レッド・ツェッペリン Ⅴ
3連休の中日である。朝から、少し鉛色の雲がたなびいて、晩秋の雰囲気を強く感じる。気温も下がって、寒くなった。昨日、東京では「木枯らし一号」が吹いた。いよいよ、冬への季節の移り変わりが始まった感じ。
さて、今日は午前中は定例の買い物へ出かけた訳だが、午後は何もすることが無い。故あって、遠出することが出来ないので、今日の午後は、本を読みながら音楽三昧。レッド・ツェッペリン(以下ゼップと略す)の『デフィニティヴ・ボックスセット』をベースとした「アルバムの聴き直し」を進める。
今日は、レッド・ツェッペリンの5枚目のアルバム『Houses of the Holy(邦題:聖なる館)』(写真左)。僕が高校時代、初めて自腹を切って買ったゼップのアルバムが、この『Houses of the Holy』である。当時、最新作といえばこれだった。いや〜、懐かしい話やねえ。
僕は、もともと、学生時代より、この『Houses of the Holy』というアルバムを高く評価している。初めて自腹を切って買ったアルバムだからでは無い(笑)。レッド・ツェッペリンというバンドがどういう特色を持ち、どういう力量を持ったバンドだったのか、を如実に表したアルバムだという確信があるからだ。
ペイジのギターもフレーズも無駄が無く、ペイジの「必殺リフ」中心の曲作りが完成の域に達した感がある。冒頭の「Song Remains the Same」など、その曲作りとギター・リフは惚れ惚れするばかり。
そして、「Dancing Days Are Here Again」「The Crunge」「Over the Hills and Far Away」に顕著だが、そゼップのリズムセクション(ドラマーのボンゾ、ベースのジョンジー)も完成の域に達していて、迫力満点、安定度抜群。そのバックを従えて歌うプラントは気持ちよさそう。
加えて、ジョンジーは、キーボードワークの本質的な力量を、哀愁に満ちた「No Quarter」や「The Ocean」でいかんなく発揮し、ゼップの音楽性を飛躍的に高めている。
この『Houses of the Holy』は、ゼップの音楽性の全てを、バランス良く詰め込んだ、ゼップの代表作だろう。この先取性溢れる内容は、ハード・ロックの一言では括れない、実にプログレッシブな内容となっている。もうジャンルでは括れない、ゼップ独特の孤高の音世界がここにある。ゼップ独自のグルーブの完成がこのアルバムにある。
恐らく、ペイジとプラントが作りたかった音楽が、この作品なんだと思う。ペイジの嗜好とプラントの嗜好が素晴らしいブレンドとなって、このアルバムを特別なものにしている。この作品の内容を実現する為に、一般大衆に判りやすいように、そして、アルバムのセールスと相談しながら、「4枚のアルバム」を用意周到にリリースして来たのではないか、と思うほどの戦略性が感じられる。
とにかく、ハード・ロックなどというジャンルでは括れない、多様でアーティスティックな音世界である。これぞ、唯一無二「ゼップ・ワールド」である。
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