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2017年2月20日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・101

外ではちょっと強めではあるが、暖かい雨が降っている。温かい雨。いよいよ春が近づいてきたなあ、という実感が嬉しい。今年の冬は寒かったからね。こういう暖かいワクワクする雨の日には、ポジティブな、切れ味の良いハードバップ、ストレートアヘッドなジャズ盤が良い。

この盤の存在を知った時、やはり老舗のジャズ喫茶のマスターは隅に置けないなあと思った。とてもブリリアントに気持ち良く鳴る、切れ味の良いトランペット。小気味良く躍動感のあるリズム・セクション。そのトランペットのリーダーの名を聞いて、どっかで聞いた名前なんだが、と首を捻ったのが2年前。

Charles Tolliver『The Ringer』(写真左)。1969年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Tolliver (tp), Stanley Cowell (p), Steve Novosel (b), Jimmy Hopps (ds)。盟友カウエルらとのカルテット編成。そうか、ピアノはカウエルか。どうりで、モーダルな響きがすると思った。
 

The_ringer

 
この盤、とにかくトリバーのトラペットが素敵。とっても良く鳴るトランペットで、実にクリアな響きなのだ。こんなに伸びの良い、気持ち良く鳴るトランペットは他にありそうで無い。全編、気持ち良く鳴って格好良い。こういうシンプルに素敵なトランペットはなかなか無い。

カウエルのピアノも素敵だ。聴けば判るが、当時として明らかに新しい音がする。ハードバップなピアノ・フレーズとは確実に一線を画する、モーダルで個性的な和音の重ね方がユニークだ。そんな新しいストレートアヘッドなフレーズがバックに鳴り響く。このバックのリズム・セクションの音だけでも「聴きもの」だ。

こういうアルバムを、ヒョコッと紹介してくれるのだから、老舗のジャズ喫茶のマスターは隅に置けない。いや〜、勉強になりました。そう、チャールズ・トリバーって、ジャッキー・マクリーンのグループへの参加でデビューを果たしていて、ブルーノートにその演奏を残していたことを思い出しました。他のアルバムも早速聴いてみようと思います。

 
 

震災から5年11ヶ月。決して忘れない。まだ5年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年2月19日 (日曜日)

ECMレーベルらしい音・2

ECMレーベル。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」が個性。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音が特徴。いつの時代にも、明らかに米国のジャズとは異なる、常にコンテンポラリーな純ジャズを提供してくれる。

そんなECMレーベルの「らしい」音を体験するには、やはり最初のシリーズ、ECM1000番台のアルバムを聴き進めるのが一番手っ取り早い。ということで、このところ、ECM1000番台の聴き直しを進めている。

Robin Kenyatta『Girl from Martinique』(写真左)。ECM1008番。1970年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Robin Kenyatta (fl, as, per), Wolfgang Dauner (p), Arild Andersen (b), Fred Braceful (ds)。プロデュースはManfred Eicher。

このアルバム、CD時代になって、なかなかリイシューされなかった。最近は音楽サイトからダウンロードできるので、やっとこのアルバムの音源にも触れやすくなった。喜ばしいことである。プロデュースはアイヒャーなので、純正ECMのアルバムと言える。
 

Girl_from_martinique

 
自由度の高い、半フリーな内容ではあるが、モーダルな純ジャズな演奏の部分もあって、今の耳には、あまりフリー・ジャズなアルバムには聴こえない。自由度の高いコンテンポラリーな純ジャズといった内容で、意外と聴き応えがある。

ケニヤッタのフルートとアルトは、雰囲気的に「エリック・ドルフィー」に近いものがある。浮遊する部分有り、ビートにしっかり乗った部分有りで、当時のコンテンポラリーな純ジャズの最先端をいく雰囲気。聴いていて懐かしい思いを感じたり、意外と今の耳にも耐える演奏に感心したり。

この「あまりフリー・ジャズなアルバムには聴こえない、自由度の高いコンテンポラリーな純ジャズといった内容」が、ECMレーベルらしい音のメインのひとつになっていく。硬派で尖った内容ではあるが聴き易い。後年のECMレーベルの人気盤に共通する音である。

