2020年11月29日 (日曜日)

ECMらしいエレ・ジャズです

ECMレーベルは欧州ジャズの老舗レーベル。ECMは「Edition of Contemporary Music」の略。創立者はマンフレート・アイヒャー。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」=アイヒャー自らの監修・判断による「美意識」を、限りなく静謐で豊かな「ECMエコー」を伴って表現した「ECM独特の音世界」。

Michael Naura『Vanessa』(写真左)。ECMの1053番。 ちなみにパーソネルは、Michael Naura (el-p), Klaus Thunemann (bsn), Wolfgang Schlüter (vib, mar, per), Eberhard Weber(b), Joe Nay(ds)。バズーンあり、ヴァイブありのおおよそ従来の純ジャズとは思えないパーソネルが、いかにもECMレーベルらしい。

この盤、パーソネルがここまで「ECMらしい」と、当然、音自体がとても「ECMらしい」はず。ECMレーベルでしか聴けない、即興演奏を拠り所にした「ニュー・ジャズ」の音が詰まっている。リズム&ビートに「4ビート」は無いし、スインギーな感覚は全く無い。それだけだと「ジャズ」にならないのだが、即興演奏のアプローチがまさに「ジャズ」らしい。
 
 
Vanessa  
 
 
均等に刻まれた8ビートなフレーズであったり、無調なフレーズだったり。現代音楽に近い、はたまた、初期のエレ・マイルスに近い、とてもECMらしいエレ・ジャズである。そして、限りなく静謐で豊かな「ECMエコー」がかかった音が、これまた「ECMらしい」。演奏内容は8ビートのエレ・ジャズだったり、フリーなジャズだったり。ECMお得意のニュー・ジャズな演奏が心地良い。

Michael Naura(ミハエル・ナウラ)は、リトアニア出身のピアニスト。この盤では彼独特のエレピの弾きっぷりがとても効果的。新しいジャズ、という感覚を上手く増幅させている。クラウス・トゥネマンのバズーンがとてもユニークな音色で独特の響きを漂わせ、ヴォルフガング・シュリュターのヴァイブは、硬質でクリスタルな音色で、切れ味の良い澄んだフレーズを供給する。

リズム隊については、エバーハルト・ウェーバーのベースが良く効いているし、ジョー・ネイのドラムは硬軟自在、緩急自在。ナウラのエレピの音をしっかりとサポートし、その魅力を増幅させているところは見事。ジャケット・デザインも含めて、この盤はその内容、音についても、とても「ECMらしい」。この盤については、ECMレーベルでした制作できないものだろう。「らしい」好盤である。
 
 
 

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2020年11月 3日 (火曜日)

テリエ・リピダルの陰謀・謀略

Terje Rypdal(テリエ・リピダル)。ノルウェー出身、ECMレーベルの看板ギタリスト。彼のキャリアにおいて、2〜3枚の例外はあるが、リーダー作については、ほぼECMレーベルからのリリースになる。リピダルは1947年生まれ。今年で73歳。初リーダー作が1968年なので、ジャズ・ギタリストとしてのメジャーなキャリアとしては52年。半世紀以上に渡って活躍する「レジェンド級」のギタリストである。

リピダルのギターについては、恐らく1〜2分聴き続けたら絶対にリピダルだと判るくらい、とても個性的な音である。幽玄で浮遊感のあるフレーズを多用した「ニュー・ジャズ」志向の音が得意で、ファンクネスは皆無であり、ブルージーな要素は微弱。そういう面では欧州ジャズ独特といえる。ジャズ・ギターというよりは、ロック・ギターと言った方が良いか、プログレ・ギタリスト的な音を出す。

浮遊感のある、ビートに乗らない、ロングトーンでフリーな独特とフレーズ。ジャズなのか、ロックなのか、どちらかにしろ、と詰問されたら、やはり「ジャズ」と答えてしまう。そんな不思議な音を持ったギタリスト。そして、リピダルは、半世紀を越えるメジャーなキャリアの中で「決してブレない」。ECMレーベルでのメジャー・デビュー盤『Terje Rypdal』の音が、マンネリに陥らず、ずっと今まで続いている。これって意外と凄いことだと思っている。
 
