70年代ロック・ポップスを題材に
今日は、この秋一番の冷え込み。朝、起きて毎日、新聞を取りに行くのだが、息が白い。テレビでは「今日は立冬です」と言っている。そうか、もう立冬か。「冬立てり」、これから冬の気配が色濃くなっていくんやなあ。
このところ、輸入盤で、良いジャズのアルバムにあたっていて、気分が良い。このところ、良く聴く輸入盤の一枚が、イタリアの巨匠アルド・ロマーノ(1941年生まれ・写真右)の仕切りによる、人気者バティスト・トロティニョン(p)のフィーチュアされた連名トリオの「FLOWER POWER」(写真左)。
収録された曲を見れば、ちょっとビックリする。主だったものを挙げると、1曲目は、M.Polnareffの「Love me, please love me」、5曲目は、なんと、Led Zeppelinの「Black Dog」。続く6曲目は、J.Taylorの「Don’t let me be lonely」、7曲目は、B.Dylanの「Mr.Tambourine man」、8曲目はS&Gの「Bridge over trouble water」、そして、10曲目は、E.Johnの「Your Song」などなど。70年代ロック、ポップスのオンパレードである。しかも、選曲のセンスが良い。
演奏はと言えば、これがこれが、キレ良く、ダイナミックで、疾走感、爽快感が気持ち良い、コンテンポラリーなピアノ・トリオ・アルバムなのだ。ちょっとビックリした。ピアノは深くしっかりしたタッチで、それでいて、疾走感溢れるフレーズを弾きこなし、ベース(Remi Vignora)はしっかり正統派、ブンブン切れの良い重低音で底を支え、ドラムは切れ良く、タイトでドスンと気持ち良いリズムで、全体を支える。
70年代ロック、ポップスをジャズ・フォーマットで演奏するのであるが、選曲によって、その出来は様々である。1曲目の、M.Polnareffの「Love me, please love me」、6曲目の、J.Taylorの「Don’t let me be lonely」、7曲目の、B.Dylanの「Mr.Tambourine man」、10曲目の、E.Johnの「Your Song」は、しっかりとジャズになっていて、感心感心。
これらの曲は、テーマ部とアドリブ部が違和感無く流れて、様々なメンバーが様々なアレンジでチャレンジして行けば、新しいジャズ・スタンダードになり得るポテンシャルを十分に秘めている、と僕は思う。特に、E.Johnの「Your Song」は、新しいスタンダード・バラードとしての可能性を十分に感じる曲だ。
逆に、様々なメンバーで様々なアレンジで聴くんだが、聴く度に、どうしても、ジャズ・フォーマットに合わないなあ、と思うのが、S&Gの「Bridge over trouble water」(邦題:明日に架ける橋)。これって、合わないよ、ジャズに。今までに結構、ジャズの素材に取り上げられるケースが多い曲なんだけど、聴く度に違和感を感じる。素直なコード進行で、歌い上げていく感じの曲なので、アドリブ部の展開が取って付けたようになるんだな。この曲は、この曲で完成されているんでしょうね。
しかし、Led Zeppelinの「Black Dog」を取り上げているのにはビックリした。聴いてみると、ロバート・プラントのボーカルをピアノでほぼ忠実にトレースして終わり。この曲のテーマを、どんな形でアドリブ部に展開していくのか、ワクワクして聴いていたら、アドリブ部がほとんど無いまま、演奏が終わっちゃったのには苦笑い。
でも、全体を通して、良い感じのピアノ・トリオ・アルバムです。ジャケットも、ちょっぴり、サイケデリックで良い雰囲気です。お勧めです。
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