録音もトン・スタジオでの録音で、限りなく静謐で豊かなエコーがかかった、独特の音で録音されていて、じっくり聴いていると、やはり「これはECMやなあ」なんて呟いて感心したりする。ジャケットはイマイチですが、意外と聴き応えのあるECM初期の一枚です。

 
 

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2017年2月18日 (土曜日)

ECMレーベルらしい音・1

ECMレーベルの聴き直しを進め始めた。「ECM(Edition of Contemporary Music)」。創立者はマンフレート・アイヒャー。演奏家としての素養と録音技術の経験を基に、自らが選んだ「今日的」な音楽を記録し、世に問うべく、自らのレーベルを1969年に立ち上げる。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音。

このECMレーベルらしい音が、ECMレーベル黎明期、ECM1000番台にはっきりと記録されている。このECMらしい音を体験し、自らの記憶に留めるには、このECM1000番台の聴き通しは必須アイテムである。それほど、このECM1000番台には、ECMレーベルを代表する音が詰まった好盤が目白押しである。

Paul Bley『Ballads』(写真左)。ECMの1010番。1967年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Bley (p), Gary Peacock (b, track:1), Mark Levinson (b, track:2&3), Barry Altschul (ds)。ECM1003番『Paul Bley With Gary Peacock』の続編的位置づけのアルバム。   

このアルバムは、ECMレーベルでの録音ではない。ECM1003番同様、録音にアイヒャーは関与していない。ブレイが私蔵の録音テープをアイヒャーに送りつけ、それをアイヒャーがアルバム化したもの。もちろん、録音もトン・スタジオでの録音盤のものほど良くはない。
 

Ballads1

 
しかしながら、この『Ballads』というアルバム、ECMの録音では無いとは言え、不思議なのは、このアルバムの音がしっかりと「ECMレーベルの音」になっていることです。特に、ブレイの「響きを押さえたピアノの音色」にその特徴を強く感じます。このポール・ブレイのピアノの音が、ECMレーベルの黎明期、ECMレーベルらしい音の「決め」にかなり貢献している様に感じます。

演奏の内容についても、抑制の効いた、ファンクネスの一切を排除した、いかにも欧州的なフリー・ジャズで、これまた、ECMレーベルらしい内容になっています。アイヒャーが関与しない、ECMレーベルとしての録音でもないのに、ECMレーベルらしい音がこの盤には溢れています。

いかに、このポール・ブレイの音が演奏が、後のECMレーベルらしい音の「決め」に貢献したかが、推察出来る内容です。ブレイの私蔵の録音テープなのに、明らかにECMレーベルの音になっているのだから不思議です。

ちなみに、このアルバム、LP時代には意外と入手が可能だったのですが、CDの時代になって、なかなか再発されなかったり、されても流通せず、入手が困難な時期が続き閉口していましたが、最近、やっとなんとか入手できる環境になったようで、有り難いことです。

 
 

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2017年2月17日 (金曜日)

ヴィーナス御用達ジャズメン・1

日本人好みのジャズの雰囲気を一手に引き受けている日本発のジャズ・レーベル、Venus Records(ヴィーナス・レコード)。演出過剰なほどに、スインギーでマイナー調で、耽美的でメロディアス。録音は優秀、演奏のテクニックも優秀。音の傾向は「スムース・ジャズ志向の純ジャズ」。

そんなヴィーナス・レコードには、何人かの「御用達」ジャズメン、いわゆる「ハウス・ミュージシャン」が存在する。例えば、ピアニストのDavid Hazeltine(デビッド・ヘイゼルタイン)などは、そんなヴィーナス・レコートの「ハウス・ピアニスト」的存在である。スインギーでマイナー調で、耽美的でメロディアスなピアノ。それが必要最低限の要件である。

1958年、ミルウォーキー生まれ。今年で59歳。「中堅」どころの脂の乗った「今が旬のピアニスト」である。バップからモードまで、幅広いスタイルに精通し、その多様性溢れるフレーズが個性といえるでしょう。バップからモードまで様々なスタイルを駆使しつつ、ピアノの奏でる雰囲気は「スムース・ジャズ」。こういう個性が、ヴィーナス・レコートの「ハウス・ピアニスト」的存在になっている大きな理由と言えるかと思います。
 

