ナベサダさんの武道館ライブ
唐突ではあるが、ナベサダがお気に入りである。実は「ナベサダ」なんておいそれ呼べない。ジャズを聴き始めた頃から「ナベサダさん」である。「ナベサダさん」=「渡辺貞夫」。日本が世界に誇るジャズ・ジャイアンツ。不世出のアルト・サックス奏者である。
そのナベサダさんのアルバムは大多数持っているんだが、LPで持っていて、どうしてもCDに買い換えるのに、プライオリティの下がるアルバムがあった。1980年、日本人ジャズメンで初の武道館リサイタルを実現した記録『ハウズ・エヴリシング』(写真左)。当時はLP2枚組。確か、レコードで逆輸入されて発売された記憶があります。LPの包装が外盤仕様だったのを覚えています。
この武道館ライブは、テレビでも放映されたし、確かFMではライブ生放送か、ライブ録音を無編集で流していたような記憶が・・・。そうそうたるメンバーを従えての武道館ライブでした。そのパーソネルは、DAVE GRUSIN (p), RICHARD TEE (p), ERIC GALE (g), JEFF MIRONOV (g), ANTHONY JACKSON (b), STEVE GADD (ds), RALPH MACDONALD (per)。今から思えば、凄い面子ですねえ〜。
以前のCDでは、理由は判りませんが、2曲目の「ムズーリ」が削除されており、これはもう買えない、LPのままの方が良い、と判断して、CDの買い換えは全く考えもしませんでしたが、何かの拍子にamazonで、71分間ギリギリまでリミックスして編集された「完全盤」が出ていることを確認し、全く遅まきながらゲットしました。
しかし、う〜ん、どうもエリック・ゲイルのソロがカットされているような気が・・・。ネットで調べてみると、やはりゲイルのソロがカットされているみたいですね。う〜ん、完全盤のようで完全盤ではないのか。それならば、CD2枚組で良いので、編集前のマスターテープから、再編完全盤をリリースしてほしいですね〜。それほど、このライブは、歴史的価値があると思います。
どの演奏も熱気が溢れんばかり。日本に来たからと観光気分で手を抜く米国ミュージシャンもいたりしたんですが、このバックの面々は違う。ガンガンに弾きまくっています。ナベサダさんがそうさせるのか、武道館の聴衆がそうさせるのか、とにかく素晴らしい演奏です。
しかし、LP時代から、どうしてもストリングスの存在というか、ストリングスは入っていても良いと思うんですが、そう、ストリングスのアレンジが、どうしても気に入らない。というか好きになれない。このストリングスのアレンジであれば、無かった方が良かったですね。このストリングスは、発売当初から気になって仕方がなかったです。どうもアレンジがイマイチなんですね。
そのストリングスのアレンジを差し引いても、日本ジャズにとって、歴史的なライブです。というか、演奏自体の素晴らしさだけでも、このライブは「買い」ではないでしょうか。確か当時、本場米国でもかなり評価が高かったはず。その雑誌記事を読んで、胸が熱くなったのを覚えています。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« 『ジャズの小径』5月号アップです | トップページ | 正統派「洒落た70年代フラナガン」 »
コメント