永遠のフュージョン名盤
肌寒い日も、なんとか行き過ごしつつある感じ。でも、治りかけていた風邪がちょっとぶり返して、なんだか調子が出ない。そんな時に難しい音楽は良くない。調子を立て直すには、昔から、お気に入りで聴き慣れたアルバムが良い。
そんな時は、やっぱり耳当たりの良いフュージョン・ジャズやなあ。お気に入りで聴きなれたアルバムかあ。そう言えば、フュージョン・ジャズで、一番長く、お気に入りで聴いているアルバムとは何か。
それは、ボブ・ジェームス(Bob James)の『One』(写真左)。出会ったのは、高校1年の秋。カセットデッキを手に入れて、片っ端から、FMエアチェックに励んでいた頃。ボブ・ジェームスの「涙のカノン」を偶然、エア・チェックした。良い曲だなあ。そりゃそうで、パッヘルベルの「カノン」のフュージョン・アレンジ版やもんね。
それで、ボブ・ジェームスという名前を覚えた。当時はFMもふるっていて、LP一枚分全てをオンエアしていた。そして、FM雑誌でチェックして、ボブ・ジェームス『One』フルフルをオンエアする番組をチェックして、エアチェックした。プレイバックして衝撃を受けた。
当時、プログレ小僧だった僕は、このテクニック溢れる、そして入念にアレンジされた、素晴らしい演奏に魅了された。今の耳で聴いても、素晴らしい演奏には変わりは無い。本当に良くできたアルバムだと思う。
冒頭の「Valley of the Shadows」は、当時からツボに填った名演。出だしは、良くアレンジされた、なんとなく「おどろおどろしい」、不安感漂うような、テンションの張ったマイナー調の演奏。フリー・ジャズの影響も見え隠れする、結構ジャジーなところがミソ。

しかし、である。8分10秒辺り、いきなりメジャー調に転調し、ブラスの「ユニゾン&ハーモニー」。ぱ〜っと視界が開けるような、ぶわ〜っと幸福感が舞い込んでくるような演奏に転換。このメジャー調に転調するところが「良い」。今でも、この部分になると「ゾクゾク」する。
そして2曲目「In the Garden(邦題:涙のカノン)」に移行する。この2曲目への移行も良い感じ。心からしみじみする。この曲で感心するのは、ハーモニカがメインの旋律を取ること。ハーモニカがメインの旋律を奏でる演奏を初めて聴いた。そして、途中、エレクトリック・ベースのソロが良い。この曲を聴いて、エレクトリック・ベースがソロを取ることを初めて知った。
4曲目「Night on Bald Mountain」は、ムソルグスキーの「はげ山の一夜」のフュージョン・アレンジ版。錚々たるメンバーでの、錚々たるテクニック溢れる演奏が繰り広げられる。特に、スティーブ・ガッドのドラミングが凄まじい。ボブ・ジェームスのアレンジが素晴らしい。単なるクラシック名曲のジャズアレンジといった安易なアプローチでは無い。ここまで素晴らしいアレンジは、もうアーティスティックなレベルにまで達している。
疾走感溢れる、ダイナミックで超絶技巧なテクニック集団の「はげ山の一夜」が終わるやいなや、「Feel Like Making Love」が始まる。この移行も「ぞくぞく」とする瞬間。「Feel Like Making Love」は、ロバータ・フラックの名唱で知られる名曲。ソフト&メロウなアレンジが心地良い。というか、これって、このアレンジって凄くないか。
そしてラストの「Nautilus」のディープで低音の響きが素晴らしい、加えて、この曲のアレンジも「Feel Like Making Love」とは違った、ソフト&メロウ感が素晴らしい。ボブ・ジェームスのアレンジと演奏の才能が全開のアルバム。このアルバムは、単なるフュージョン・ジャズでは片付けられない、アーティスティックな域まで達した、しっかりアレンジされたフュージョン・ジャズだと僕は思う。
やっとこさ、精神的に充電できたかな。後は、風邪をしっかり治すことやなあ。
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