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2011年2月23日 (水曜日)

ジョー・サンプルの大傑作である

ジョー・サンプルは、フュージョンを代表するバンドのひとつ、クルセイダーズのメンバー。米国テキサス州・ヒューストン出身。1939年生まれなので、今年で72歳になる。

キーボーディストとしては、響きの良い小粋なエレピと、明朗でリリカルなアコピが特徴。そこはかとなくファンキーな雰囲気が漂うところが特徴。しかし、キーボーディストとしてよりも、コンポーザー&アレンジャーとしての才の方が抜きんでていると僕は思う。

ジョー・サンプルは、ボブ・ジェームスと並んで、フュージョン&スムース・ジャズ界を代表するコンポーザー&アレンジャーである。音の重ね方、好みのフレーズ、節回し等、一聴してそれと判る独特な個性がある。そして、自らのキーボードを個性的に響かせるのが上手い。惚れ惚れする。

そんなジョー・サンプルのコンポーザー&アレンジャーの才能が溢れんばかりに輝いたアルバムが、1978年に発表された『Rainbow Seeker』(写真左)。このアルバムがリリースされた当時、僕はまだ駆け出しのジャズ者初心者。判り易く入り易いフュージョン・ジャズがお気に入りで、このアルバムは「隠れ家の喫茶店」で良く聴かせて貰いました。売れましたよね〜、このアルバム。

まず、このアルバムについては、キーボーディストとしてのジョー・サンプルが実に魅力的。先に述べたように、響きの良い小粋なエレピと、明朗でリリカルなアコピが、そこはかとなくファンキーな香りを漂わせながら、キラキラ輝く様に乱舞している。
 

Rainbow_seeker

 
健康的かつ明朗で、少しファンキーに振れるところが「小粋」。ころころ転がるようにキュートな手癖を見せつつ、唄うように印象的な旋律を紡いでいく。

4曲目の「Melodies Of Love」に、そのジョー・サンプルのキーボーティストの特徴が溢れている。決して、目を見張るようなテクニックでは無いのだが、ちょっとファンキーな香りが芳しい、明朗でリリカルなアコピが凄い。テクニックでは無く、音の響きと印象的な旋律で聴かせるとでもいおうか、いかにも、ジョー・サンプルらしい美意識が、バッチリと表現されている。

そして、コンポーザー&アレンジャーとしての魅力も満載。収録された曲はすべてオリジナル。収録された曲という曲はどれもが良い曲であり、良いアレンジが施されていて、印象的な、しかも判り易く親しみ旋律が満載。「良い曲やな〜」と思いながら聴き惚れていると、あっという間に収録曲全8曲が終わってしまう。

ジョー・サンプルのアレンジは、とにかくシンプルで判り易く、親しみ易いものばかり。かつ、音の重ね方が独特で、特に和音の響きは、ジョー・サンプル特有のもの。そこはかとなくファンキーさ漂う旋律は、ジョー・サンプル独特の「手癖」から生まれる。ジョー・サンプルは結構「金太郎飴」的なフレーズが何パターンかあって、そのフレーズは1フレーズ聴いただけで「ジョー・サンプルだ」と判る独特なもの。

ジョー・サンプルの大傑作だと思います。上品で小粋、そこはかと無くファンキーの香り漂う、明朗で印象的な旋律が満載で、とにかく聴き易く、とにかく美しい。良いアルバムです。 
 
 
 
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