ウエスばりの白熱ギターインスト
このキャッチ・フレーズが目に入って、思わず衝動買いした、Pat Martino『Alone Together with Bobby Rose』(写真左)。
『ウエスの名曲をふたりのギタリストが白熱のプレイで聴かせる。パット・マルティーノが脳疾患で倒れる前の1977年から78年にかけて残されたギター・デュオによる未発表演奏集』
Pat Martino (g) と Bobby Rose (g) の二人のギタリストが共演して、ウエスの名曲の数々を弾き倒していく。ボビー・ローズは、マルティーノと同じサウス・フィラデルフィアの出身で、親しい音楽仲間のひとりとのこと。とにかく息の合った、テンションの高いギター・インストが堪能出来る。
しかし、録音状態は良くない。少なくとも、ジャズ者初心者の方々にはお勧めしかねる位の音の悪さ。でも、それを差し引いても、このパット・マルティーノとボビー・ローズのテンション高く、攻撃的な「攻めのギター」は聴き応え十分。
とにかく凄い迫力。ウエスはもうちょっとシャープな切れ味を持ったインストなのだが、このマルティーノとローズのインストは、ウエスの音をちょっと太くしたような、切れ味よりも勢いで押し切る様な迫力のある「白熱のギター・インスト」である。
その押し切る様な迫力のあるギターが2本で、ウエスの十八番の曲をやるのだ。とにかく「ど迫力」満点である。冒頭の「Four On Six」を聴くだけで、思わず、その迫力に精神的に「仰け反って」しまう感じなのだ。2曲目の「Alone Together」以降も、音の雰囲気はズバリ「ウエス・モンゴメリー」。しかし、ウエスより、太くて勢いのあるギターが個性。
要所要所でウエスの十八番「オクターブ奏法」も聴くことが出来て、とにかく、迫力満点、聴いていてとても楽しいライブ盤である。確かに音は悪い。しかし、ヘッドフォンを介して聴くと、耳の中に「ど迫力」な、太くて勢いで押し切るギターが一気に広がる。これが良い。耳の中で、迫力のある太いジャズ・ギターの快感が広がる。
このアルバムで、僕はマルティーノを見直した。こんなにテンションの高い、攻撃的で正統派なジャズ・ギターを弾く人やったんや、と思わず感心した。うむむ〜、不明を恥じるなあ。もう一度、マルティーノは聴き直しやなあ。
これだけ個性的なギターを聴かされると、ジャズ・ギターって楽しいなあ、って心から思う。ギターってなかなか強い個性が出にくい楽器ではないか、と思っていたが、どうして、そんなことは一切無い、ギターもジャズを彩る、主要な楽器のひとつなんだ、ってことが良く判った。
やはり、ジャズは奥が深い。ジャズを聴き続ける所以である。マルティーノには脱帽。もう一度、マルティーノにチャレンジだ。
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