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2007年5月23日 (水曜日)

80年代JMの代表的名演 『Live At Sweet Basil』

昨日、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(以降JMと略す)のブルーノート4003番「モーニン」をご紹介した。その「モーニン」の収録曲の中でも、以降、代表曲として、JMのライブで必ずといっていいほど、演奏される名曲が、「モーニン」と「ブルース・マーチ」。では、この「モーニン」と「ブルース・マーチ」の代表的名演ってどれだろう、と考えた。

確かに、ブルーノート4003番の「モーニン」と「ブルース・マーチ」もなかなかの名演なのだが、「モーニン」の若干の堅さと緊張感がちょっとマイナス・ポイント。ウェイン・ショーターが音楽監督時代の「モーニン」と「ブルース・マーチ」は、モード的演奏でちょっと曲想にあわないし、マルサリス兄弟がフロントを担った時代は、下品なまでのファンキー色が全く感じられなくて、ちょっと不満。

では、私、松和のマスターは、どの「モーニン」と「ブルース・マーチ」を代表的名演に選ぶのか。そうですね〜、どの時代の「モーニン」と「ブルース・マーチ」も味わいがあって良いのですが、僕が今まで、好んで聴いてきた「モーニン」と「ブルース・マーチ」が収録されているアルバムは『Art Blakey And The Jazz Messengers Live At Sweet Basil』(写真左)ですね。1985年3月24日のライブ録音です。

このライブ・アルバム収録時のJMのメンバーは、Terence Blanchard (tp) Donald Harrison (as) Jean Toussaint (ts) Mulgrew Miller (p) Lonnie Plaxico (b) Art Blakey (d)。テレンス・ブランチャード、ドナルド・ハリソン、ジーン・トゥーサンの3管のフロントが実に分厚くて迫力満点。   
 

Ab_jm_live_at_sb

 
この分厚い3管が奏でる「モーニン」と「ブルース・マーチ」は、実に重厚。しかも、演奏技術が高く、実にスピーディー。疾走感溢れる「モーニン」と「ブルース・マーチ」は聴いていて、実に爽快である。加えて、御大Art Blakeyは絶好調。ベースのLonnie Plaxicoは堅実かつ、ボウイングのピッチがほぼ合っていて上手い。Mulgrew Millerは、理知的なファンキー・ピアノで、「モーニン」と「ブルース・マーチ」を、アーティスティックな世界に昇華させる。

しかも、このJMの若手ミュージシャンが、当時最先端の演奏スタイルでグイグイ押しまくる。伝統のハード・バップ・マナーを根底に据え、ファンキーな香りをほのかに漂わせ、当時最先端の演奏スタイルを駆使し、JM伝統の「ゴルソン・ハーモニー」を分厚く披露する。

この「Art Blakey And The Jazz Messengers Live At Sweet Basil」は、JMの伝統をしっかりと踏まえて、その上に、最先端の演奏スタイルを付加して、新しい演奏テイストを実現する。そんな優れたメンバーで演奏された「モーニン」と「ブルース・マーチ」は、切れ味鋭く、ジャズのテイストが満載である。やっぱり、僕としては、このアルバムの「モーニン」と「ブルース・マーチ」が一番ですね〜。

同じバンドで、同じ演奏曲。でも、時代が違うと、メンバーが違うと、演奏される内容は全く変わる。これが、ジャズの醍醐味の一つですね。他の演奏を以前の演奏をコピーすることは全く無い。ジャズとは「個性」の音楽である。
 
 
 
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