第2期RTFの傑作じゃ〜
寒いぞ〜。冷たい北風がピューピュー吹いて、いやはや冬らしい帰り道である。今日は一日快晴の素晴らしい日和かと思ったが、天気予報通り、風が冷たく、ちょっとばかし強く吹いて、嫌でも師走を感じる。
さて、第2期RTF(Return To Forever)を順番に聴き直している。今日は、第2期RTFの2作目『Where Have I Known You Before』(写真左)。邦題は「銀河の輝映」(なんだかなあ)。ギターが、ビル・コナーズに代わって、アル・ディ・メオラにチェンジしたRTFの74年の作品。
これがまあ、凄い内容ですわ(笑)。フュージョンと言っても、後にスムース・ジャズと呼ばれる様な、ムード優先の、ちょっと軟派なフュージョン・ジャズでは無くて、ガッチリと硬派で超絶技巧なフュージョン・ジャズ。超絶技巧ながら、音楽性豊か、キャッチャーな旋律が満載。非常に聴き応えのある、硬派フュージョン・ジャズの傑作である。
ロック・ギター的雰囲気のビル・コナーズから、正統派フュージョン・ジャズ・ギタリストのアル・ディ・メオラに代わったおかげで、超絶技巧プログレ的な演奏からガラリと変わって、ロック色の強いポップな演奏が、アル・ディ・メオラの正統派フュージョン・ギターによってより洗練され、これぞ、硬派フュージョン・ジャズっていう演奏に昇華されている。見事である。しかも、アル・ディ・メオラは、当時20歳。なんと恐ろしいことか(笑)。
第2期RTFの2作目だけあって、スタンリー・クラークのベースとレニー・ホワイトのドラム、共に充実したリズム・セクションに仕上がっている。特に、叩きまくるレニー・ホワイトのグルーブ感は素晴らしい。
スタンリー・クラークのベースも、大向こう張って前に出しゃばるのでは無く、バックに回って、しっかりとファンキーなビートを押さえており、このアルバムにジャジーでファンキーな雰囲気を供給している。スタンリー・クラークのベースが、このアルバムをジャズたらしめている。見事である。
そして、チック・コリア(Chick Corea)御大のキーボードは、それはそれは見事なもの。シンセサイザーの使い方、テクニック、共に最高である。とにかく上手い。とにかく超絶技巧。これだけ、シンセを弾きこなせるジャズ・キーボーダーはいないだろう。ジョー・ザビヌルもハービー・ハンコックも、もはや敵では無い(笑)。そして、アコースティック・ピアノの音色も美しい。ジャズ界最高のマルチ・キーボーダーの面目躍如である。見事である。
特に、ラストの演奏時間14分25秒の大曲「Song to the Pharoah Kings」は、聴いていて「仰け反るほど」に素晴らしい。アル・ディ・メオラの超絶技巧エレキギターが炸裂し、チック・コリアのシンセが唸りを上げる。スタンリー・クラークのベースはビンビンにビートを繰り出し、レニー・ホワイトはグルーブ感を振り撒きながら叩きまくる。ジャズの世界って凄い。このアルバムを初めて聴いた時、もうプログレッシブ・ロックには戻れない、と思った。
この第2期RTFの2作目『Where Have I Known You Before』は傑作である。アグレッシブなパワー、シャープでスピーディーな展開、超絶技巧なテクニカルさが全編に溢れていて、第2期RTFの音楽性、ここに完成、である。
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