Alfie_david_haseltine

 
David Hazeltine Trio『Alfie』(写真左)。2006年3月の録音。パーソネルは、David Hazeltine (p), David Williams (b), Joe Farnsworth (ds)。バート・バカラックの曲を中心に、ヘイゼルタインの多様性溢れるピアノが「スムース・ジャズ的な純ジャズ」の雰囲気をベースに新しい解釈を提示していきます。

バート・バカラックの曲がメインだからでしょうか、いつになく、ヘイゼルタインはリラックスしてバップなタッチのピアノを弾き回していきます。端正で良く回る右手は「聴きもの」です。響きの豊かな録音で、彼のピアノはさらに「惹き立ち」ます。ウッド・ベースのブンブン響く音も、ドラムの小粋なテクニックを駆使したリズム&ビートも大変心地良い。

絵に描いた様な「日本人好みの純ジャズなピアノ・トリオ」の音を聴かせてくれます。確かにオーバープロデュース気味の、明らかに「作られた」ジャズの音ではありますが、これだけ徹底されると、これはこれで、レーベルの音の個性として、十分に鑑賞に耐えるレベルだと思います。嫌いならば聴かない、それで良いかと思います。

 
 

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2017年2月16日 (木曜日)

日本人好みのジャズのレーベル

日本人好みのジャズというものがある。スインギーでマイナー調で、耽美的でメロディアス。そして、ウッドベースがブンブン唸り、ドラムが小粋にリズム&ビートを刻む。ピアノは限りなく印象的なエコーがかかって豊かに響く。そして、テクニックに優れていなければならない。曲はスタンダードがメイン。そんなジャズが日本人は好き、という通説がある。

僕は全くそういう傾向は無いんだけれど、やっぱり、日本人好みのジャズって、そういう印象になるのかな。そんな日本人好みのジャズの雰囲気を一手に引き受けている日本発のジャズ・レーベルがある。Venus Records(ヴィーナス・レコード)である。演出過剰なほどに、スインギーでマイナー調で、耽美的でメロディアス。録音は優秀、演奏のテクニックも優秀。音の傾向は「スムース・ジャズ志向の純ジャズ」。

Aaron Heick and Romantic Jazz Trio『Europe(哀愁のヨーロッパ)』(写真左)。この盤は、そんなヴィーナス・レコードの音を代表する音がてんこ盛り。宣伝キャッチには「現代人に究極のセクシャル・ヒーリングの癒しを与えてくれる必聴のアルバム」とある。セクシーで耽美的な音作り、スムース・ジャズ志向の癒やしの響き。
 

Aaron_heick_europe1

 
タイトル曲である冒頭の「Europe」からして、明確にヴィーナス・レコード志向の音。この曲、サンタナの1976年の名バラード曲。ヴィーナス・レコードの盤って、こういう日本人のおじさま好みの曲が必ず一曲は入っている。1970年代ロックのバラード曲で、日本で売れに売れたサンタナの名曲。アレンジはまずまず。思わず懐かしさがこみ上げる。

他の楽曲も「スタンダード曲」が中心で、どの演奏もスインギーでマイナー調で、耽美的でメロディアス。果たして、この演奏がリーダーを始めとするジャズメン達の本意なのか、と思ってしまうが、兎にも角にも、オーバープロデュース気味の、明らかに「作られた」ジャズの音である。つまりは「日本人好みのジャズ」を増幅した様な音作りである。

ここまで増幅した音作りになれば、極端に「賛否両論」になる。好きな人もいれば、大嫌いという人もいる。それでも、このヴィーナス・レコードの音は、「スムース・ジャズ志向の純ジャズ」と解釈すれば合点がいき、納得感も増す。そういう観点で聴き耳を立てれば、ヴィーナス・レコードの諸作も意外と、ジャズとして「アリ」ということになる。

 
 

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2017年2月15日 (水曜日)

角の丸い優しい低音のバリサク

トロンボーンの魅力的な低音も良いが、僕はバリトン・サックス(略してバリサク)の低音も大好きだ。ジャズの世界では、バリサクはちょっと変わり種ではあるが、その魅力的な低音を武器に、意外と人気のフロント楽器である。

