俺の他に誰がいる?
『Who Else! 』。なんて格好いいアルバム・タイトルだろう。日本語にすると「俺の他に誰がいる?」って感じだろうか。ギター職人ジェフ・ベックが、1989年リリースの『Jeff Beck's Guitar Shop』以来、10年ぶりに発表した1999年アルバム。10年ぶりだけに「はじけまくって」いる(笑)。
『Jeff Beck's Guitar Shop』については、2009年1月19日のブログ(左をクリック)をご覧頂きたい。今日は、この1999年リリースの『Who Else! 』(写真左)である。
テクノを大胆に取入れたディスコっぽい曲、出色のブルース、トラディショナルでケルト風な曲などなど、もうギター職人ジェフ御大のギター弾きまくり、好き勝手にやりまくり、である(笑)。
のっけからぶっ飛ばす。冒頭「What Mama Said」の格好良いこと。大胆にもディスコっぽいアプローチであるが、これがなんと「古くない」。このギター職人のおっさんは「化け物」か?(笑)。今の耳にも十分耐えるというか、ジェフ独特の個性溢れる、ジェフしか出来ない「ディスコ」である。踊れるロック・ギター、ジェフの面目躍如である。
2曲目以降も「ぶっ飛ばし」の手を緩めない。テクニック優先のギターではない、聴かせるギター満載である。超絶技巧ではないのに、このエレキギターは何人にも真似できない。孤高のインスト・ギターがここにある。
ラストを飾る「アナザー・プレイス」は実に印象的。ノリノリのエレキギター大会を聴かせたと思えば、こんな美しい曲を、さらりとエレギでやってしまう。はあ〜、天才の仕業というのは、このことでしょうね。
「俺はノスタルジアではないぜ」というジェフの声が聞こえそう。過去の栄光である『Blow By Blow』や『Wired』をなぞらない、常に最先端で、常にヒップなエレキギターのインストを聴かせるジェフは「化け物」である。
「Who Else!」=「俺の他に誰がいる?」。いやいや、ジェフ・ベック御大しかいません。これだけのトンガッたギター・インストを聴かせるのは、ジェフ御大以外におりませぬ。いや〜、参りました。1989年リリースの『Jeff Beck's Guitar Shop』もたまげましたが、この『Who Else!』は「たまげた」を通り越して「脱帽」です。
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