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2007年6月 6日 (水曜日)

君の気持ちは良くわかる。

爽やかな晴天が続いている。朝、ちょっと暑いな〜、と思って目が覚めるのだが、バルコニーに出ると、爽やかな風が吹いていて、朝日まぶしく、実に健康的な朝である。

今日は、気分転換に、久しぶりにウエストコースト・ロックを聴く。ちょっとマニアックなアルバムなんだが、今日の通勤音楽は、スティーブン・スティルスの「マナサス」。このブログを読んでいる人の中で、このアルバム、知っている人がどれだけいるかなあ。

この「マナサス」というアルバム、スティーヴン・スティルスが、クリス・トリマンらと72年に結成したマナサスのファースト・アルバム。当時、LP2枚組で発売され(高くて買えなくて、貸レコード屋で借りた思い出がある)、片面づつ、副題がついていて、「The Raven」「The Wildernes」「Conside」「Rock&Roll Is Here To Stay」、アメリカン・ロックの様々なスタイルが展開されていて、実に楽しい。アメリカン・ルーツ・ロックが好きな方には、たまらない内容でしょう。
 

Manassas

 
スティーヴン・スティルスは、かの伝説のユニット、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSN&Y)より先に、ニール・ヤング抜きで、クロスビー・スティルス&ナッシュ(CS&N)を結成して、一世を風靡したのだが、このCS&N、スティルスが言うには「ロック的なハードな部分が足りない」。そして、その改善策として、バッファロー・スプリングフィールドで犬猿の仲というか、ライバル同士というか、そんなニール・ヤングをCS&Nに呼んだ。

確かに、CSN&Yになって、CS&Nの良さに「ロック的なハードな部分」が加わって、グループ・サウンズとして充実した内容になった。が、しかし、その手柄をニールが一手に持って行ってしまった。確かに、ニールの才能を一番良く知っているのは、スティルスだったのだが、これには、スティルスも参っただろう。こともあろうに、犬猿の仲というか、ライバルというか、そんなニールに持って行かれてしまった。

その反省を踏まえてか、CSN&Y後の、スティルスが結成した「マナサス」は、スティルスと気のあったメンバーで、CS&Nで足らなかった「ロック的なハードな部分」を補って、CSN&Y的なグループ・サウンズを実現している。うんうん、スティルス君、君の気持ちは良くわかる。そして、CSN&Yの二番煎じにならないように、アメリカン・ルーツ・ミュージックのエッセンスを積極的に取り込んで、アメリカン・ロックのショーケース的な内容については、文句無しに楽しい。

ただ、やっぱり、CS&Nで足らなかった「ロック的なハードな部分」の改善については、ニール・ヤングが最適なパートナーだったようだ。「マナサス」の各演奏については、まだまだ重心が高い演奏が多々あり、CSN&Yの域には達していない。

その後、スティルスは、何度か、ニール・ヤングとユニットを組んでいる。スティルス君、君の気持ちは良くわかる。どんなに嫌な奴でも、その才能が必要な時ってあるよな。特に、その才能について、決して自分が持ち得ない場合は、なおさらである。スティルスって、意外と苦労人なのかもしれない。
 
 
 
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