっと、ピンク・フロイドのイメージが変になるやろ〜。
話を元にもどそう。このアルバム、音楽性の幅が広がりが、ちょっと散漫な感じで、ポップに傾いた印象を与えますが、今の耳で聴いても、内容的にはなかなかだと思います。1970年代日本人ロックのファンなら、このサード・アルバムも、一度は聴くべき日本ロックのアルバムの一枚でしょう。
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