夏になると良く聴くロック
日本ならではの蒸し暑い夏がやってくると、不思議と決まって、ヘビロテになるロックがある。基本的には、サザン・ロック系が多い。R&Bなど、アメリカ南部の泥臭い音楽を前面に押し出したロックである。
泥臭い雰囲気を前面に押し出すのであれば、なんだか暑苦しいのではないか、と思われる向きもあるが、意外と、この泥臭い雰囲気が、日本の蒸し暑い夏の気候に合うような気がするのだ。この感覚は、遠く30年以上前の高校時代、ロックを聴き始めた頃から今までの、共通の僕の感覚である。
リトル・フィートというバンドがある。西海岸ロック出身ではあるが、R&B、カントリー、ジャズなど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響を色濃く押し出しているサウンドが身上の、乾いたファンクネスが特徴なバンドである。音的には「サザン・ロック」の範疇に位置しても良い、アメリカ南部の泥臭い音楽を前面に押し出した音が特徴的である。
そのリーダーは、ローウェル・ジョージ。スライド・ギター、ヴォーカルを担当する。彼のスライド・ギターは天才的。鋼の様に硬質でしなやかで粘りのある、うねるようなスライド・ギターが醸し出す「乾いたファンクネス」は、リトル・フィートの最大の個性になった。
そんなローウェル・ジョージが残した唯一のソロ・アルバムがある。『Thanks I'll Eat It Here(特別料理)』(写真左)。邦題の「特別料理」というのが凄い(笑)。1979年の作品。この作品のリリース後、1979年6月29日にドラッグのオーバードーズによる心不全で死去している。
このローウェル・ジョージのソロアルバムは、一言でいうと「限りなくファンキーなアメリカン・ルーツ・ロック」の名盤のひとつと断言できる。ローウェル・ジョージのスライド・ギターのファンクネス全開、伸びやかなフレーズ、うねるようなビート、粘りのあるカッティング。ギタリストとしての最高のパフォーマンスがこのソロ・アルバムにギッシリと詰め込まれている。
女性ボーカルのコーラスを上手く絡めた、ローウェル・ジョージのボーカルもなかなかに味のあるもの。彼のボーカルは、実にファンクネス溢れるボーカルなのだが、黒人の様に「ウェット」では無い。ローウェル・ジョージのボーカルは「乾いた」ファンクネス。この「乾き具合」が絶妙なのだ。
R&B、カントリー、ジャズ、そしてゴスペルなど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの要素をバランス良く詰め込み、レイド・バックなロック・ビートをベースに、良い意味で余裕のある、適度な音の隙間を持った、実に雰囲気の良い「サザン・ロック」系の音が朗々と展開されていく。
ローウェル・ジョージのソロ活動にリトル・フィートのメンバーはほとんど関与すること無かったが、このローウェル・ジョージのソロアルバムは、リトル・フィートよりも、音的には「サザン・ロック」の度合いが高く、アメリカ南部の泥臭い音が蔓延している。「乾いたファンクネス」もギッシリと詰まっていて、リトル・フィートよりもリトル・フィートらしい音世界である。
不思議と日本の蒸し暑い夏の気候に合う、ローウェル・ジョージのソロ・アルバム。ローウェル・ジョージ独特の乾いたファンクネスが、暑い夏に「一服の清涼感」を与えてくれます。これが良いんですね。今年もヘビロテになってます。
大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。
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