Happy Xmas (War Is Over)
どうも僕は古いんだか、偏屈なんだか、クリスマス・シーズンになると、世の中にクリスマス・ソングが鳴り響き、クリスマスの装飾が溢れ、最近では、通常の民家までが、リースを玄関にあしらう、のみなず、イルミネーションの飾りを施し、更にはライトアップまでするという、この日本全国の異様な盛り上がり方が全くもって好きになれない。
もともと日本はキリスト教を主たる宗教とする国では無い。確かに、日本民族は、異文化を巧みに取り入れ、自らの文化の彩りにするのが上手な民族ではあるが、ここ10年位のこの一般民家を含めての盛り上がり方は異常だと思うなあ。
キリスト教徒の方々が、クリスマスを特別なイベントとして位置づけるのは十分に理解する(なんせミッション系の幼稚園と大学を出てるからね。意味・意義は十分に理解している)。でも、キリスト教徒以外の日本人が何故ここまでクリスマスで、異常に盛り上がることができるのか理解に苦しむ。
とぼやいてみても、この異様な雰囲気は変わらないし、世の中はエスカレーションすらしている。よって、この時期は音楽を聴きながら、ゆっくりと過ごすことにしている。とにかく、街に出ると、異様なクリスマスの盛り上がりと混雑した人混みで機嫌を害すること請け合いである。
クリスマス・ソングは曲自体は良い曲ばかりではあるが、どうもテレビやFMなどで押しつけがましく流されると、ついつい反発したくなって、チャンネルを変えるか、スイッチをオフってしまう(笑)。どうも僕は古いんだか、偏屈なんだか・・・。でも、この傾向は高校時代からずっとそうだから、筋金入りではある(笑)。
そんなクリスマス・ソングの中で、僕にとって「別格の存在」というものがある。John Lennonの「Happy Xmas (War Is Over)」、そう「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」である。1971年に発表された、ジョン・レノン&オノ・ヨーコの楽曲。
ジョンはある時、ふと考えた、「永遠に残る、意味のあるクリスマス・ソングを作りたい」。この「意味のある」という部分がジョンらしくて僕は痺れる。
欧米では、どんなミュージシャンも一定の地位を確立すると、オリジナルのクリスマス・ソングを作りたくなったり、クリスマス・アルバムを作ったりしたくなるらしい。ジョンも多分に漏れない訳ではあるが、ただのクリスマスソングにしないところが、ジョンのジョンらしいところであり、僕がジョンに惚れ込み続ける所以である。
「Happy Xmas Kyoko, Happy Xmas Julian」のささやく声でスタートし、いきなり、ジョンのボーカルとギターが始まる。このインパクトのある出だしが良い。普通のクリスマス・ソングでは無い、ロックなビートを宿した、新しいクリスマス・ソング。この出だしを今まで何度、この季節に聴いたことだろう。
バックに子供のコーラス隊を配してのアレンジが素晴らしい。この子供のコーラス隊の存在だけで、この楽曲が「クリスマス・ソング」であることを認識させている。そして、曲の構成、展開も、従来のクリスマス・ソングのエッセンスを十分踏まえたもので、歌詞が無くとも、曲の流れと構成を聴くだけで「クリスマス・ソング」を想起させてくれる。ジョンの才能の成せる技と言える。
ちなみに1971年12月1日に、アメリカ等でリリースされた当初はチャートインしなかったとのこと。その理由は、リリースがXmasの1ヶ月も前で「時期はずれ、早すぎる」と思われたからだという(Wikipediaより)。
う〜ん、今の時代では、12月1日リリースなんて遅すぎる。11月に入ると既にクリスマスの準備を始める日本である。ともあれ、1970年代は少なくとも、クリスマスに関する季節感は正しかったということになる。逆に、ジョンの感覚は時代を先取りしていたということになる(笑)。このエピソードもジョンらしいと言えばジョンらしい。
そして、今もって、人類にとって相当に困難なテーマをこの曲は突きつけ続けている。この事実を再認識する度に僕は辛い。
WAR IS OVER "IF YOU WANT IT"
Merry Christmas from John and Yoko.
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