渡辺貞夫・硬派な純ジャズ 『Bird of Paradise』
またまた雨である。今年の春は雨が多いなあ。特に、関東地方は、この季節、雨が降ると寒くなることが多い。昨日はやっと、会社からの帰り道、最寄りの駅から歩いて帰る道すがら、頬を吹き抜けて風がやっと春らしい柔らかな風やなあ、と感じ入ったばかりなのに・・・。
さて、今朝は何を聴いて会社へ行こうか、と思って、iPodの白いダイヤルをグルグルしていたら、渡辺貞夫に行き当たった。しかも、フュージョンでは無い、純ジャズの渡辺貞夫(愛称ナベサダ)である。
純ジャズの渡辺貞夫、もともと彼は純ジャズの大御所。その傍らでフュージョンもやる、というのが、彼のスタンスなんだが、商売的には、フュージョンの方が売りやすいのか、フュージョンのナベサダの印象だけが先行している感じ。でも、純ジャズのナベサダについては、どのアルバムの良いモノばかり。
今日は久しぶりに、渡辺貞夫『Bird of Paradise』(写真左)を聴く。1977年5月4日の録音。このアルバムは愛聴盤で、学生時代から今まで、幾度聴いたか判らない。グレイト・ジャズ・トリオ(The Great Jazz Trio) 〜 ハンク・ジョーンズ(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウイリアムス(ds) 〜 をバックに、縦横無尽にアルト・サックスを吹きまくる。
もともと、バード(チャーリー・パーカーの愛称)のフォロワーだった渡辺貞夫。確かに、彼のアルト・サックスの奏法は、バードのそれ。でも、ちょっと違う。パーカーと比べると、ほんのりとロマンが漂い、アルトの音色が若干丸く、アドリブラインはバードのそれより、シンプルで判りやすい。
といって、テクニックに走らない、雰囲気で聴かせるアルト奏者かと思いきや、その印象は間違いで、ジャズとして純ジャズとして、しっかりとしたテクニックと歌心を持ち併せている。しっかりと理論立てて、曲毎にしっかりとした解釈の下、しっかりとアルトを吹き切る。
改めて、この『バード・オブ・パラダイス』を聴くと、ナベサダのアルトの音色、奏法、アドリブ、どれを取っても、素晴らしいことを再認識する。
しかも、バックの「グレイト・ジャズ・トリオ」が良い。特に、トニー・ウイリアムスのドラミングは凄い。超絶技巧なドラミングでフォービートを叩いたらどうなるか。凄いドラミングです。文字では表現できない「聴けば判る」。
ハンク・ジョーンズのピアノはシンプルで、そこはかとなくファンキーで黒く、ロン・カーターのベースは、悪名高き増幅アタッチメントが幅を効かしてはいるが、ピッチはいつもより合っていて、良いベース音を供給する。
この『バード・オブ・パラダイス』、収録されている演奏はどの曲も内容があって素晴らしい。このアルバムを聴く度にいつも思う。純ジャズの渡辺貞夫って素晴らしい。日本人ジャズ最高峰の演奏が聴けます。
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