ナイロン弦でのジャズ・ギター
ありそうで無かった「ナイロン弦でのジャズ・ギター」。そんなありそうでなかったことを実現したのがアール・クルー(Earl Klugh)である。
1953年9月16日、ミシガン州デトロイト生まれ。10歳よりギターを始め、17歳の時にユーゼフ・ラティーフと、18歳の時にジョージ・ベンソンのレコーディングに参加。20歳の時チック・コリア主宰のリターン・トゥ・フォーエヴァーに加入し、この時は流石に、エレギを弾いていた(笑)。
そして、GRPのデイヴ・グルーシンに見出され、1976年にブルーノート/キャピトル・レコードよりファーストアルバム『Earl Klugh』を発表。当時としては珍しい、アコギ(ナイロン弦ギター)をメインにしたアルバムであった。以降、デトロイトを拠点に、一貫してアコースティックを主体にスタイルを踏襲し、今では、フュージョン界でのベテラン・ギタリストの一人である。
さて、そんなアール・クルーのスタジオ録音としてのサード・アルバム『Finger Paintings』(写真左)である。1977年2月の録音。米国ビルボードのジャズ・アルバム部門で最高位6位のヒット作である。
ちなみにパーソネルは、Earl Klugh, Lee Ritenour (g), Dave Grusin (key), Louis Johnson, Anthony Jackson (b), Steve Gadd, Harvey Mason (ds), Ralph MacDonald (per)。米国東海岸と西海岸のフュージョンのキー・ミュージシャン入り乱れてのサポートである(笑)。いやはや、凄いメンバーやなあ。

今でも冒頭の「Dr. Macumba」の前奏のリフを聴くとワクワクする。そして、続いて、足でリズムを取り始める。実に秀逸な曲である。そして、弾むような爽やかなリズムに乗って、アール・クルーのナイロン弦生ギターがスッと入ってくる。入り方が格好良い。初めて聴いた時は、クルーの生ギターが入ってきた瞬間に思わず、「オーッ」と歓声を上げた(笑)。
1975年のデビュー作『Earl Klugh』、翌年の『Living inside Your Love』、そして1977年の本作、これらはすべてデイヴ・グルーシンのプロデュースである。趣味の良い「めくるめくエレクトリック・サウンド」で定評のあるグルーシン・サウンドと、アール・クルーの「ナイロン弦生ギター」の組み合わせ。どちらも、お互いを引き立たせるかのような相乗効果で、メリハリのある音を聴かせてくれる。
リー・リトナー、アンソニー・ジャクソンなど初代「ジェントル・ソウツ」を中心とする、今から思えば、凄いバックを従えて、流麗なアコースティック・ギターが爽快に駆け抜けていく。このバック・バンドだけでも、このアルバムの演奏の凄さが判る。このアルバム6曲目の 「ダンス・ウィズ・ミー」などはその最たる例で、これは原曲を超えたとまでいわれる、決定的なカヴァー・ヴァージョンとなっている。
僕は、このアルバムこそが、グルーシンの彼ならではのアレンジが冴え渡り、アール・クルーの爽やかな生ギターが生き生きと駆け抜けていく、二人のコラボレーション・アルバムの傑作と思っています。
大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« 現代の良質なハードバップな響き | トップページ | 邦題は『遙かなるサンファン』 »

コメント