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2009年5月 5日 (火曜日)

Simon & Garfunkel『Live 1969』

Simon & Garfunkel の待望のライブアルバムがリリースされた。題して『Live 1969』(写真左)。以前、米国のスターバックス店舗内限定で発売されたライブアルバムである。一般ルートでも販売されるというアナウンスが当時流れたが、突如発売中止となって、その後、音沙汰が無くなったアルバムである。

楽しみにしていただけに、突然の発売中止のアナウンスは無念だった。米国に出張若しくは留学する知人に頼んで、ニューヨークのスタバに買いに行ってもらおうかと思ったほどだ(笑)。それが、今年4月、やっとのことで、一般ルートでもリリースされた。喜ばしいことである。

1969年のSimon & Garfunkelと言えば、解散の前年、一番、油の乗り切った、デュオとして、最高に充実していたであろう時期である。Simon & Garfunkel のライブと言えば、解散後再結成時、1982年にリリースされた『Concert in Central Park』と、2004年にリリースされた『Old Friends Live On Stage』があるが、1960年代の活動時期のライブとしては『Live from New York City, 1967』しかない。

やはり、正式な活動時期でのライブが、もっと聴きたい、というのは正直なところ。あの伝説のデュオが、どういうライブをやっていたのか、興味津々なのである。解散再結成後は、バックにフュージョン系のミュージシャンで構成されたバンドを従えての、かなりゴージャズなアレンジでのライブなので、正式な活動時期、いわゆる1960年代後半はどうだったのか、というのが、僕としては興味の中心だった。

Sg_live1969

1969年の11月に、カリフォルニア、ニューヨーク、デトロイト、オハイオなどで行なわれた全米ツアーからの音源を中心に収録されたもので、名作かつラストアルバムである『明日に架ける橋』のリリース直前の音源。収録された曲も、彼らの有名曲、代表曲がズラリと並ぶ。壮観である。

基本的には『Live from New York City, 1967』と同じく、「ポール・サイモンが奏でるギター1本+2人のハーモニー」を中心とした演奏。そこに、ドラムスとキーボードが、過不足なく、実に的確なサポートで二人を支えている。シンプル・イズ・ベスト。実に簡素ではあるが、実にテクニックある、実に小粋なアレンジである。

二人の声、特に、アート・ガーファンクルの声は若々しくて良い。「天使の歌声」と称えられたアート・ガーファンクルの声が、しっかりと楽しめるところが良いですね。やはり彼のボーカルの高音部分は「ただもの」ではない。ポール・サイモンのギターも素晴らしい。どうやって弾いているのか、今でも不思議に思うんだが、いやはや脱帽もののテクニックである。

もともと音源の少ない、伝説のフォーク・デュオなので、今回の「蔵出し音源」は、実に有り難い。しばらく、ジャズ鑑賞の合間合間に、ちょくちょく聴くことになると思います。シンプル・イズ・ベスト、という言葉がピッタリの今回のライブアルバム。良いものを聴かせて貰いました。
 
 
 
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コメント

お~、またまたいいものをゲットされましたねっ
最近うちでもまたS&Gブームがやってきていて、
「例の」ボックスをしょっちゅう聞いてます。感謝。
今度母娘デュオで「セシリア」を歌おうかと
思っておるのですが、場所が教会なもんで、
歌詞の内容がだいぶヤバい。
そんなわけで、替え歌を作る予定です。
あ、7月のコンサートに行く予定です~(^^)

おお、ひとみちゃん、お久しぶりです。松和のマスターです。

コメント返し、遅れてゴメン。う〜ん、我が家のS&Gブームかあ。
でも、動機はなんなんだ? まあ、今年来日するけどね(笑)。

やっぱり、若かりし頃のS&Gはボーカルが素晴らしいですね。
声が良い。声が若々しい。特に、ガーファンクルの声の素晴らしさ。
惚れ惚れします。

S&Gのコンサートかあ。昔来日した時、ドームに行ったことがある。
曲の懐かしさだけで胸が一杯になったけど、二人のボーカルの
衰えに愕然とした。でも、今では違った聞き方、感じ方があるだろう。
彼らが今でも歌っていること。それだけで十分に感動できる。
そう、僕たちもそんな歳になったってことやね(笑)。
 


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