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2007年6月24日 (日曜日)

ジャズ・ピアノの伝説的職人 『We Get Requests』

今日は朝から、どんより曇り空。昼過ぎから雨も降ってきた。おいおい、天気予報では、ここ千葉県北西部地方は、今日までは天気が良かったのではないのか。本当に当たらないねえ、気象庁の天気予報は。こんな調子じゃ、1週間の外出や出張の予定が立てられないよな。いつの間に、こんなに、気象庁の天気予報の精度が落ちたんだろう。

天気予報への愚痴はさておき、昨日、スイングジャーナルの7月号(最新号)を読んでいて、オスカー・ピーターソンの体調不良を知った。

詳細は不明だが、体調不良で、6月26日に予定されていた、トロント・ジャズ・フェスティバルへの出演をキャンセルしたとのこと。今年の8月15日で82歳になるピーターソン。今や、ジャズ・ピアノの伝説的職人として、そこにいて、ジャズ・ピアノを弾くだけで、存在感抜群の翁であるだけに、その体調が心配である。

思い起こせば、オスカー・ピーターソンには、ジャズ・ピアノを理解する上で、ずいぶんお世話になったものだ。遠い昔、ジャズを聴き始めた大学時代。ジャズ・ピアノ・トリオで、まず、愛聴盤になったのが、ビル・エバンスの「ポートレイト・イン・ジャズ」と、オスカー・ピーターソンの「プリーズ・リクエスト(原題:We Get Requests)」。
 

Oscar_p_we_get

 
特に、このオスカー・ピーターソンの「プリーズ・リクエスト」(写真左)には、お世話になった。テクニックが素晴らしく、激しくスイングし、そのピアノ・タッチは「いつでもハッピー」、そして、適度にブルージー。オスカー・ピーターソンは、ジャズの美味しいところの全てを持ち合わせた、唯一無二で、模範的なピアニストである。

この模範的な、ジャズの美味しいところの全てを持ち合わせたところが気にくわない。そんなことを曰う、ジャズ・リスナーのベテランの方も多く、オスカー・ピーターソンというと、あまり良い顔をなさらない。ジャズ評論家の中にも多いなあ、この傾向。でも、それって「やっかみ」というか「判官贔屓」というか、あまり的を射ていないファジーな意見であるということが、この「プリーズ・リクエスト」を、自然体で聴いてみると判る。

「これぞ、モダン・ジャズ・ピアノの代表的サンプル」と言い切っても良い、ピーターソンのピアノ。ブンブンと魅力的な音を奏でる「これぞ、モダン・ジャズ・ベースの代表的サンプル」と言い切っても良い、レイ・ブラウンのベース。そして、曲によって様々なテクニックを披露する「これぞ、モダン・ジャズ・ドラムの代表的サンプル」と言い切っても良い、エド・シグペンのドラム。

この「プリーズ・リクエスト」には、モダン・ジャズ・ピアノ・トリオの代表的演奏が詰まっている。これだけ、端正で、模範的で、魅力的な「ジャズ・ピアノ・トリオ」は、この時代のピーターソン・トリオが最右翼だろう。自然体で聴いてみると、このアルバムの凄さが、す〜っと耳から入ってくる。

ピーターソンの体調に思いをはせながら、今日は久しぶりに、ピアノ・トリオの名盤中の名盤「プリーズ・リクエスト」を聴いた。ジャズ・ピアノ・トリオの基本コレクションの一枚でしょう。
 
 
 
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