 
Conspiracy-terje-rypdal
 
 
Terje Rypdal『Conspiracy』(写真左)。2019年2月、ノルウェーはオスロのRainbow Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Terje Rypdal (el-g), Ståle Storløkken (key), Endre Hareide Hallre (b), Pål Thowsen (ds, perc)。プロデューサーは当然、マンフレッド・アイヒャー。ノルウェー出身のメンバーで固めた、リピダルの約20年ぶりのスタジオ録音作品になる。

このリピダルの新作は、リピダルのリピダルらしい個性満載。往年のメジャー・デビュー当時の、幽玄で浮遊感溢れるサステインの効いたエレクトリック・ギターが再現されている。しかし、フレーズの作りが現代的で、その音はノスタルジックでは無い、現代の新しい響きのするもの。キーボードの参加が目新しく、ハモンド・オルガンの音がリピダルのエレギに溶け込み、創造的で耽美的なユニゾン&ハーモニーを奏でる様は今までにリピダルには無い要素。

アルバム・タイトルの「Conspiracy」は「陰謀・謀略」の意。この盤を聴くと、リピダルはまだまだ深化している。この個性は全くブレていないが、この盤で聴かれる音はノスタルジーとは全く無縁。初期のリピダルの個性を現代のニュー・ジャズの要素と合わせてリコンパイルし、新しいリピダルの音世界を創造しようとしている様に感じる。それが「陰謀・謀略」であるなら、聴き手の我々としては全くウエルカムである。
 
 
 

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2020年10月26日 (月曜日)

ジョンスコの4ビート・ジャズ

ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降、略して「ジョンスコ」)という、ほぼレジェンド級のギタリストって、フュージョン・テイストのコンテンポラリーなジャズから入って、ジャズ・ファンク、そして、ワールド・ミュージック志向なニュー・ジャズをやったり、個性的な、良い意味で「捻れた変態エレギ」を駆使して、新しいジャズ・ギターのイメージを拡げてきた。

ニュー・ジャズ志向の演奏も多々あるにも関わらず、今までに渡り歩いたジャズ・レーベルは、Enja(エンヤ)、Blue Note、Verve(ヴァーヴ)、EmArcy(エマーシー)などで、ECMレーベルでの録音が、2006年リリース(録音は2004年)の『Saudades』が初めてだったのは意外だった。そして、ニュー・ジャズの老舗レーベルで録音した盤が、意外や「メインストリーム志向」なアルバムだったとは驚いた。

John Scofield『Swallow Tales』(写真左)。Recorded March 2019年3月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Bill Stewart (ds), Steve Swallow (b)。キーボードレスのギター・トリオ編成。ドラムとベースのリズム隊は、レジェンド級の思索的なベーシスト、スワローと、変幻自在で柔軟なドラミングが身上のスチュワート。
 
 
Swallow-tales  
  
 
この盤のジョンスコは「メインストリーム志向」。パッキパキ硬派で4ビートが中心の「メインストリーム・ジャズ」を展開する。この盤でのジョンスコは不必要に「捻れない」。フレーズを伸ばすときに軽く捻るが、ジャズ・ファンクをやる時の様に大胆に捻れることは無い。エッジの丸い、芯の太いエレギの音色がフレーズの伸びの最後に捻れる。聴けば、やはり個性的な、唯一無二なギターである。

ニュー・ジャズっぽい、硬質で欧州的なベースを弾きまくるスワローが、意外とジョンスコとマッチするのだから、ジャズって面白い。そして、ジョンスコが4ビートなジャズをやる時、欠かさない存在になりつつある、ビル・スチュワートの4ビート・ドラミングも聴きもの。ポリリズミックな適度な手数のドラミングは新鮮な響きが満載だ。

アルバム全体の雰囲気が、ニュージャズ志向のECMレーベルぽくない音作りが意外に新鮮に響く。ジョンスコのエレギの志向に揺らぎが無いのがポイントで、その志向に応じて叩きまくスチュワートのドラミングもECMレーベルらしくなくて新鮮。そんなECMレーベルらしくないところに、ECMレーベルらしいスワローのベースが聴こえると何故かホッとするから不思議。実に聴き応えのあるECMレーベルの4ビート・ジャズである。
 
 
 

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2020年10月21日 (水曜日)

ECMのフュージョン・ジャズ

この盤を聴いた時、これって何時の録音、これってどこのレーベルのリリース、と思わず資料を見直した。Arild Andersen(アリルド・アンデルセン・写真右)が筆頭リーダー作である。アンデルセンはノルウェー出身のベーシスト。ECMレーベルのハウス・ベーシストの様な存在。ということは、ECMレーベルからのリリースなんだが、出てくる音は「ジャズ・ロック」風。硬派でメインストリーム志向のクロスオーバーな音に思わず身を乗り出す。