そんなバリサク奏者のレジェンドに「Gerry Mulligan(ジェリー・マリガン)」がいる。米国西海岸ジャズの重鎮であり、そのバリサクの腕前もさることながら、アレンジの才に優れ、米国西海岸ジャズのキーマンの一人として、今や「伝説的存在」となっている。

そんなジェリー・マリガンであるが、マリガンのバリサクは、通常のバリサクとはちょっと違う。通常のバリサクの印象は「男性的な骨太なブリブリッとした豪快な重低音」が魅力であるが、マリガンのバリサクは違う。マリガンのバリサクは優しい。マリガンのバリサクの低音は角の丸い優しい低音である。

そんな角の丸い優しい低音のバリサクを心ゆくまで堪能するには、現代の録音技術を駆使した、良い音で録れたアルバムが一番良い。そんなアルバムあるかいな、と探したら、あったあった。Gerry Mulligan『Dream a Little Dream』(写真左)。ジャケットもなかなか好印象。このジャケットを見る限り、内容は良い、と見た(笑)。
 

Dream_a_little_dream1

 
1994年の作品。ちなみにパーソネルは、Gerry Mulligan (bs), Dean Johnson (b), Ron Vincent (ds), Bill Mays, Ted Rosenthal (p)。テッド・ローゼンタルのピアノを核にしたピアノ・トリオをリズム・セクションに、フロントにマリガンのバリサクのワンホーン。所謂「ワンホーン・カルテット」である。

ワンホーン・カルテットの良いところは、フロント楽器の良さを心ゆくまで感じることが出来ること。この盤はマリガンのバリサクが実に良く録れている。選曲も良い。マリガンの自作曲を織り交ぜながらも、渋いスタンダード曲中心の選曲。優しい低音のマリガンのバリサクが、印象的なフレーズを吹き上げていく。

バリサクの印象がガラッと変わる好盤です。バックのテッド・ローゼンタル中心のピアノ・トリオの演奏が実に小粋。とっても趣味の良い、小気味の良いピアノ・トリオの演奏がマリガンのバリサクをしっかりと支え、盛り立てていきます。輪郭がハッキリクッキリ、穏やかな躍動感が魅力のピアノに、小技が冴える堅実なドラム、そして、しっかりと演奏の底を支えるベース。

バックのリズム・セクションが優秀なワンホーン・カルテットに駄盤無し。この盤は、とりわけ、フロントのバリサクがレジェンド級のジェリー・マリガンですから悪かろう筈が無い。ジャケットのイメージ通り、夜の静寂の中でしっとりと聴き込むのに最適な、優しいバリサクの音色が魅力の好盤です。ジャズ者万民にお勧め。

 
 

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2017年2月14日 (火曜日)

フラー盤の落ち穂拾い、です

昨日からトロンボーン・ジャズ。トロンボーン・ジャズは、ジャズ者初心者の頃から聴き親しんで来たので、有名どころのアルバムは結構聴いている。それでも、ネットを徘徊していると、あれっ、と気付く「未聴の盤」がある。ということで、トロンボーン・ジャズのアルバムの「落ち穂拾い」と洒落込む。

ジャズ・トロンボーンと言えば「J.J.ジョンソン」が真っ先に浮かぶが、僕は2番手の「カーティス・フラー」が好み。フラーは1934年12月の生まれなので、今年で83歳になる。J.J.ジョンソンの売りは「驚異的なテクニック溢れる」奏法。逆にフラーの売りは「木訥として丸くてモッコリした」奏法。J.J.ジョンソンと正反対な個性といって良い。

僕は、そんなカーティス・フラーのトロンボーンの方が、丸くて暖かくてホッコリしているところが「お気に入り」である。今日は、そんなフラーのトロンボーンが好調に響く『The Magnificent Trombone of Curtis Fuller』(写真左)を選盤。

1961年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Curtis Fuller (tb), Les Spann (fl, g), Walter Bishop, Jr. (p), Buddy Catlett, Jimmy Garrison (b), Stu Martin (ds)。ベースだけが2人で分担している。意外と地味なパーソネルではある。それでも、フラーのトロンボーンは好調で、彼の個性全開のトロンボーンをジックリと聴き取ることが出来る。
 

