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2008年12月 9日 (火曜日)

純ジャズ復活黎明期のJM 『Album Of The Year』

実際に、ジョンの死亡が確認されたのは、ニューヨークで、1980年12月8日23時07分。日本と14時間の時差があるから、日本では、1980年12月9日の13時07分となる。だから、正確に言うと、日本では12月9日になる。

そうか〜。28年前の今日だったのか。ショックやったなあ。やるせなさが一気に押し寄せてきて、夜、親友と飲みながら、ハラハラと泣いたなあ。と、28年前の思い出に浸っていたら、なんだか心が「鬱」状態になってきた。いかんいかん。このまま、放っておくと、精神的「引きこもり」状態になる。

こんな時はジャズだ。純ジャズだ。熱い純ジャズが特効薬。悲しみから純ジャズで脱出である。さあ、何が良いか、どのアルバムが良いか。そういえば、最近、探しに探していた、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースの『Album Of The Year』(写真左)を手に入れたのを思い出した。

このアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースの『Album Of The Year』は、1981年4月12日、フランスはパリでのライブ録音。パーソネルは、Wynton Marsalis (tp), Bobby Watson (as), Billy Pierce (ts), James Williams (p), Charles Fambrough (b), Art Blakey (ds)。そう、当時「トランペットの神童」と呼ばれた、天才ウィントン・マルサリス参加のメッセンジャースのライブ盤である。

1970年代後半、ハービー・ハンコック率いる「V.S.O.P.」クインテットの活躍をきっかけに、「純ジャズ復古」の動きが加速する。最初は、懐メロ的な評価だったが、ベテラン・ミュージシャンから若手有望株まで、目覚ましい活躍、素晴らしい演奏を繰り広げるに至り、そして、このウィントン・マルサリスを中心とする、過去の純ジャズを見直し、新しい感覚で純ジャズを再構築する「新伝承派」が台頭、ジャズの老舗レーベルである「ブルーノート」が復活する至って、純ジャズは完全復活した。
 

Album_of_the_year

 
そんな「純ジャズ」復活の黎明期、1981年のジャズ・メッセンジャースのライブ盤『Album Of The Year』は、それはそれは素晴らしい出来、実に覇気のある内容である。アート・ブレイキー御大のもと、当時の若手精鋭ミュージシャン達が、溌剌とした、新しい感覚、新しい響きの「純ジャズ」を繰り広げている。

ウィントン・マルサリスばかりがクローズアップされがちだが、ボビー・ワトソン以下、他のミュージシャンも、ウィントンに負けず劣らず、素晴らしい演奏を繰り広げている。とにかく、1950年代〜1960年代の純ジャズとは、全く違う「新しい響き」「新しい感覚」「新しい音の重ね方」が実に清々しい。演奏も熱気溢れる、超絶技巧なもので、アルバムを通して聴いていると、徐々に口が「あんぐり」と開いてしまうような、とにかく素晴らしい演奏が、ギッシリと詰まっている。

さすが、アート・ブレイキー御大。これだけの若手精鋭部隊をドラム一発で従えて、悠々と指揮を執る。若手精鋭部隊は、御大の指揮の下、存分にその実力を発揮する。これぞ、ジャズ・メッセンジャースの面目躍如である。いつの時代も、ジャズ・メッセンジャースは、純ジャズの「若手道場」だった。1981年のこの時代も、ジャズ・メッセンジャースは、純ジャズの「若手道場」。自己研鑽に努める若手ミュージシャンが実に美しい。

余談になりますが、日本盤のジャケット・デザイン(写真右)は酷いですよね。このジャケットじゃあ、ほとんどの人が買う気にならないと思うんだけど。内容が素晴らしいアルバムだけに、もうちょっとジャケット・デザインにも気を配って欲しいものです(笑)。

う〜ん、溌剌としていて、爽やかで、覇気溢れていて、熱気ムンムン。う〜ん、元気が出るぞ。精神的に熱くなる。心が前向きになる。「ジョンの命日」の悲しみから、純ジャズで脱出。さあ、上を向いて歩こうではないか。
 
 
 
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