サザン・ロックな夏の夜
ちょっと涼しい一日。酷暑も一休み。今晩は久しぶりに、バーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」。夏はソフト&メロウな、ちょっと渋いロックが良い。スコッチ片手に聴くと、これが良い。
今晩はサザン・ロック。『レイド・バック』で渋い喉と演奏を披露した、グレッグ・オールマンの、77年発表、グレッグのソロ名義、スタジオ録音盤の第2弾。第1弾の『レイド・バック』は、7月7日の当ブログでご紹介した。このアルバム・タイトルの「レイド・バック」とは、音楽の用語として良く使われるが、「くつろいだ、のんびりとした、ゆったりした」という意味である。
今日、スコッチ片手に聴いている『Playin' up a Storm(邦題:嵐)』(写真左)。このアルバムは、前作の「レイド・バック」な雰囲気に、AORな雰囲気をふんだんに取り込んだ、実に渋い、実にソフト&メロウなサザン・ロックの一枚である。
思い起こせば、あれは高校2年生の頃。プログレ小僧だった僕が、ポール・マッカートニーの悪口を言ったら、『ビーナス&マース』を放ってよこされ、聴いて感動し、それを伝えたら「判ればええんや」と一言、バッサリ言い放った女の子の薫陶を受け、デレク・アンド・ドミノスとオールマンズの洗礼を浴び、スワンプ〜サザン・ロックにどっぷり使ったのは、高校2年の秋。それ以来、サザン・ロック、特にオールマンズは、現在に至るまで、僕の大切な「耳の友」である。
このグレッグ・オールマンの『Playin' up a Storm(邦題:嵐)』、レコード屋で手に取った時、このアルバムのジャケットと邦題に「どん引き」して、どうしても買う気が起こらなかった。で、しばらくして、大学の近くの秘密の音楽喫茶(2006年5月19日のブログ参照)で、偶然にも、このアルバムがかかった。出だしの「Come and Go Blues」続く「Let This Be a Lesson to Ya'」が、素晴らしく渋い。頼み込んで、カセットにダビングさせて貰った。
曲が進むにつれて、AOR度、ソフト&メロウ度が濃くなっていく。それでも、サザン・ロック特有の泥臭さ、渋さはしっかりと反映されていて、聴き心地一辺倒のそこいらのペラペラのAORとは一線を画した、実に味わいのある、渋〜い演奏が「てんこ盛り」である。特に、ニール・ラーセンのキーボードが実に良い雰囲気を醸し出している。曲によってジャジーな雰囲気が漂うのは、ラーセンの仕業だろう。
名盤の誉れ高い第1弾の「レイド・バック」に比べると、世間的な評判はイマイチなアルバムですが、僕は好きです。純なロック・ファンからは、選曲とアレンジがいまいちだの、そして収録順がどうだの、とやかく言われますが、逆に、フュージョン・ファン、ジャズ・ファンには、結構、このアルバム、不思議と評判が良いんですよね。恐らく、このアルバム独特の「ジャジーな雰囲気」が、純なロック・ファンのお耳に召さない理由だと睨んでいます。
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