ジャズ・ロック出身の名曲の一つ
ジャズ・ロック。音楽のジャンルにおいて、ジャズおよびロックより発展した一つの演奏スタイル。ジャズにおいて、ロックビート、いわゆる8ビートや16ビートというロック風なビートを取り入れた、新しい演奏スタイルが生まれた。ファンキー・ジャズの延長線上で、その発展形として、1960年代後半をピークに1970年代にかけて流行した。
そんなジャズ・ロックの中で、「ジャズ・ロック出身の名曲」と呼ばれる曲が幾つかある。その一つが「Freedom Jazz Dance」。Eddie Harrisの手になる8ビートの名曲である。一度聴くと絶対に忘れられないフレーズがぎっしり詰まっています。不思議に捻れたフレーズに、上下動の激しい旋律の上げ下げ。ギクシャクした感じの展開なんですが、口ずさめるようなキャッチャーな旋律が素晴らしい。
そんなジャズ・ロックの名曲中の名曲「Freedom Jazz Dance」。僕が思うに、やはり、作曲者本人の演奏が一番良いみたいで、このへんてこりんなジャズ・ロックな名曲「Freedom Jazz Dance」を楽しめるアルバムが、Eddie Harris『The In Sound』(写真左)。
1965〜66年の録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Harris (ts), Cedar Walton (p), Ron Carter, Melvin Jackson (b), Billy Higgins (ds), Ray Codrington (tp), Sonny Philips (org), Bucky Taylor, Ray Barretto (perc)。さすが、ジャズ・ロックの名盤の一枚。リズム・セクションには要となるメンバーがガッチリと入っている。ピアノのシダー・ウォルトン、ベースのロン・カーター、ドラムのビリー・ヒギンス。パーカッションのレイ・バレット。
アルバム全体のトーンは、ファンキー・ジャズ。聴き易い、親しみ易いファンキー・ジャズ。冒頭の「The Shadow of Your Smile」など、良質なファンキー・ジャズの名演である。寛ぎのファンキー・ジャズ。これだけでも、このアルバムは「良し」。
2曲目の「Born to Be Blue」以降もファンキー・ジャズの名演がゾロゾロ続く。3曲目大スタンダード曲の「Love for Sale」のファンキー度といったら、ファンキー・ジャズ・マニアからすると、もう「メロメロ」である ww。
冒頭の「The Shadow of Your Smile」からずっとファンキー・ジャズの名演が続いた後、6曲目のラストに、突如として、このジャズ・ロックな名曲「Freedom Jazz Dance」が、満を持して登場する。
一度聴いたら忘れられない、奇妙で癖になる不思議な捻れと上げ下げが織り込まれたファンキーでジャズ・ロックな名曲。それまでのファンキー・ジャズの曲と、この「Freedom Jazz Dance」というジャズ・ロックな名曲とのギャップというか、落差というか、まったく次元の異なる、実にクールな響きに思わずクラクラする ww。
ジャズ・ロックな名曲として、これまで、様々なジャズ・ミュージシャンにカバーされた名曲「Freedom Jazz Dance」。ジャズ・ロック出身の名曲として、全てのジャズ者の方々に体験して頂きたいと思います。体験するに、やはり極めつけは、作曲した本人のリーダー作『The In Sound』。良いアルバムです。良いジャズ・ロックの佳作です。一度、体験してみて下さい。
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