秋の夜長に素敵なデュオ 『Two Way Conversation』
盛春と晩秋の夕方。とっぷり日が暮れた夜の始まり。とても物寂しくて、実は苦手な季節である。この物寂しさはとても辛い。歳をとる毎に、その苦手さは年々増していく。
昨日、一昨日と打合せや懇親会で忙殺されて、2日間、ブログをお休みしました。もうヘロヘロです。今日はもうダウン寸前ですわ(×_×)。
今日は早々に家に帰り着いて、今日はさすがに晩酌抜き。肝休日である。精神的にも結構参っているところもあるので、ゆったりとジャズが聴きたい。ゆったり聴くジャズは「純ジャズ」に限る。それも、ドラムの無い、静かな雰囲気のデュオが良い。
最近気に入ってヘビーローテションになっているデュオがある。Barney Kessel & Red Mitchell『Two Way Conversation』(写真左)である。バーニー・ケッセル(Barney Kessel)はギタリスト。ジム・ホールと同系のシングル・トーンが魅力。そのシングル・トーンが太くてシッカリしているのが特徴。そして、レッド・ミッチェル(Red Mitchell)はベーシスト。その太いトーンとピッチの合った職人芸的なベースが魅力。
この職人2人のデュオが実に良い。実に良い味を出しています。1曲目の「Two Way Conversation」から、2人の息はピッタリ。玄人芸の応酬です。それでいて、太くて優しいケッセルのギター。そのギターに寄り添うように、ビートを供給するミッチェルのベース。う〜ん、和やかな空気が流れます。
LPでいうところのA面に当たる1〜3曲目がジャズ・スタンダード特集。B面が、当時のヒット曲がズラリと並ぶポップスカバー特集。どちらも魅力的な演奏ばかりで、僕はその時の気分によって、聴き分けています。
雰囲気を一言でいうと、A面の「ジャズ・スタンダード集」は、ケッセルとミッチェルの職人芸を駆使した、味のある純ジャズが聴けます。B面の「ポップス・カバー集」は、採り上げられた曲が魅力的。ギルバート・オサリバンの「Alone Again」、ロバータ・フラックの「Killing Me Softly With His Song」は良い味出してます。特に「Alone Again」には、しみじみしてしまします。
このデュオアルバムが録音されたのが、A面 : 1973年6月5日、B面 : 1973年10月2日。1973年と言えば、ジャズ界は、マイルスがエレクトリック・ジャズでグイグイ飛ばし、その影響を受けて、電気楽器を核としたクロスオーバー〜フュージョンが台頭してきた時期。
純ジャズには逆風の辛い時期。そんな時期に、この『Two Way Conversation』の様な「純ジャズ」バリバリのアルバムがリリースされていたなんて、ジャズの懐の深さに改めて感心します。
西海岸のギターとベースの巨匠たちの,リラックスした至芸を楽しみつつ、ユッタリと心を休め、体を休める。そうして晩秋の夜は更けていく。そろそろ眠くなってきました。今日はヘトヘトなので、この辺で寝ようかと。それでは、皆さん、お休みなさい zzz。
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