Arild Andersen『Molde Concert』(写真左)。1981年8月、ノルウェーの「The Molde Jazz Festival」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Arild Andersen (b), Bill Frisell (g), John Taylor (p), Alphonse Mouzon (ds)。しかし、ユニークなカルテット編成。ノルウェー出身の硬派なベーシスト、アンデルセンに、良い意味で変態捻れギタリストのフリゼール、そして、ジャズ・ファンクでならしたムザーンがドラム、そして、モーダルなピアニスト、テイラー。

このユニークな個性の集まりのカルテットが、フリゼールの「攻撃的で切れ味良く捻れる」エレギが8ビートに乗って弾きまくる。バンド全体がこのフリゼールのジャズ・ロックなエレギに引き摺られて、硬派でメインストリーム志向、モーダルで自由度が高い「エレジャズ・ロック」を展開する。音的にはクロスオーバー・ジャズの雰囲気を引き摺っているが、テイラーのピアノは限りなくモーダルで、アンデルセンのベースは明確に「純ジャズ」なベース。
 
 
Molde-concert  
 
 
録音年は1981年、フュージョン・ジャズの全盛後期であるが、この盤の「ジャズ・ロック」は大衆に迎合した俗っぽいジャズ・ロックでは無い。リズム&ビートとフレーズの展開は「ジャズ・ロック」風を踏襲してはいるが、演奏内容自体は、モーダルでかなり硬派な純ジャズ志向のパフォーマンスになっている。ムザーンのドラムが元気だ。フリゼールのロックテイストな捻れギターに触発されて、切れ味の良い、アーティスティックな8ビートを叩きだしている。

ECMレーベルらしからぬ、ポジティブで元気なドラム。この盤の内容、ECMレーベルなりのフュージョン・ジャズと感じた。それでも、メインストリーム志向のパフォーマンスは見事。アンデルセンのベースが、このジャズ・ロックな演奏をメインストリーム志向に留めている。強靱で確かなメインストリーム志向のベース。演奏全体のジャズ・ロック志向をものともせず、テイラーのピアノはモーダルなフレーズを叩き出す。

メインストリーム志向のジャズ・ロック、メインストリーム志向のクロスオーバー・ジャズ。全てを聴き終えた後、やはりこの盤の内容は、ECMレーベルならではのフュージョン・ジャズ。しかし、俗っぽくならずに、凛としたメインストリーム志向をしっかりキープしているところは、アンデルセンのベースとテイラーのピアノに因ることが大きい。さすがECMの総帥アイヒャーである。
 
 
 

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2020年10月18日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・190

チェコ出身の偉大なジャズ・ベーシストにして、ウェザー・リポートの創設者のひとりであるミロスラフ・ヴィトウス。1947年生まれなので、今年で73歳。まだまだ現役で活躍中。鋼の様にソリッドで粘りのあるピツィカート奏法と自由度の高いモーダルなベースラインが見事な個性。作曲家としてもその才能を遺憾なく発揮してきており、印象的でモーダルな曲を多数、作曲している。

Miroslav Vitous『Universal Syncopations』(写真左)。2002年、イタリアの「Universal Syncopation Studios」と、2003年、ノルウェーはオスロの「Rainbow Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、Miroslav Vitouš (b), Jan Garbarek (ss, ts), Chick Corea (p), John McLaughlin (g), Jack DeJohnette (ds)。以降、2〜4曲目のみの参加で、Wayne Bergeron (tp), Valery Ponomarev (tp, flh), Isaac Smith (tb)。

基本編成は、ビトウス、ガルバレク、デジョネット、コリア、マクラフリンのクインテット構成。とりわけ、リーダーのビトウスのベース、コリアのピアノ、デジョネットのドラム、このリズム隊が非常に強力で創造的。このピアノ・トリオの演奏だけでも、十分に鑑賞に耐える。柔軟度と自由度が非常に高いモーダルなリズム&ビート。ファンクネス希薄ながら、うねるような乾いたグルーブ感がいかにもECMジャズらしい。
 
