ソロ・ピアノは春に良く似合う
正確に言うと、「ソロ・ピアノは、春と秋に似合う」である。ジャズのソロ・ピアノのアルバムは、冬は寒々して合わないし、夏は暑くて、ソロ・ピアノをジッとして、じっくり聴く気がしない。
春と秋、過ごしやすい、爽やかな季節に、ソロ・ピアノがピッタリとフィットする。春には春の、秋には秋の、ピッタリとフィットするソロ・ピアノがある。春は、アグレッシブで明るく爽やかなソロ・ピアノが、秋は、叙情的で静謐感があってドラマチックな展開のソロ・ピアノが、僕はお気に入りである。
例を挙げれば、春は、チック・コリア、レイ・ブライアント、マッコイ・タイナーなどが、秋は、キース・ジャレット、ハービー・ハンコック、ビル・エバンスが、ピッタリ。
そこで、今日はチック・コリア(Chick Corea)の「Piano Improvisasion Vol.1」(以降、「ソロ vol.1」と略す)である。この「ソロ vol.1」、サークル解散直後に録音された、チック・コリアのソロ・アルバム。ピアノ・ソロ・ブームの先駆けとなった作品である。チックのピアノの音は、適度に乾いていて爽やか、適度に浪漫が香り、知的な雰囲気漂う、一言で言うと「いい音色」をしている。
冒頭の一曲目「ヌーン・ソング」の出だしのフレーズが実に爽やか。チックのテクニックのあるピアノが、難しいフレーズを何気なく爽やかに弾きこなしていく。いや〜、ホントに「ヌーン・ソング」という感じが清々しい。そして、4曲目「ソング・オブ・ザ・ウインド」。春の曇り空、暖かい風、雨が降りそうな、いや暖かい霧雨がふっているような、そんな天気の中で、春の暖かい風が柔らかに駆け抜けていくような、そんな優しい、落ち着いた雰囲気。
そして、「ソロ vol.1」のLP時代のB面、6曲目以降の「ホエア・アー・ユー・ナウ? 〜 8つの絵の組曲」は、8曲の小品から構成される組曲ふうになっていて、これが絶品。親しみのある、優しい曲、清々しい曲、前衛的な曲、現代クラシック的な曲、ジャズのピアノ・ソロが、こんなにも、様々なスタイル、ジャンルの音楽を包含しているとは、驚きである。なんてジャズって、懐深い音楽なんだろう。
「ソロ・ピアノは春に良く似合う」。春のうららかな光の中で、ソロ・ピアノを聴きながら、読書、そして、「うたた寝」。「至福のひととき」である。
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