『Put on a Happy Face』と『Something Warm』
Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)の、有名なライブ音源「The London House Sessions」。このライブ音源から4枚のライブ盤のうち、た『The Trio』、そして『The Sound Of The Trio』については、一昨日、昨日で、このブログでご紹介した。
では、後の2枚はどうか。後の2枚とは『Put on a Happy Face』(写真左)と『Something Warm』(写真右)。『Put on a Happy Face』はイラストのジャケットが可愛い盤で、『Something Warm』は、夕日の大写しの単純なジャケットだが、意外とインパクトがあって良い雰囲気だ。
どちらのアルバムも、ピーターソンの寛いだ雰囲気の超絶技巧なプレイを聴くことが出来る。また、先の2枚、『The Trio』、そして『The Sound Of The Trio』と比べて、ロンドン・ハウスの客のざわめきや食器の触れあう音など、ライブ・ハウスの「生活音」が生々しく録音されている。
寛いだ雰囲気の度合いが高いのは『Put on a Happy Face』の方かな。収録曲を眺めると、なかなか玄人好みの曲がズラリと並んでいる。『Put on a Happy Face』は、ジャズ者ベテラン御用達のライブ盤、といった面持ちか。
1. Put On A Happy Face
2. Old Folks
3. Woody'n You
4. Yesterdays
5. Diablo
6. Soon
7. The Lonesome One
逆に、『Something Warm』は、同じく寛いだ雰囲気の内容がとても良いライブ盤ではあるが、収録曲を並べると、冒頭に、大スタンダード曲が3曲、鎮座ましましていて、この3曲の存在が、良くもあり気恥ずかしくもある、微妙な収録曲が並ぶライブ盤である。
1. There Is No Greater Love
2. I Remember Clifford
3. Autumn Leaves
4. Blues For Big Scotia
5. Swamp Fire
6. I Love You
超絶技巧なテクニックを駆使して、圧倒的に広大なスケールの大きいピーターソンの展開をして、この大スタンダード曲3曲を弾き倒されたら、なんだかちょっと気恥ずかしくなるのは僕だけだろうか(笑)。それでも、ピーターソン・トリオは、この大スタンダード3曲を大まじめに、大々的に、ダイナミックに演奏しまくっている。凄い迫力と言おうか、迫力が増せば増すほど、なんだか気恥ずかしさが増幅する、意外と聴いていて「楽しい」ライブ盤である(笑)。
ジャズ本やジャズ評論で、そのアルバム名が挙げられることは殆ど無いのですが、この「The London House Sessions」からのライブ盤『Put on a Happy Face』と『Something Warm』は、どちらも、寛いだ雰囲気のピーターソン・トリオが魅力の「隠れ優秀盤」だと思います。
先の『The Trio』、そして『The Sound Of The Trio』が気に入ったら、『Put on a Happy Face』と『Something Warm』と聴き進めても後悔はしないでしょう。ピーターソン・トリオの目眩く超絶技巧かつスケールの大きい、歌心溢れる演奏にはまり込むこと請け合いです。
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コメント
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こんにちは。^^
私もピーターソンは大好きです。特に「サムシングウォーム」の枯葉の盛り上がりが好きであります。
「ピーターソンはどれも同じに聞こえる」なんていうフアンの方もいますが、それをいうなら「ジャズなんてどれも同じ」とゆーようなモンだ、と思います。(笑)
最近のジャズは「オリジナル曲だけだとまったく売れない」となにかで読みましたが、ある意味であたりまえの時代になったのではないかなあ?と思っています。
「ジャズは死んだか」なんてテーマで昔はよくフアン同士で論じていましたよね。(何べん殺せば気が済むのだ::)と思っていましたが、クラシックの世界でシュトックハウゼンあたりで音楽の実験はとうに終わっているのにジャズだけが「進化」?を続けるなんてありえないと思っています。
ピーターソンの偉大さはワンアンドオンリーであることにつきると思いますが、私の夢は
ソニーロリンズ
オスカー・ピーターソン
レイ・ブラウン
エルビン・ジョーンズ
という組み合わせで1度は来日公演を実現してほしかったなあ、なんて思っておりました。^^
投稿: おっちゃん | 2015年2月26日 (木曜日) 06時12分