東日本大震災の発生から1年
今日、3月11日、東日本大震災の発生から1年が経過しました。1年を機に、1日も早い復興を祈念するとともに、あらためて犠牲となられた方々に対し心から哀悼の意を表します。
さて、昨年の大震災以来、ジャズメンも様々な形で復興支援に協力している。そのひとつひとつをご紹介する訳にはいかないが、どのジャズメンの復興支援活動も、それぞれが良く考え、それぞれが出来ることの最大限の支援を実行していて、本当に頭の下がる想いである。
そんな中、このアルバムの内容には、いたく心を動かされた。KANKAWA presents 東北応援エレクトリックジャズバンドの『3.11』(写真左)である。ちなみに、参加ミュージシャンは、KANKAWA (el-key,org), Tony Suggs (rhodes), 元晴 (reeds), サカマケン (g), 小泉P克人 (b), 斉藤良 (ds), アキヒト (dms)。
レコード会社風の「触れ込み」としては「ツインドラム、ツインキーボード、総勢7人の日米混合ジャズサムライが、オルガニストKANKAWAの呼びかけに応じ「負けるな!東北!」を合言葉に奏でる21世紀型ジャズ」となる。
「ミュージシャン全員およびスタジオ、録音関係者もすべてKANKAWAの思いに共鳴してのヴォランティア参加であり、収益金を公的機関を通じて災害地支援の義援金とします」とあるので、義援金の一部として、あまり内容には期待せずに購入したので、初めて聴いた時はビックリした。
これがまあ、思わず何度も聴き返してしまう位の素晴らしい内容のエレクトリック・ジャズで、自らの不明を恥じるばかりである(汗)。
改めて、本作はズバリ「70年代のエレクトリック・マイルス」の延長線上のサウンドである。エレクトリック・マイルスのファンのジャズ者の方々には、かなり「お勧めの内容」。
ツインドラム(斉藤良とアキヒト)、ツインキーボード(KANKAWAとトニー・サグス)が既に「エレクトリック・マイルス」らしい編成にニンマリ。このツインドラム+ツインキーボードが、ロック・ビートやポリリズムなどをベースにした「リズム&ビート」を供給、サカマケンのエレキ・ギターと一体となって、ヘビーなエレクトリック・ファンクが疾走する。
そして、そんなヘビーなエレクトリック・ファンクの狭間に、元晴のサックスによるフリー・インプロビゼーションが魂の叫びの如く響き、エレ・ベース、エレギとオルガンによる哀愁感溢れるミステリアスなサウンドが浮遊する。いずれも、底にしっかりとビートを効かせていて、適度なテンション溢れる素晴らしいインプロビゼーションである。
犠牲者や被災者へのシンパシーを胸に全曲を新規録音されたこの『3.11』は、素晴らしい内容のエレクトリック・ジャズである。「70年代のエレクトリック・マイルス」をベースに、現代の最先端の要素もしっかりと組み入れ、実に聴き応えのある一枚に仕上がっている。
あの東日本大震災の発生から一年。新たな気持ちで、このKANKAWA presents 東北応援エレクトリックジャズバンドの『3.11』を聴く。なにかしら「感慨無量」なものが心に去来する。
今日は「3.11」。東日本大震災から1年。あれから一年。あの大震災を境に意識は大きく変わった。日本という環境に身を置く以上、震災や災害というものは常に身近にあるということ。そして、一番再認識したことは「何も起こらない日常」はあり得ないということ。そして、「人」について考えさせられることが多かった1年であった。
大震災から1年。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。
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