 
Universal-syncopations
 
 
さすがにリーダーのビトウスのアコースティック・ベースが素晴らしい。迫力満点、硬質に胴鳴りのする、ソリッドで切れ味の良い重低音ベースがぐいぐい迫ってくる。以前、若かりし頃は結構、飛んだり跳ねたりしていたのだが(笑)、さすがに、この盤の録音時は56歳。弾きっぷりは落ち着きを増し、紡ぎ出すフレーズも実に滋味溢れる、味わい深いフレーズがてんこ盛り。現代ジャズ・ベースのお手本の1つがこの盤に詰まっている。

そんなリズム隊をバックに、フロントを担当するガルバレクのサックス、そして、マクラフリンのギターが、これまた柔軟度、自由度の高い、創造的なモーダルなパフォーマンスを展開する。淀みの無い、流麗なアドリブ展開は、現代のモード・ジャズの最先端を行く、とても高度でアーティスティックなレベル。非常に迫力のあるパフォーマンス。

「New Series」によりクラシック指向を強めるECMサウンドであるが、この盤では、設立当初から1980年代辺りまでの「ニュー・ジャズ志向」の内容が展開されている。演奏するメンバーがメンバーだけにある意味「懐かしい響き」がする。が、当時の音からは、かなりステップアップしたモード・ジャズが展開されていて、懐古趣味で終わらない、さらに深化した、現代の「ニュー・ジャズ」がこの盤に詰まっている。好盤である。
 
 
 

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2020年10月16日 (金曜日)

リーブマンの考えるエレ・ジャズ

ECMレーベルは欧州ジャズ・レーベルの老舗。スインギーな4ビート・ジャズには目もくれず、「ニュー・ジャズ」と言われる、即興演奏をメインとした新しい表現のジャズ、例えば、モーダルでファンクネスレスの即興ジャズや、モーダルなエレ・ジャズ、それからフリー・ジャズ。クラシック風の演奏でも即興演奏であれば、ECMはニュー・ジャズの範疇として扱った。このスタンスは今でも変わっていない。

Dave Liebman『Lookout Farm』(写真)。ECMの1039番。1973年10月10ー11日の録音。ちなみにパーソネルは、Dave Liebman (ss, ts, alto-fl), John Abercrombie (g), Richard Beirach (p, el-p), Frank Tusa (b, el-b), Jeff Williams (ds), Armen Halburian (perc), Don Alias (conga, bongos), Badal Roy (tabla), Steve Sattan (cowbell, tambourine), Eleana Sternberg (vo)。

Dave Liebman(デイヴ・リーブマン)は、米国のサックス奏者。1946年生まれ。未だ現役、頼もしい限りである。ニュー・ジャズ志向のサックス奏者で、1970年代初期、NYのロフト・ジャズ・シーンで活躍、マイルス・ディヴィスのグループには1970年から1974年まで在籍した。このECM盤は、まだマイルスのグループに在籍していた時の録音である。
 
 
Lookout-farm  
 
 
この盤の内容はECMレーベルの音とは少し異なる「エレ・ジャズ」。雰囲気はまさに、当時のマイルスのエレ・ジャズの音世界なのだが、ファンクネスは皆無。マイルスのエレ・ジャズから、ファンクネスを抜き取って、モーダルな演奏要素を前面に押し出した様な音作り。いわゆる、リーブマンがマイルスのエレ・ジャズを解釈した「リーブマンの考えるエレ・ジャズ」がこの盤に詰まっている。

共演メンバーは、ECMレーベルが抱える、当時の「欧州のニュー・ジャズ」のメンバーが中心。特に、アバークロンビーのアコギとバイラークのエレピが良い音を出している。この2人の音がいかにも「ECMのニュー・ジャズ」らしい音を出していて、この盤の「音世界の志向」を決定付けている様に感じる。フランク・トゥサの弾く「うねる重低音ベース」が欧州的なグルーヴ感を増幅する。

リズム隊が強烈で、コンガ、ボンゴ、そして、タブラ、カウベル、タンバリンを活用して、まるでマイルスの「ビッチェズ・ブリュー」のリズム&ビートから、ファンクネスを差し引いたものが、この盤で表現されているかのようだ。聴けば「リズム&ビートの効いたエレジャズ」というECMらしくない内容ではあるが、ECMでないと出し得ない、デイブ・リーブマンがECMレーベルで表現した「リーブマンの考えるエレ・ジャズ」。一聴に値する内容である。
 
