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2009年6月25日 (木曜日)

ボブの魅力的な生ピアノの響き

純ジャズばかり聴いていたら、フュージョンを聴きたくなった。最近、ボブ・ジェームスを聴き直しているが、今日選んだのは『BJ4』(写真左)。BJは、ボブ・ジェームスのイニシャル。「4」は4枚目のアルバムだということ。

ファースト、セカンドと、LP時代のB面の冒頭に「はげ山の一夜」「アルルの女」と、クラシックの名曲をジャズ風にアレンジした、実にキャッチャーでコマーシャルな名演を配して、ソロ・デビュー以来、とにかく売れることに、そして、名前を売ることに成功した。確かに、ボブ・ジェームスのファースト、セカンドアルバムは、満を持してボブが放った、渾身の秀作だった。

そして、サードアルバム(09年6月3日のブログ参照)で、一気に、ファンキーでポップになったボブ・ジェームス。ちょっとポップに傾いた分、ジャズ的な雰囲気から、ちょっと遠くなって、硬派ジャズ者の方々からすると「これはジャズじゃない」。確かに、ポップ度が増えた分、ジャズのアルバムといった雰囲気では無い。

で『BJ4』である。少し、ポップ度を下げて、ジャジーな雰囲気を取り戻している。しかも、このアルバムでは、生ピアノの音を前面に押し出した「新境地」を披露している。その魅力的な生ピアノの音は、冒頭の「Pure Imagination」と4曲目「Nights Are Forever Without You」で満喫できる。う〜ん、印象的で魅力的な音。ボブ・ジェームス独特の生ピアノの音作り。良い。大好きだ。
 

Bj4

 
当然、エレピ、フェンダー・ローズも満喫出来る。2曲目「Where The Wind Blows Free」、5曲目「Treasure Island」、そしてラストの「El Verano」。特にラストの「El Verano」のインプロビゼーションでは、魅惑的なフェンダー・ローズのソロが聴ける。良い。素晴らしい。

ブラスの使い方、重ね方は相変わらず素晴らしい。まあ、弦の使い方は「なんだかなあ」なんだけど(写真)。要所要所で「きめてくる」エリック・ゲイルのギターも、実にファンキーでクール。スティーブ・ガッドのドラムは、相変わらずデジタルチックで、凄いグルーブを生み出している。このガッドのドラムが、この頃のボブ・ジェームスの音の「要」となっている。

良いアルバムです。サードアルバムと並んで、ちょっとポップに傾いたアルバムなので、ジャズ・フュージョンの世界では、あまり採り上げられることが無い、ボブ・ジェームスのアルバムとしては「地味」な扱いを受けてはいますが、聴き込む毎に、新しい魅力が発見することができて、一度はまったら、ちょっと病みつきになるアルバムです。

ボブ・ジェームスのCTIレーベルでの最後のアルバムです。この後、自らのレーベル「Tappan Zee(タッパン・ジー)」レーベルを立ち上げて、ボブ・ジェームスの世界を確立していくことになります。
 
 
 
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