内容に疑問、実に惜しいライブ盤
昨日、オールマン・ブラザース・バンド(略してオールマンズ)の再々結成後の傑作ライブ盤である『An Evening with the Allman Brothers Band』をご紹介したが、もう一枚、再々結成後の正式なライブ盤として『Peakin' At The Beacon』(写真左)がある。
2000年3月の録音。メンバーは、グレッグ・オールマンとディッキー・ベッツ、ダブルドラムのブッチ・トラックスとジェイモーは変わらず。ギタリストがデレク・トラックス(写真右)に、ベーシストがオテイル・バーブリッジに代わって、パーカッションにマーク・キニョーネスが新たに参加している。
デュアン・オールマンの再来と謳われたウォーレン・ヘインズは抜けたので、大丈夫なのかと危惧されたが、デレク・トラックスのギターは、ウォーレン・ヘインズに負けず劣らずの素晴らしいもので、このメンバーでの演奏については、再々結成時のポテンシャルをしっかりと維持している。
しかし、演奏全体の雰囲気として、キレが無く、ちょっとなあという感じ。そして、ディッキー・ベッツが調子を落としているところが、このライブ盤の気になるところ。この後、他のメンバーとの対立から、ベッツがグループから追い出される形で脱退することになることを考えると、仕方の無いことか。
逆に、ウォーレン・ヘインズに代わるギタリスト、デレク・トラックスのギターが、遠慮がちながらも際立っている。いやいや、この再々結成後のオールマンズの「後を継ぐギタリスト」、デレク・トラックス見参というところか。ちょっとぎこちないところも残ってはいるが、随所にキラリと光るフレーズを連発している。デレク・トラックスの高いポテンシャルを十分感じることが出来る。
が、ライブ盤全体の出来は良くない。演奏自体、テンション不足なところが散見され、演奏全体のまとまりも粗いところが見え隠れする。聴いていて、どうしても乗り切れない。内容的に、昨日語った、再々結成後の傑作ライブ盤である『An Evening with the Allman Brothers Band』には全く及ばない。
それでも、オールマンズ・マニアには、心くすぐられるところが幾つかあるので、この『Peakin' At The Beacon』は、コレクションからは外せない。まずは、オールマンズのファーストアルバムからの選曲、「Don't Want You No More」「It's Not My Cross to Bear」の冒頭2曲で始まるのだから堪らない。2000年になって、ライブに何故、この2曲を選んだのかなあ。素晴らしい選曲ですよね。
そして、『Win, Lose or Draw』に収録のインストの名曲「High Falls」のライブ・バージョンが聴けること。このインスト曲では、ダブルドラムの威力、オールマンズの真髄である「ギター+キーボード+リズムセクションの絡み」が堪能出来る。少し、ダブルドラムとベースのソロ・スペースの時間が長く、冗長に感じられる部分もあるが、とにかく、あのインスト名曲の「High Falls」がライブ・バージョンで聴けるのだから、我慢我慢(笑)。
何回聴いても不思議なのはライブ盤全体の出来がイマイチなこと。もう少し、出来の良いトラックは無かったのでしょうか。選曲は素晴らしい曲ばかりが選曲されているので、実に惜しいです。つまるところ、このライブ盤『Peakin' At The Beacon』は、デレク・トラックスのお披露目、オールマンズのギタリスト襲名ライブ盤といった感じでしょうか。
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