ジョー・サンプルの大傑作である
ジョー・サンプルは、フュージョンを代表するバンドのひとつ、クルセイダーズのメンバー。米国テキサス州・ヒューストン出身。1939年生まれなので、今年で72歳になる。
キーボーディストとしては、響きの良い小粋なエレピと、明朗でリリカルなアコピが特徴。そこはかとなくファンキーな雰囲気が漂うところが特徴。しかし、キーボーディストとしてよりも、コンポーザー&アレンジャーとしての才の方が抜きんでていると僕は思う。
ジョー・サンプルは、ボブ・ジェームスと並んで、フュージョン&スムース・ジャズ界を代表するコンポーザー&アレンジャーである。音の重ね方、好みのフレーズ、節回し等、一聴してそれと判る独特な個性がある。そして、自らのキーボードを個性的に響かせるのが上手い。惚れ惚れする。
そんなジョー・サンプルのコンポーザー&アレンジャーの才能が溢れんばかりに輝いたアルバムが、1978年に発表された『Rainbow Seeker』(写真左)。このアルバムがリリースされた当時、僕はまだ駆け出しのジャズ者初心者。判り易く入り易いフュージョン・ジャズがお気に入りで、このアルバムは「隠れ家の喫茶店」で良く聴かせて貰いました。売れましたよね〜、このアルバム。
まず、このアルバムについては、キーボーディストとしてのジョー・サンプルが実に魅力的。先に述べたように、響きの良い小粋なエレピと、明朗でリリカルなアコピが、そこはかとなくファンキーな香りを漂わせながら、キラキラ輝く様に乱舞している。
健康的かつ明朗で、少しファンキーに振れるところが「小粋」。ころころ転がるようにキュートな手癖を見せつつ、唄うように印象的な旋律を紡いでいく。
4曲目の「Melodies Of Love」に、そのジョー・サンプルのキーボーティストの特徴が溢れている。決して、目を見張るようなテクニックでは無いのだが、ちょっとファンキーな香りが芳しい、明朗でリリカルなアコピが凄い。テクニックでは無く、音の響きと印象的な旋律で聴かせるとでもいおうか、いかにも、ジョー・サンプルらしい美意識が、バッチリと表現されている。
そして、コンポーザー&アレンジャーとしての魅力も満載。収録された曲はすべてオリジナル。収録された曲という曲はどれもが良い曲であり、良いアレンジが施されていて、印象的な、しかも判り易く親しみ旋律が満載。「良い曲やな〜」と思いながら聴き惚れていると、あっという間に収録曲全8曲が終わってしまう。
ジョー・サンプルのアレンジは、とにかくシンプルで判り易く、親しみ易いものばかり。かつ、音の重ね方が独特で、特に和音の響きは、ジョー・サンプル特有のもの。そこはかとなくファンキーさ漂う旋律は、ジョー・サンプル独特の「手癖」から生まれる。ジョー・サンプルは結構「金太郎飴」的なフレーズが何パターンかあって、そのフレーズは1フレーズ聴いただけで「ジョー・サンプルだ」と判る独特なもの。
ジョー・サンプルの大傑作だと思います。上品で小粋、そこはかと無くファンキーの香り漂う、明朗で印象的な旋律が満載で、とにかく聴き易く、とにかく美しい。良いアルバムです。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« 唯一無二な、過激な個性 | トップページ | 実は「The Who」は奥が深い »
コメント