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2008年6月13日 (金曜日)

ポールのライブを「もう一丁!」

昨日、『Paul Is Live』について語った。で、この『Paul Is Live』を3度繰り返し聴いて、なんとなく物足りなさを感じた。もっと聴きたい。であれば、もっと聴きたい時、選ぶポールのライブは『Tripping the Live Fantastic』(写真左)だろう。今日は、ポールのライブを「もう一丁!」(笑)。

この『Tripping the Live Fantastic』は、ウイングスのラスト・ライブから12年が過ぎ、89年9月から90年6月にかけて行われた、なんと、これが初のソロ・ツアーをほぼ全編を収めたライブ・アルバムである。CDにして2枚組のボリューム。

Paul McCartney, Linda McCartney, Robbie McIntosh, Hamish Stuart, Chris Whitten, Paul 'Wix' Wickens と、ほぼ昨日ご紹介した『Paul Is Live』と同一メンバーのライブ演奏。圧倒的な演奏力。良い雰囲気、良い演奏のライブです。このライブ・バンドは上手い。加えて、ポールのボーカルも絶好調。と、ここまでは昨日と同じです(笑)。

収録曲が魅力的。ビートルズ時代〜ウイングス時代〜ソロに至るまでの、その当時までのポールの全キャリアから、それぞれの時代の名曲がチョイスされている。このライブアルバムがリリースされた当時、ほぼ半数を占めるビートルズ・ナンバーに対して、評論家から過去の栄光にすがっている、というような批判があがった。でもね〜、演奏している全ての曲は、ポール自身が書いた曲なんだよね。演奏して何が悪い。

演奏の内容が、過去と比べて色あせたようなら、その批判も一部認めよう。でも、このライブアルバムを聴けば、当時の心ない評論家の批判が全く的外れで、評論家として恥ずかしいことだったことが良く判る。演奏レベル、演奏内容共に、ポールのキャリアを通じて最高に充実している。
 

Tripping_the_live_fantastic

 
逆に、充実しすぎていて、CD2枚組を一気に聴き通すのは「トゥー・マッチ」である。耳にもたれる。CD一枚ずつ、別々の日に楽しむのが、僕にとっての、この『Tripping the Live Fantastic』の一番効果的な楽しみ方。

但し、不満がいくつかある。「Get Back」のアレンジについて、アルバム『Let It Be』のフィル・スペクターの編集そのままのアレンジを踏襲しているのには疑問が残る。ポールの『Let It Be』に対するスタンスが良く判らん。

それから、ラストのメドレー「Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End」は、演奏して欲しく無かった。このメドレーは、ビートルズ最後のアルバム『Abbey Road』のラストを飾る伝説のメドレー。ここで、ポールがソロで演奏するって、この『Abbey Road』を私物化しているようで、なんだか釈然としない。
 
最後に、この「Get Back」と「The End」のドラミングは、リンゴ・スターでないといけない。リンゴのドラミングだけが、この「Get Back」と「The End」のドラミングであって、他のドラマーが叩くなんて、僕にとって、ナンセンス極まりない。これって、ちょっとポールって無神経過ぎやせんか〜(笑)。

まあ、その脳天気なところが、ポールの良いところでもある(苦笑)。不満はあるとはいえ、このライブアルバムは、昨日ご紹介した『Paul Is Live』と併せて、ポールの最高のライブ・アルバムである。圧倒的な演奏技術とパフォーマンス。いつ聴いてもこれらのライブには「脱帽」である。
 
 
 
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