ジャコの傑作ライブ・アルバム
「ジャコのもう一つの側面が、作曲家、編曲家、プロデューサーとして側面。唯一無二な、実にユニークな編成のジャズ・ビッグ・バンドを主催していた、その才能はもっと評価されても良い位、傑出したものだと僕は思う」。と、先日、このブログ(4月15日のブログ・左をクリック)で述べた。そのビッグ・バンドの傑作ライブ・アルバムが、日本発で「ある」。
Jaco Pastorius Big Band『Twins I & II - Live In Japan 1982』(写真左)。1982年9月1日・日本武道館、1982年9月4日・大阪フェスティバルホール、1982年9月5日・横浜スタジアム、3日間の来日ライブから選定された2枚組。
当初は別々に『 Twins I 』と『 Twins II 』として日本国内限定発売で2枚同時にLP レコードとして発売されたもの。1982年9月に行われたオーレックス・ジャズ・フェスティバルでのコンサートを収録したライブ・アルバムだった。う〜ん懐かしい。1982年9月と言えば、僕は社会人ホヤホヤ、絶対に住みたくなかった東京にいきなり転勤させられ、仕事がてんこ盛りの東京。仕事仕事仕事で、ジャコのライブどころでは無かった。
だから、この『 Twins I 』と『 Twins II 』の2枚のLPは有り難かった。素晴らしいライブアルバムだ。そして、CD化された時は万々歳。24ビット、デジタル・リマスタリングだけに音も良く、LPの様にA面、B面で裏返すこともなく、連続して、ライブ演奏が追体験出来る。
この『 Twins I 』と『 Twins II 』から、世界発売向けにアメリカのワーナー・ブラザーズ・レコードが1枚のアルバムに抜粋し、コンピレーション化したアルバムが『Invitation』(写真右)。
『Twins I & II - Live In Japan 1982』は冗長な部分がある、ダレた部分がある。そして、その部分を編集して1枚にまとめた『Invitation』の方が優れている。どうも、世間ではそういう評価が横行しているようだが、僕はそうは思わない。
『 Twins I 』と『 Twins II 』はライブの記録。ライブ演奏そのものの記録である。我々は、当時のライブを、その時の聴衆が聞いた演奏と同じものを追体験できる。が、『Invitation』は編集物である。所謂「作り物」。厳密にいうとライブの記録では無い。
ジャズのライブは一期一会。同じ演奏は2度現れない。その再現性の無い、その瞬間が全てというところがジャズ演奏の醍醐味である。そりゃ〜、人間が演奏するんだから、冗長な部分も出て来るだろうし、ダレた部分もあるだろう。でも、その人間性を感じることができるのも、ジャズの良さ、ってものじゃないかしら。
その冗長な部分、ダレた部分などをカットして、良い演奏の部分を使って差し替えたり。はたまた、ライブ録音の上に、後で楽器演奏をオーバーダビングしたり。それって、人間がその才能の限りを尽くして、その場限りの演奏を繰り広げる、再現性の無い、一期一会のジャズ演奏を、人の手で「加工する」ことになるんじゃないのかなあ。
僕は『Twins I & II - Live In Japan 1982』の方が圧倒的に好きだ。冗長な部分、ダレた部分も含めて、人間らしく、その才能の限りを尽くして、一期一会の演奏を繰り広げる、リーダーのジャコ・パストリアスをはじめとした、ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンドの面々の演奏が大好きである。この演奏を生で聞き見た人達が羨ましい限りである。
『Twins I & II - Live In Japan 1982』を聴き込んで、その長さに馴染んでしまうと、どうも編集された『Invitation』は短く感じて、ミスの無いところが面白みに欠けて、どうもいけない(笑)。
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