The_magnificent_trombone_of_curtis_

 
僕はこの盤の存在は知ってはいたが、何故か縁が無かった。もともとフラーのアルバムって、ハードバップ時代のものは外れが無い。特に、ブルーノート時代のリーダー作はどれもが好盤。その前のサボイ時代のリーダー作も佳作揃い。その辺を聴き込んでいると、なかなか60年代のフラー盤まで行き着かない。

この1961年のEpic盤を耳に出来たのは何と昨年である。この盤、ハードバップの良いところを全て反映しているような盤で、硬質なギターのスウィング感、流麗で端正なビショップ・ジュニアのピアノ、堅実でバップなドラム、骨太な音で底座さえするベース。渾然一体となって、その雰囲気は明確に「ハードバップ」。

そんな明確な「ハードバップ」なバックを得て、フラーのトロンボーンが、丸くて暖かくてホッコリと魅力的なアドリブ・フレーズを紡ぎ上げていく。フラーのトロンボーンのグルーブ感が半端無い。良い感じの盤です。こんな良好盤、あったんやなあ。ほんまラッキーです。

1960年代に入ってからのフラー盤なので、意外とジャズ本やジャズ盤紹介本に挙がることの少ないアルバムだけど、フラーのトロンボーンを愛でる適した好盤です。

 
 

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2017年2月13日 (月曜日)

スティーヴ・トゥーレの名を知る

トロンボーンの音色が好きである。ジャズにおいても、トロンボーンの存在はユニーク。その楽器の構造上、速いアドリブ展開は苦手とされるが、そのホンワカした太く丸い音色は、テナーやトランペットに無い、ユニークなアドリブ展開を聴かせてくれる。

ジャズ・トロンボーン奏者の数はあまり多くはない。新しいトロンボーン奏者の名を聴くことも希である。そんな中、このトロンボーン奏者の名を知った。スティーヴ・トゥーレ(Steve Turre)である。 J.J.ジョンソン亡き後、最高のトロンボーン奏者のひとりに数えられる実力者。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズやローランド・カーク、ウディ・ショウのバンド等で活躍してきた。

僕はこのスティーヴ・トゥーレを全く知らなかった。昨年、このアルバムで彼の名を知った。Steve Turre『Colors for the Masters』(写真左)。昨年のリリース。ちなみにパーソネルは、Steve Turre (tb), Kenny Barron (p), Ron Carter (b), Jimmy Cobb (ds), Javon Jackson (ts), Cyro Baptista (per)。
 

Colors_for_the_masters1

 
パーソネルを見渡すと、ピアノのバロン、ベースのカーター、ドラムのコブ、この大ベテラン揃いのピアノ・トリオがバックのリズム・セクションを司るのだ。この盤の内容、絶対に期待出来るぞ、と思わせてくれる。いやいや、しかし、バロン、カーター、コブと以前よりありそうで無いトリオ編成。このピアノ・トリオのバッキングだけでもワクワクする。

既に大ベテランの域に達している、リーダーのトゥーレのトロンボーンは端正かつ流麗。ほのぼのとしたトロンボーン独特の音色を活かしつつ、ブルージーにファンキーに、多彩なナンバーを吹き分けつつ、朗々とアドリブを唄い上げる。絶妙の余裕を持たせた、溜めの効いたアドリブ展開は「匠の域」の技である。

いや〜、久し振りに良質のハードバップなトロンボーン・ジャズを聴きました。スティーヴ・トゥーレは現在68歳。もう大ベテランというか、生きるレジェンド状態なジャズメンではある。が、この『Colors for the Masters』という盤は、このトゥーレの他のアルバムも是非聴いてみたい、という気にさせるご機嫌な内容の好盤です。

 
 

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2017年2月12日 (日曜日)

ながら聴きのジャズも良い・17

あっけらんかんとしたスムース・ジャズ。それでいて、基本的なテクニックはしっかり押さえていて、明らかに「イージーリスニング」とは一線を画する。しかし、その端麗な容姿から「際物」扱いされることもしばしば。