 
 

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2020年9月15日 (火曜日)

ビル・フリゼールの音の個性

ビル・フリゼールのリーダー作を、初リーダー作から、リリース順に聴き直している。デビュー盤から、良い意味での「変態捻れギター」全開。どこか米国ルーツ・ミュージックの要素を踏襲したフレーズが出てきたり、いきなりアブストラクトにフリーに展開したり、とにかく「やりたい放題」の、良い意味での「変態ギター」である。

Bill Frisell『Lookout for Hope』(写真左)。1987年3月、NYの Power Stationの録音。ECMの1350番。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g,banjo), Hank Roberts (cello, voice), Kermit Driscoll (b), Joey Baron (ds)。ECMレーベルらしい、個性的なメンバーが集まっていて、明らかに、コンテンポラリーなニュー・ジャズ志向の音が聴こえてきそうだ。

冒頭のタイトル曲「Lookout for Hope」を聴くと、この盤の音の方向性が良く判る。妖しく激しいイメージのギター、ほの暗く哀愁感漂う、ちょっと浮遊感のあるフレーズ。1987年当時、実に新しいイメージの「ニュー・ジャズ」。自由度の高いモーダルな、そして、コンテンションな、それぞれの楽器のせめぎ合い。そこに一気に捻れて突き抜けるフリゼールのエレギ。硬派なストイックなニュー・ジャズ。
 
 
Lookout-for-hope  
 
 
2曲目の「Little Brother Bobby」は、どこかほのぼのとした、フォーキーな音世界。フリゼールのギターは捻れてはいるが、印象的で哀愁感漂う切れ味の良いフレーズには思わず耳を奪われてしまう。3曲目の「Hangdog」は、いきなりバンジョーの音色にビックリ。チェロも参加して、古き良き時代の米国のルーツ・ミュージックを聴く様な、そんなユニークな演奏。

ほの暗く捻れた米国ルーツ・ミュージックの要素を活かした「コンテンポラリーな純ジャズ」な展開かと思いきや、4曲目の「Remedios the Beauty」は、ほとんどフリー・ジャズ。無調のインタープレイが繰り広げられる。それぞれのアドリブ・フレーズを聴くと、マイナーではあるがフォーキーな旋律が見え隠れするところが「ミソ」。アルバム全体を覆うコンセプトは外してはいない。

フリゼールのアコギは、米国ルーツ・ミュージックの雰囲気を踏襲した耽美的でソリッドな響き。この盤でのフリゼールのギターは、お得意の「浮遊感」はあまり出てこない。耽美的でソリッドな音がメインなのだが、6曲目の「Melody for Jack」では、しっかりと浮遊感溢れるエレギを弾きまくっている。それでも、そのフレーズの中に見え隠れする「米国ルーツ・ミュージックの要素」。フリゼールの個性は、この「米国ルーツ・ミュージックの要素」を織り込んだ音世界であることが、この盤を聴くと良く判る。
 
 
 

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2020年9月14日 (月曜日)

二人の「捻れギタリスト」である

最近、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ビル・フリゼールが「トレンド入り」している。ビル・フリゼールとは、ジャズとしてノーマルなフレーズが出てこない、圧倒的に個性的な「捻れた」ギターが飛び出してくる、良い意味で「変態ギタリスト」と呼んで良い。1951年生まれだから、今年で69歳。どうしてこんなに「捻れた」のか判らないが、とにかく捻れて浮遊するギター。

Marc Johnson's Bass Desires『Bass Desires』(写真左)。1985年5月、NYのThe Power Stationでの録音。ECMの1299番。ちなみにパーソネルは、Marc Johnson (b), John Scofield (g), Bill Frisell (g, g-syn), Peter Erskine (ds)。ベースがリーダー、ギター2本、キーボードレスの変則ギター・トリオ編成である。

僕はこの盤で、ビル・フリゼールと出会った。2本のギターのうち、捻れまくってはいるが、オーソドックスにブルージな雰囲気を振り撒く方が「ジョンスコ(John Scofield)」なのは判った。が、もう1本のギター、浮遊感を全面に押し出しつつ、捻れまくるわ、飛びまくるわ、この変態ギターは誰だ、と思って、パーソネルを見たら「ビル・フリゼール」だった。
 
