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2007年6月22日 (金曜日)

エヴァンスの『From Left to Right』

やっと戻ってきた梅雨空。今日は午前から雨で、一日降り続いている。梅雨入り宣言があって以降、ここ千葉県北西部地方は、ずっと晴れ続きで、しかも真夏の暑さが続いたので、ほっと一息。たまには、まとまった雨もないとね。

なんだか、実家の母親から、学生時代に読んでいた本を引き取れといってきた。実家はかなり広い家なので、別に邪魔にはならないだろうに、良く判らん話である。とにかく、明日、約16キロもある本が宅配便で届くらしいので、今日は、急遽、西側の納戸を整理して、その本を収納するスペースを作った。

そうそう、今日は、会社はお休み。今、かかえている大きな仕事3つが、今週、それぞれ、大きな山を越えたので、お疲れ休みである。来週から、また、忙しくなりそうなんでね。今日は、朝、通勤ラッシュの時間帯に、JRで架線事故(あれって事故か?)があって、かなり混乱したみたいで、実にラッキーである。

さて、まとまって降る雨の中、納戸の整理を始めて、やっと終わった午後4時。こんな天気の夕暮れ時って、意外とボサノバが合うんだけどなあ、と、ふと、このブログで、19日にご紹介した、INO HIDEFUMIの「Satisfaction」を思い出した。この「Satisfaction」」を聴いていて、フェンダーローズの音って、ボサノバ・ジャズに合うなあ、と感心しつつ、この音って、昔、どっかで聴いたことがあるんだけどなあ〜と、ぼ〜っと、記憶をたどっていて、やっと思い出しました。
 

Be_from_left_to_right

 
そう、やっと思い出した、ボサノバ・チックなジャズ・フェンダーローズの音、ジャズ・ピアノの巨匠、ビル・エヴァンスの「From Left to Right」です。エヴァンスがはじめてエレキ・ピアノ(フェンダー・ローズ)を取り入れたアルバムで、オーケストラが入ったり、多重録音をしたアルバムで、画期的なアルバムです。しかし、アコースティック・ジャズ・ピアノの最高峰、巨匠と呼ばれるエヴァンスが、電気ピアノに手を出したアルバムとして、日本では、しばらく「ゲテモノ」扱いされていました。そのために、2005年にやっと、日本初CD化。

良い雰囲気のアルバムです。アルバム全体の雰囲気は、ライトな感じのボサノバ。さすがジャズ・ピアノの巨匠だけあって、フェンダーローズの扱いや、その音色に、彼独特の「タッチと雰囲気と音色」があって「さすが」です。曲によっては、ストリングスが入ってきて、そのアレンジがちょっと平凡なので、ちょっと甘めか、と思ったりする瞬間がありますが、ストリングスの入っていない、バンド演奏だけのものは、どれも、申し分の無い演奏を繰り広げています。

このアルバム、非常にアルバムとしての流れが良いので聴き易い。ライトなフュージョン・ジャズとして、読書などのBGMにも最適。各曲が、3〜5分程度の小品でまとめられている為に、緩んだところが無く、好感が持てる。各曲のメロディーは、ボサノバ・サンバ系の優しくポップな曲が多く取り上げられており、独特な「清涼感・爽快感」が満喫できる。特に、5曲目 『the Dolphin』。素晴らしいボサノバ・チックな演奏が素晴らしく、惚れ惚れする。

梅雨の雨の日の夕暮れ時、フェンダーローズのボサノバ・ジャズって、しみじみしていて、ゆったりと癒される感じがします。皆さんも、この梅雨の季節、是非、お試しあれ。
 
 
 
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コメント

ビル・エバンスがエレピを弾いていたのは全く知りませんでした。驚きました。
ボサノバを引くビル・エバンス?
良いかもしれませんね~。

かやっくさん、いらっしゃい。松和のマスターです。

モダン・ジャズ・ピアノの巨匠のビル・エヴァンスは、フェンダーローズを
最も早く使い始めた一人です。エバンス自身、フェンダーローズが好きだった
みたいで、結構、エレピのアルバムを残しています。

例えば『ビル・エヴァンス・アルバム』。フェンダーローズが出てすぐの頃、
1971年の録音です。あの名曲「ワルツ・フォー・デビー」もエレピでプレイ
しています。これもなかなか、味のある演奏で、フェンダーローズを弾いて
いても、エバンスの音だ、って判るんですよね〜。 

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