でも、それは失礼だろう。自ら楽器を演奏する経験があるのなら、そういう的外れな「揶揄」は出来ない。そう、彼女のサックスのテクニックは確かなものであり、演奏される内容はしっかりとした「スムース・ジャズ」である。端麗な容姿とは切り離して楽しみたい。

小林香織『MELODY』(写真左)。2016年の作品。デビュー盤から一貫して、あっけらかんとしたスムース・ジャズである。テクニック的にも速いパッセージを吹きまくることは無い。いわゆるハード・バッパーな吹き回しは全く無い。その曲が持つメロディを判り易く吹き、判り易くアドリブ展開する。

収録された曲を見渡せば、この盤が「洋楽カヴァー・アルバム」であることに気付く。どういう基準で選曲したのかは不明だけれど、なかなか粋な選曲に思わずニンマリする。
 

Kaori_kobayashi_melody

 
エリック・クラプトンの「Tears In Heaven」、ボズ・スギャッグスの「We’re All Alone」、シカゴの「Saturday In The Park」など、70年代ロックのマニアの我々の心を擽る選曲から、テイラー・スイフトのヒット曲「Shake It Off」、ホール&オーツ「I Can’t Go For That」など、ちょっと小粋な選曲に目を惹かれる。

小林香織のサックスは「音が良い」。ブラスが良く鳴っていると形容したら良いのか、とにかく、サックスが良い音で鳴っている。この盤はサックスの音がとても良く録れている。バックの演奏も解像度良く、躍動感良く録れている。難しいことは全くやっていないが、演奏される音世界が耳に心地良い。

クレジットを見れば、あの「さかなクン」がバリサクで参加している。1曲目の「Shake It Off」なんだけど、これがまずまず良い雰囲気。小林との掛け合いでソロがなかなか良い。これは話題の1曲ですね。

難しいこと言わずに、雰囲気で聴く「スムース・ジャズ」盤です。カヴァーされた洋楽曲の旋律がキャッチャーなものばかりなので、聴き心地が良い。ながら聴きに良い雰囲気のアルバムです。

 
 

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2017年2月11日 (土曜日)

ジャズは進化しているなあ・・・

ニューリリースのアルバムを聴いていて、ジャズは生きているなあ、ジャズは進化しているなあ、と思う瞬間がある。明らかに現代の新しい音を吸収して融合して、新しいジャズの響きを獲得している盤を聴くと、まだまだジャズは死んでないなあ、と心から思う。

Throttle Elevator Music『Throttle Elevator Music IV Featuring Kamasi Washington』(写真左)。西海岸を拠点に活動するスピリチュアル・ジャズ・バンドの4thアルバム。この盤の演奏を聴くと、もはやジャズなのかロックなのか判別が難しい。それほど、それぞれのジャンルの音の要素をしっかりと融合して、新しい音の響き、新しいグルーヴを獲得している。

そんな新しいジャズの音の中、むっちゃ目立つサックスが真っ直ぐに耳に入る。聴いた瞬間、只者では無い、そんじょそこらのサックス奏者ではないことは判る。誰だ、とパーソネルを確認したら、なんと「カマシ・ワシントン」が全曲に渡って参加しているのですね。
 

Throttle_elevator_music_iv  

 
ちなみにパーソネルは、Kamasi Washington (ts), Matt Montgomery (b, p, org, g), Gregory Howe (g, p), Mike Hughes (ds), Erik Jekabson (tp, flh)。カマシ・ワシントン以外のメンバーはさすがに馴染みが無いなあ(笑)。最近の新進のジャズメンについては起きかけるのは大変だ。

ヒップホップ、ユーロ、ハウス、などなど、新しいポップ・ミュージックの要素を巧みに取り入れ、ずっと聴いていてると、エレクトリック・マイルスを思わず想起する。ジャズとロック、エレ・ポップの見事な融合。融合の結果、新しい音の響きを獲得している。現代の、現在のスピリチュアル・ミュージック。新しい。新しい響きが心地良い。

こういう最新のジャズを聴いていると、なんだか楽しくなる。明らかに現代の新しい音を吸収して融合して、新しいジャズの響きを獲得している。確かなテクニックと歌心でそれを実践する。まだまだジャズは進化する。若手のジャズを聴くと、こういう体験が出来るから面白い。

 
 

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