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2009年9月28日 (月曜日)

impulse第1弾『Africa / Brass』

バーチャル音楽喫茶『松和』の特別展示館「ジョン・コルトレーン」の館の開設を目指して、ジョン・コルトレーンのアルバムを組織的に聴き進めているが、いよいよ最後のレーベル、インパルス・レーベル時代のコルトレーンのアルバムに突入する。

1960年4月、コルトレーンはインパルスと契約第一号のサインを交わし、翌1961年、インパルスでの最初の録音が『Africa / Brass』(写真左)。このコルトレーンのインパルス移籍第1弾『Africa / Brass』は、エリック・ドルフィー指揮のオーケストラをバックに従えた大規模なものとなった。

オーケストラの編曲、指揮担当がコルトレーンであれば、コルトレーンのアレンジャーとしての才能にフォーカスを当てた、素晴らしいアルバムっていう評価になるんだろうが、残念ながら、オーケストラの編曲、指揮担当は、エリック・ドルフィー。逆に、コルトレーンのアルバムながら、エリック・ドルフィーの才能の広さと深さを再認識するアルバムである。

とは言え、エリック・ドルフィー指揮のオーケストラは、伴奏に徹しており、主役はコルトレーンのクァルテット、というか、コルトレーンのサックスだろう。コルトレーンのサックスを前面に押し出し、コルトレーンのサックスだけが浮き出るような、エリック・ドルフィー指揮のオーケストラの伴奏である。このアレンジは秀逸だ。

タイトル曲「Africa」では、冒頭、野性的な咆吼や呪術的な響きを管楽器中心に表現していて、ちょっと「引く」。当時の米国黒人が意識していた遠い故郷「アフリカ」を安易にイメージさせるに十分な、ちょっと「ベタ」なアレンジ。うわ〜、全編こんな感じで展開していくのか〜、とちょっと気が重くなるが、ちょっと「ベタ」なアレンジはこれくらいで留まっている。
 

Coltrtane_africa_brass

 
全体としては、当時のビッグバンドの一般的なアレンジを踏襲しない、ならではの新しい響きと工夫を感じる、なかなかの「優れもの」のアレンジである。特に、2曲目「Greensleeves」と3曲目「Blues Minor」について、エリック・ドルフィー指揮のオーケストラのアレンジは意欲的。決して、手放しで「大成功」という訳では無いが、確実に新しい響きと工夫を感じ取れる。そこはかとなく、ギル・エバンス的雰囲気が感じ取れるところがご愛嬌(笑)。

コルトレーン・カルテットの充実かつ柔軟な迫力ある演奏は素晴らしいの一言に尽きるが、アルバム全体の印象は、バックのオーケストラのアレンジと演奏内容にこそ、このアルバムの凄さがある、というコルトレーンのリーダー・アルバムでありながら、エリック・ドルフィー指揮のオーケストラを愛でることになるという、「軒下を貸して母屋を乗っ取られた」ような不思議なアルバムである。

それもそのはず、バックのオーケストラのメンバーには、ブッカー・リトル、フレディ・ハバード、ジュリアン・プリースターなど贅沢なメンツが名を連ねている。これだけの面子を集めて、優れたアレンジを施せば、それなり成果は絶対に出る。とにかく、強力な伴奏オーケストラである。逆に、この優れたオーケストラをバックにして、対等に渡り合うどころか、常に前面に出続け、最後まで、この優秀なオーケストラをバックにし続けるコルトレーン・カルテットは、その実力たるや「凄い」の一言。

優れたアレンジとメンバーを有する伴奏オーケストラと、それを牛耳て従えるコルトレーン・カルテット。そのバランスと拮抗が素晴らしい。この『Africa / Brass』は、まったく傑作アルバムである。
 
 
 
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コメント

こんばんは
コルトレーンのアルバムで初めて聞いたのが至上の愛でした
┓( ̄∇ ̄;)┏
難しかった・・・


その後 コルトレーンのアルバムは何枚か購入しました


ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマンのアルバムが一番好きかな


バラードも好きなんだが 少しもの足りない気がするんですよ


で ライヴ・アット・バードランドを購入してぶっ飛びました


アフロ・ブルー のドラム 凄いです

コルトレーンの一発
もう最高!!

で アラバマ で痺れました

一歩間違うと騒音だけど 何故か後を引く演奏ですね

ケンさん、こんばんわ。松和のマスターです。
 
そうですか〜、ケンさんも、コルトレーンの最初は『至上の愛』でしたか。
実は私もそうでした。なにがなんだか判りませんでしたね〜(笑)。

ライブ・アット・バードランド、良いですねえ。超弩級のド迫力ですよね。
そうそう、ライブと言えば、ライブ・アット・ビレッジバンガードも良い
ですよね。ビレッジバンガードはコンプリートボックス盤を手に入れたい
ですね(The Complete 1961 Village Vanguard Recordings です)。
コルトレーンのみならず、ドルフィーもが、これまた「もの凄い」。

コルトレーンのライブ盤を抵抗なく聴けるようになったら、なんとか
ジャズ者として、一人立ちでしょうか(笑)。
 
 

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