こんなアルバムまで紙ジャケ化
最近、つとに思うんだが、紙ジャケットにすれば売れるって、レコード会社は思っているんじゃないか。とにかく、紙ジャケ化のオンパレードである。この紙ジャケ、世界の中で、その技術は日本が圧倒的に進んでいて、最近では、外国人のマニアの方が、秋葉原などに来て、しこたま、紙ジャケを買い占めて買えるそうだ。うん、その気持ち、痛いほど判るぞ。
なにを隠そう、この僕も、大の紙ジャケ・マニアでして、あんまり人のことは言えません。やはり、プラケースよりは、LP時代を彷彿とさせる手触り、ルックス。紙ジャケ・コレクションは止められません。
特に、最近は、LPとまったく同じ仕様、スケールで紙ジャケ化するのが、70年代ロックの世界で流行っていて、これはもう素晴らしいの一言。封入されているLPを収納する紙ケース、凝ったデザインの歌詞カード、オマケに入っていたポスターやブロマイドなど、その全てを縮小して、紙ジャケ化しているのだ。また、70年代ロックは、凝った仕掛けのジャケットが多くある。これをそのまま、紙ジャケ化するのには頭が下がる。
最近、その紙ジャケ化の世界で、度肝を抜かれたのは、サンタナの「ロータスの伝説」。あの22面ジャケットを出来るだけ正確に紙ジャケ化されているのを手に取ったときは、感激で目頭が熱くなった。ブルース・スプリングスティーンの「THE”LIVE”1975-1985」も良かったなあ。ピンク・フロイドの「P・U・L・S・E」の紙ジャケにも感動した。これは今やもう「お宝」の世界。持ってるだけで幸せです。
ジャズの世界が、日本では紙ジャケ化の発祥なのであるが、最近は、こんなアルバムまでが紙ジャケ化されるようになったのか、と万感の想いを持つものが少なくない。その一つが、ハービー・ハンコックの「クロッシング」(写真)。
このアルバムって、エレクトリック・ハービーの中でも凄くマイナーなアルバムで、知っている人は少ないのではないか。あの有名な「ヘッド・ハンターズ」の1年前、ハービーがエレクトリック化へのチャレンジの中で、スランプ状態に陥って、混迷していた時期のアルバムである。LPではワーナーから発売されていて、このアルバムを置いているレコード屋はほとんど無かった。
そんなアルバムまでもが、紙ジャケ化される時代になったのだ。でも、僕、このアルバム、なんとなく好きです。混迷時代のハービーって、すごく真面目にエレクトリックしようとしているんだよな。確かに、あのファンクどっぷりの「ヘッド・ハンターズ」と比べれば、ノリも悪いし、その音世界は暗いし、ドロドロしているし、なんだかな〜、って感じなんだけど、それが良いんだよな。開き直ってハジける寸前のハービー。「ヘッド・ハンターズ」以降、真面目に理屈ずくで、根暗にエレクトリック・ファンクしていた、求道者風のハービーに戻ることはなかった。ハービーがまだジャズジャズしていた頃の姿、僕は好きだ。
ということで、この紙ジャケも手に入れたい、と、予算確保について、画策している最中でございます(笑)。
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