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2012年6月19日 (火曜日)

アフリカン・ネイティブな響き

アフリカン・ネイティブな音が大好きである。子供の頃から、アフリカの民族音楽を聴くとワクワクする。アフリカン・ネイティブな音と言えば、アフリカン・アメリカンの音楽であるジャズの源。

アフリカン・ネイティブな、アーシーでフォーキーな響きを宿したジャズと言えば、真っ先に「Abdullah Ibrahim」を思い出す。1970年代、デビューの頃の名前は「Dollar Brand(ダラー・ブランド)」、今は「Abdullah Ibrahim(アブドゥーラ・イブラヒム)」。

そのアブドゥーラ・イブラヒムがダラー・ブランド時代のソロ・アルバムがある。アルバム・タイトルは『African Sketchbook』(写真左)。ダラー・ブランドがフルートとピアノを使って演奏するソロ・アルバム。録音は1969年5月。ソウル・ジャズ、ジャズ・ロックが流行り、クロスオーバー・ジャズが流行りだした頃。

このダラー・ブランドのフルートが、素晴らしくアフリカン・ネイティブな響きを宿している。このフルートの調べを聴くだけで、お頭の中にはアフリカの大地、アフリカの自然の風景が浮かんでくる。アフリカの民族音楽の様な、魂を揺さぶるような、肉声の叫びに近いフルートの響き。

そして、そのフルートに続いて、アーシーで重心の低いビートが魅力のダラー・ブランドのピアノが迫ってくる。アフリカン・ネイティブな響き、リズム、ビート。実に魅力的。
 

African_sketchbook

 
アフリカン・ネイティブな音の響きが好きな者にとっては、たまらない響き。アーシーなリズム&ビートとはこれだ、と言わんばかりのダラー・ブランドの重心の低い左手。ゴーン、ガーンとアーシーに響き渡る左手。

右手は、アフリカン・ネイティブなフレーズを紡ぎながら、フォーキーな響きを醸し出す。唄うような、語りかけるような、自然な声の様なフォーキーなフレーズ。アフリカの民族音楽を彷彿とさせるようなフォーキーな響き。アフリカの響き。

しっかりとしたアーシーなリズム&ビートに乗って、自由自在にフリーキーに乱舞するダラー・ブランドのピアノ。普通のジャズの演奏範疇に無い「アフリカン・ネイティブ・ジャズ」とでも表現すべき、アフリカの響き。

限りなく続く地平線、大地を疾走する風、土煙の向こうに群れなす動物たち、闇夜に蠢く獣の気配、ネイティブな人々のシャイな笑顔、溢れんばかりの活力、祈りの声。民族の団結。そんなイメージを彷彿とさせるダラー・ブランドのピアノ。

これもジャズ。意外とありそうでないダラー・ブランドの「アフリカン・ネイティブ・ジャズ」な音世界。僕は大好きです。アフリカの民族音楽が好きな方には是非ともお勧め。そう、これもジャズです。ジャズの裾野は広い。ジャズの柔軟性を感じる。 

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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