 
Bass-desires_20200914200801   
 
 
改めて、このマーク・ジョンソンのリーダー作を聴き直してみると、なかなか「エグい」内容に改めてビックリする。とにかく尖っている。尖りまくって、アブストラクト寸前、純ジャズの範疇に留まって、自由度の高い、思いっ切りモーダルな演奏を繰り広げている。とにかく、マーク・ジョンソン=ピーター・アースキンのリズム隊が凄まじい。硬派でアグレッシヴ、力感と柔軟性を併せ持つ、素晴らしいリズム&ビートを供給する。

そんなリズム&ビートをバックに、二人の捻れギタリストが乱舞する。特にフリゼールが、ギター・シンセサイザーまで担ぎ出しての大活躍。冒頭の「Samurai Hee-How」を聴くと、二人の捻れギタリストの個性がとても良く判る。同じ捻れギタリストでも、フリゼールは浮遊感溢れる捻れギターで好き放題に弾きまくり、ジョンスコは堅実に捻れたギターでサポートに回る。二人の捻れギターがアウトドライブせずに自由度の高いアドリブを弾きまくれるのは、ジョンスコの堅実なサポートがあってこそ、である。

とびきり浮遊感溢れる、自由度の高いモード・ジャズ。2曲目のコルトレーンの大名盤『至上の愛』からの「Resolution」でのパフォーマンスは、高テンションで凄まじいばかりのインプロビゼーションを展開していて、思わずスピーカーの前に釘付けになる。今の耳で聴いても「斬新」の一言。さすがはECMレーベル。凄い音源を残している。
  
  
   

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2020年9月 8日 (火曜日)

ゲイリー・ピーコックが逝去

ゲイリー・ピーコックが亡くなった。2020年9月4日逝去。享年85歳であった。一昨日、訃報が流れたのだが、「デマ」ということで一旦落着。ホッとしたのもつかの間、今日になって、正式に逝去の方が流れて、今回はさすがに「デマ」では無かった。WIkipediaの「Gary Peacock」の項でも、命日が刻まれた。ああ、今回は本当なんだなあ、と妙に納得した。
 
Gary Peacock『Tales of Another』(写真左)。1977年2月2日、NYの Generation Sound Studios での録音。ECMの1101番。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (p), Gary Peacock (b), Jack DeJohnette (ds)。この3人の名前を並べてみれば、あれれキースの「スタンダーズ」である。スタンダーズのファースト盤は1983年のリリースなので、それより5年も前に「スタンダーズ」の原型がこの盤にある。

収録された6曲、全て、ゲイリー・ピーコックのオリジナル曲。演奏は、硬派でシビアでモーダルなピアノ・トリオ。フリー直前で「限りなく自由度の高い」モード・ジャズに留まる。リーダーのピーコックのベースが先導するが、3者の力加減は均等。限りなく自由度の高いモーダルな演奏の下で、丁々発止と変幻自在な、鬼気迫るインタープレイが繰り広げられる。
 
 
Tales-of-another  
 
 
ピーコックのベースは重厚かつ流麗。ピアノ・トリオの演奏に心地良い重量感を与えている。決して五月蠅くない、前に前に出ない、それでいて、ピアノ・トリオのインタープレイの中で、展開の方向性を先導し、ピアノのアドリブを支え鼓舞し、ドラムとリズム&ビートの自由度の高いコラボレーションを展開する。ピアノ・トリオの中で、理想的なベースの音のひとつが、この盤に詰まっている。

ECMレーベルらしからぬ、ストレートアヘッドなピアノ・トリオ演奏である。特に3者が渾然となった、ほとんどフリー一歩手前、完璧モーダルなパフォーマンスが凄い。高いテンションの中、「鬼気迫る」とはこの雰囲気を言う。3者共にそれぞれお互いの音をしっかり聴き、そして、それぞれの音に対してしっかりと応える。理想的なインタープレイの実例がこの盤に詰まっている。
 
実は、この盤、僕がジャズを聴き始めた1978年、ジャズ者一年生の頃に、パーソネルに引かれて入手した。難しかった。それでも、この盤のお陰で「モーダルな演奏」を体感し、現代ジャズの先端を行くジャズ・ベースを体感した。特に、ピーコックの重厚かつ流麗なベースは耳に残った。それ以来、ピーコックは僕のお気に入りベーシストであり続けたのだ。そして、一昨日、ピーコックは鬼籍に入った。残念ではあるが、ご冥福をお祈りしたい。合掌。
 
