とてもジャジーなギター 『Introducing Kenny Burrell』
昨日までの約3日間、局地的大雨警報や記録的大雨情報、落雷警報など、あまり聞いたことの無い気象警報が飛び交って、いきなりの土砂降りの雨や落雷に見舞われた千葉県北西部地方であったが、今日の昼前から陽射しが戻って、やっとこさ天気は回復基調。
午後からは、涼しい風が部屋を吹き抜ける絶好の昼寝日和(笑)。この1ヶ月間ほど、仕事疲れが溜まりに溜まっているので、2時間ほど昼寝。吹き抜ける風が気持ち良い、というか肌寒さを感じるほど。気が付けば今日は8月31日。8月も今日で終わりである。
これだけ涼しくなると、メインストリーム系のジャズが聴きたくなるというもの。とりわけ、硬派でジャジーなヤツが良い。メインストリーム系、硬派、ジャジーとくれば、レーベルとしては「ブルーノート」でしょう。そして、ジャジーなヤツとくれば「ギターもの」かな。「ブルーノート」で「ギターもの」で「ジャジーなヤツ」かあ。ということで、今日はケニー・バレルを選択。
ケニー・バレルは、米国ミシガン州デトロイトの出身。バレルのギターは、しっかりと芯のある太さがあって硬質な音。硬質の音でありながら、紡ぎ出すフレーズはしなやか。そして、黒くてブルージーな質感が特徴。これぞジャズ・ギターの音、って感じです。
ケニー・バレルのリーダー・アルバムは、どれもが「ジャジー」なんだが、今日は、覇気溢れる溌剌とした演奏が気持ち良い『Introducing Kenny Burrell』(写真左)聴く。デトロイトからニューヨークに進出し、間もない頃に録音したバレルの初リーダー盤。1956年5月の録音で、パーソネルは、Tommy Flanagan (p) Kenny Burrell (g) Paul Chambers (b) Kenny Clarke (ds) Candido (cga)。ブルーノートの1523番である。
パーソネルを眺めると、トミー・フラナガンの参加が目を惹くが、このアルバムは、やはり、主役のケニー・バレルのギターだろう。冒頭の「This Time The Dream's On Me」で、実に覇気溢れる溌剌としたギターが聴ける。この覇気溢れる溌剌さからは、従来の「ビ・バップ」系のギターを想起させる。が、バレルのギターは、「音の選び方」と「シングルトーンとコードの兼ね合い」が特徴的で、「ビ・バップ」系のギターとは一線を画する。
リズムセクションには、ピアノトリオに加えコンガが参加。このコンガの参加については賛否はあるだろうが、まあまあ、それぞれの演奏、特にバレルのギターにマッチしているので及第点。でも、コンガの参加していない2曲目の「Fugue 'N' Blues」と4曲目の「Weaver Of Dreams」を聴くと、よりバレルのギターが躍動感満点に前面に出て、バレルのギターを堪能できることからすると、コンガはいらなかったかな?
でも、6曲目の「Rhythmorama」。この演奏、ケニー・クラークのドラムとキャンディドのコンガでの「リズムの洪水、リズムの嵐」。このパーカッションのみの演奏が6分30秒弱、延々と続きます。これは「やりすぎ」ですね。バレルの初リーダー作に、このパーカッションのみの演奏を入れた意図が良く判らん。
6曲目の「Rhythmorama」の存在が良く判らないのを除けば、良い雰囲気のアルバムです。ケニー・バレルのギターについては、初リーダー作とはいえ、テクニック的には既に完成されているので、安心してバレルのギターを楽しめる佳作です。
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