「めぐる季節」にあなたを唄う
寒くなった。今朝は特にそう感じた。ユルユルと途絶えなく吹く北風。鉛色の雲。ああ、冬が来たな〜、と感じる風景。そう言えば、11月7日は立冬だった。立冬と言えば、初めて冬の気配が現われてくる日。「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」である。もう冬なんだな。俳句でいえば、季語はもう冬の季語を使わなきゃならない。
この立冬の季節、木枯らしが吹き、鉛色の雲が垂れ込め、時雨が来る頃。ふと思い出の中に出てくる音楽は、日本の1970年代後半、ニューミュージックと呼ばれた頃の歌たち。今でも、精神的に疲れると、気分転換に聴く、70年代後半のニューミュージックの歌たち。
それは、秋の終わり、好きになった女の子に振られて、どっぷり暗くなりながら聴いた歌たち。鉛色の雲が垂れ込める空を見ながら聴く歌は悲しい曲ばかり。う〜ん、今、思い出しても「すごく暗いぞ」。もう明日が来ないような、一面の鉛色の空、何をしてもため息をついてしまうような脱力感。そんな時、聴く曲って決まって暗〜い曲ばかりで、そんな暗〜いに同化して、追体験して、更にドップリ暗くなる(笑)。
そんな当時「一人で聴いて、ドップリ暗くなった」曲たちも、この歳になって、今では、一つの美しく懐かしい物語として聴くことができる。もう今では、若い頃の暗〜い、悲しい出来事は、懐かしい思い出であり、物語である。うんうん、歳を取るのも悪くはないね。こうやって、じっくり聴き込んでみると、当時、「一人で聴いて、ドップリ暗くなった」曲たちって、良い曲が多い。歌詞もなかなかのもので、秀作が多い。
この立冬の頃、秋が過ぎ去り、冬の気配をしっかりと感じる頃。良く口ずさむのは、オフコースの「めぐる季節」。この立冬の頃の季節の情景がピッタリの歌が詰まった「SONG IS LOVE」というアルバムに収録されている。類い希な秀作である。とにかく歌詞が良い。繊細でいて、その恋愛の情景がクッキリと浮かぶような歌詞は、なんど読み返しても感心してしまう。曲もアレンジも、この秀逸な歌詞にピッタリ。僕にとっての、この季節のエバー・グリーンである。
めぐる季節 作詞・作曲:小田和正 歌:オフコース
貴方がそこにいるだけで 私の心は震えている
あの甘くやるせないジェラシィ まだ若かった頃
もう少しだけ 今のまま 続けてゆこうなんて
冬の寒さに 愛の言葉も 隠れて見えなくなる
貴方を見つめているだけで 私は優しい夜を迎え
めぐる季節に貴方を唄う まだ若かった頃
遠く、過ぎて、消えた
信じることが幸せだった 懐かしいあの日々よ
こぼれるような あなたの笑顔 忘れてしまいそう
貴方を見つめているだけで 私は優しい夜を迎え
めぐる季節に貴方を唄う まだ若かった頃
貴方がそこにいるだけで 私の心は震えている
あの甘くやるせない ジェラシィ まだ若かった頃
遠く、過ぎて、消えた
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