 
 

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2020年9月 6日 (日曜日)

フリゼールのリーダー作の第2弾

ECMはとにかくユニークなレーベル。ECMはジャズのレーベルでもあり、現代音楽のレーベルでもある。ちなみに、ECMは「Edition of Contemporary Music」の略。

まず、コテコテの4ビートのハードバップなジャズは存在しない。1960年代後半から台頭してきた、ニュー・ジャズ、コンテンポラリー・ジャズ、フリー・ジャズなどがほとんど。フュージョン全盛時代にも、フュージョンには目もくれない。創立者はマンフレート・アイヒャーの美意識が中心の、マンフレート・アイヒャーの感性でのみ、アルバムを制作する。これって、凄いことじゃないかと思う。

今でも、コテコテ4ビートのハードバップなノリや、熱いサックスやトランペットの咆哮に魅了されるジャズ者ベテランの方々から煙たがられる、生粋のニュー・ジャズなレーベルである。そんなユニークなレーベルだからこそ、存在するユニークなジャズ・ミュージシャンが多々いる。このBill Frisell(ビル・フリーゼル)もそんなユニークなジャズ・ミュージシャンの一人。

1951年、アメリカのメリーランド州生まれ。テューバとストリング・ベース奏者の父をもち、クラリネット→サックスを経由して、最終的にギター奏者となった。が、他にバンジョーやウクレレ、ベースなども手掛けるマルチ・プレイヤーでもある。もう既にこの辺りから「変だ」(笑)。

Bill Frisell『Rambler』(写真左)。1984年8月、NYの Power Station での録音。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g, gu-synth), Kenny Wheeler (tp, cor, flh), Bob Stewart (tuba), Jerome Harris (el-b), Paul Motian (ds)。そんなビル・フリゼールのリーダー作の第2弾。前作は、ソロ&デュオ演奏というシンプルなものだったが、本作は、チューバが入った変則クインテット。ECM系のミュージシャンでしっかり固めている。

ギター・シンセサイザーを駆使して、ヴィブラートとレガートが「てんこ盛り」の長く響く、ロング・トーンが特徴。それをシンセで「捻る捻る」(笑)。ウネウネ、クネクネ、キュイーンなエレクトリック・ギターでその響きは唯一無二。そのロングトーンなシンセ・ギターの音を、ECMレーベル独特のエコーが増幅する。心地良く美しいこと、この上無し。
 
 
Rambler
 
 
そして、彼の音作りは、普通のジャズでは無い。この1985年リリースのリーダー第2作目は、まるで「ブラスバンド」の響き。まるで「ディキシーランド・ジャズ」の様な音作り。参加した楽器が、一斉にドバーッと我先にとアドリブ・ソロを繰り広げる。混沌とした中に、一本筋の通った、不思議なジャズの調べ。

リズムは決して4ビートでは無い。無調和なフリーなリズムに乗って、チューバをはじめ、金管楽器が実にフリーな演奏を繰り広げる。フリーではあるが、演奏全体には不思議と秩序があり、その秩序をコントロールしているのが、ビル・フリーゼルのシンセ・ギター。アバンギャルドな演奏ではあるが、なぜか、懐かしさを感じる、米国のルーツ・ミュージックの響きを感じる、実にユニークな音作りとなっている。

面白いのは、楽器の中で一番目立っているのは、Kenny Wheelerのトランペット。実にトランペットらしい、円やかな響きが、ビル・フリーゼルのシンセ・ギターの音と相性バッチリ。Bob Stewartのチューバの音が実に良いアクセントになっている。無調和なフリーなリズムを機微良く叩き出すPaul Motianのドラムにも感心する。Jerome Harrisのベースも、このアバンギャルドな、懐かしさを感じる、郷愁を誘う古いジャズの底をしっかりと支える。

決して、4ビート、8ビートを基調とした、スタンダードなジャズでは無い。最初は「なんだこれ」と思って投げ出してしまいそうになるんだが、何回か繰り返して聴く毎に、このフリーゼルの不思議な音世界に引き込まれていく。そして、いつの間にか「病みつき」になっている。そんな不思議な魅力に溢れた「変なジャズ」である。

ジャケット・デザインにも、ECMレーベルの美意識が溢れている。良いアルバムです。今でも、その内容は古びれること無い、永遠のコンテンポラリー・ジャズな一枚である。
 
 
 

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