お勧めのベースとエレギのデュオ
いや〜、今年は寒くなるのが早い。というか、秋ならではの「爽やかな涼しさ」は何処にいったんや。まだ10月に入ったばかりだというのに、この寒さはなんだ。10月の終わりのような気候にビックリ。
しかし、これだけ涼しくなると、ジャズも落ち着いて聴けるってもんで、涼しくなれば夜も静かな雰囲気になって、ソロやデュオのアルバムがじっくりと落ち着いて聴けるのが嬉しい。そこで、最近、マイ・ブームになっているデュオ・アルバムがある。今年6月にリリースされた、鈴木良雄&増尾好秋『アラウンド・ザ・ワールド』(写真左)。
若くして、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに在籍した鈴木良雄。1946年生まれ。日本のジャズ界を代表する、ジャズ・ベース奏者。「チンさん」の愛称でファンから親しまれている。太くて弾力のある端正な音色が特徴。
若くして、ソニー・ロリンズ・グループに参加した増尾好秋。1946年生まれ。日本のジャズ界を代表する、ジャズ・ギター奏者。バーニー・ケッセルの影響を受けつつ、スペーシーな音は個性的。太くて官能的で伸びのある音色が特徴。
この二人がデュオを組んだ。ベースとギターのデュオってありそうで無い。パッと思い出すのはロン・カーターとジム・ホールの『Alone Together』。それ以外・・・、浮かばない(笑)。
希少価値である。太くて弾力のある端正なベースと太くて官能的で伸びのあるエレギとのデュオ。ベースもギターも音が「太い」ので、お互いの音を消し合わずにお互いの音を増幅させる「相性の良さ」。
テンション張って、丁々発止と技術を駆使してやり合うという感じでは無く、お互いの音を良く聴きながら、スペーシーなハーモニー&ユニゾンを繰り広げ、要所要所で、ここ一発のソロを展開する、って感じの広い音空間をゆったりと使いながらの「対話」という風情がとても魅力的。なんしか、音が良いんですよ。チンさんのベースの音といい、増尾さんのギターの音といい、とにかく官能的で、とにかく魅力的な音を湛えていて、聴いていて惚れ惚れします。
オリジナルを4曲づつ、スタンダードが4曲とバランスのよい選曲。徹頭徹尾、適度にリラックスした、コンテンポラリーでジャジーな演奏を聴かせてくれる。とにかく丁寧に演奏されているのが良く判る。二人のミュージシャンの「誠実さ」が滲み出てくるような、暖かい演奏。とにかく心地良い。スタンダードの4曲、「80日間世界一周 」「バークリー・スクエアのナイチンゲール」「マイ・アイデアル」「ディープ・イン・ア・ドリーム」が絶品(お二人のオリジナルも良い出来ですよ)。
秋の夜長に、絶対お勧めのベースとエレギのデュオ盤。太くて弾力のある端正なベースと太くて官能的で伸びのあるエレギの絡みは、何度聴いても飽きません。良いアルバムです。ジャズ者万人の方々にお勧めです。
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