YMOの「大衆 (ポップ)」な部分
我がバーチャル音楽喫茶『松和』、今週は、毎年8月後半のこの時期、恒例の「1970年代ロック祭り」。8月の後半になると、決まって学生時代の夏休みの後半〜終わりの雰囲気を思い出す。今年もこの季節は70年代ロックの大特集。今日は「高橋幸宏」。
僕がYMO(Yellow Magic Orchestra)の音を愛して止まない大きな理由の一つに、高橋幸宏のドラミングがある。怒濤の様な、彼の等間隔平坦ビート(ちょっと判り難いですかね〜・笑)が大好きである。
彼のドラミングの個性は、既にサディスティック・ミカ・バンドの時代に既に完成されていた。要所要所に怒濤の様な、彼の等間隔平坦ビートが出てくる。そして、シンセ・ミュージック、コンピューター・ミュージックのYMOの音世界で、その等間隔平坦ビートをより強調して前面に押し出している。
これが僕にとっては「快感」なのだ。ダダダダダダと等間隔で強弱無く平坦に、いわゆるコンピューターのビットの様に、怒濤の様に叩き出されるビートは快感以外の何物でも無い。これが前面に押し出されているYMOミュージックは何者にも代えがたい、快感につぐ快感なのだ。
さて、そんな高橋幸宏のドラミングを堪能できるアルバムは、と思いを巡らせれば、まずはこのアルバムに行き当たる。高橋ユキヒロ『音楽殺人(Murdered by the Music)』(写真)。1980年6月21日にリリースされた高橋幸宏の2枚目のソロアルバム。
1980年というYMOがデビューして大人気を博している時期なので、このセカンド盤の音の雰囲気は、しっかりとYMOの音世界を踏襲している。しかし、面白いのは、収録曲11曲中、高橋ユキヒロ作の曲が9曲。ほとんどが高橋ユキヒロの音世界。YMOの初期の時代の音は、この高橋ユキヒロの音世界を優先していたのかもしれない。
そして、このアルバムを聴いて判るのは、高橋幸宏の「音楽的な懐の深さ」。様々なジャンルの音楽を取り込み、それをシンセ・ミュージック、コンピューター・ミュージックの世界に上手く適合させて、お洒落に粋に聴かせてくれる。このアレンジ・センスは絶妙なものがある。
そして、高橋幸宏のシンセ・ミュージック、コンピューター・ミュージックは「ポップ」である。この「ポップ」さが堪らない。YMOのポップ名な面を、この高橋幸宏がしっかりと押さえていたのだ。テクノ・ロック的な感じで、ニューウェーブっぽいところも見え隠れして、教授の「アート」な面と相対した「ポップ」な音世界が独特の個性である。
このアルバムは、YMOのポップな面は、この高橋幸宏が供給していたことを知らしめる、テクノ・ポップの名盤の一枚でしょう。とにかく「格好良い」の一言。良いアルバムです。1980年のリリース当時、行きつけの喫茶店「みちくさ」で、思いっきりヘビロテだったのを思い出しました。
震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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