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2017年2月21日 (火曜日)

ECMレーベルらしい音・3

西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」。このECMレーベルの音世界は独特の個性がある。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音が特徴。ファンクネスは限りなく皆無。明らかに欧州的な音世界。そんなECMレーベルの「らしい」音を体験するには、やはり最初のシリーズ、ECM1000番台のアルバムを聴き進めるのが一番手っ取り早い。

Bobo Stenson『Underwear』(写真左)。1971年5月の録音。パーソネルは、Bobo Stenson (p), Arild Andersen (b), Jon Christensen (per)。オスロのArne Bendiksen Studioでの録音になる。ECM1012番。この辺りから、いよいよ本腰を入れて、ECMレーベルらしい音作りがなされることになる。

一言で言うと「ECM色の強い」音世界である。リーダーのステンソンのピアノの音色も明らかに「ECMらしい」音。明らかに欧州的で自然な音。ECMレーベル盤としてはちょっと残響感は足りない様に感じるが、これはこれでECMらしい音。

1曲目のタイトル曲「Underwear」は、モーダルで元気でシャープなもの。豊かなエコーを個性とした録音は明らかにECMらしい音。演奏内容は明らかに欧州的、北欧的。この1曲だけでもこの盤は「買い」だと思ってます。良い演奏、ECMレーベルらしい演奏。
 

Under_ware_2

 
打って変わって、2曲目「Luberon」は、静かで叙情的な音世界が繰り広げられる美しいトラック。このトラックの演奏も、豊かなエコーを個性とした録音は明らかにECMらしい音。この限りなく静謐で叙情的な演奏も、ECMレーベルらしい演奏。

このアルバムの1曲目と2曲目が「ECMレーベルらしい演奏」の代表的なパターンだと感じる。そこに3曲目「Test」や5曲目「Untitled」の様なフリーな演奏が織り込まれて、これまた「ECMレーベルらしい演奏」となる。

こうやって聴き直してみると、このステンソンのアルバムは、かなり「ECMレーベルらしい音」が詰まった、ECMレーベルの音のショーケースの様なアルバムだということに気付く。

そうですね。誰かに「ECMレーベルらしい音、ECMレーベルらしい演奏ってどんなもんですか」と問われたら、まずこのアルバムをご紹介すると思います。ジャズ者のあらゆるレベルの方々にお勧めの好盤です。

 
 

震災から5年11ヶ月。決して忘れない。まだ5年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年2月19日 (日曜日)

ECMレーベルらしい音・2

ECMレーベル。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」が個性。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音が特徴。いつの時代にも、明らかに米国のジャズとは異なる、常にコンテンポラリーな純ジャズを提供してくれる。

そんなECMレーベルの「らしい」音を体験するには、やはり最初のシリーズ、ECM1000番台のアルバムを聴き進めるのが一番手っ取り早い。ということで、このところ、ECM1000番台の聴き直しを進めている。

Robin Kenyatta『Girl from Martinique』(写真左)。ECM1008番。1970年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Robin Kenyatta (fl, as, per), Wolfgang Dauner (p), Arild Andersen (b), Fred Braceful (ds)。プロデュースはManfred Eicher。

このアルバム、CD時代になって、なかなかリイシューされなかった。最近は音楽サイトからダウンロードできるので、やっとこのアルバムの音源にも触れやすくなった。喜ばしいことである。プロデュースはアイヒャーなので、純正ECMのアルバムと言える。
 

Girl_from_martinique

 
自由度の高い、半フリーな内容ではあるが、モーダルな純ジャズな演奏の部分もあって、今の耳には、あまりフリー・ジャズなアルバムには聴こえない。自由度の高いコンテンポラリーな純ジャズといった内容で、意外と聴き応えがある。

ケニヤッタのフルートとアルトは、雰囲気的に「エリック・ドルフィー」に近いものがある。浮遊する部分有り、ビートにしっかり乗った部分有りで、当時のコンテンポラリーな純ジャズの最先端をいく雰囲気。聴いていて懐かしい思いを感じたり、意外と今の耳にも耐える演奏に感心したり。

この「あまりフリー・ジャズなアルバムには聴こえない、自由度の高いコンテンポラリーな純ジャズといった内容」が、ECMレーベルらしい音のメインのひとつになっていく。硬派で尖った内容ではあるが聴き易い。後年のECMレーベルの人気盤に共通する音である。

録音もトン・スタジオでの録音で、限りなく静謐で豊かなエコーがかかった、独特の音で録音されていて、じっくり聴いていると、やはり「これはECMやなあ」なんて呟いて感心したりする。ジャケットはイマイチですが、意外と聴き応えのあるECM初期の一枚です。

 
 

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2017年2月18日 (土曜日)

ECMレーベルらしい音・1

ECMレーベルの聴き直しを進め始めた。「ECM(Edition of Contemporary Music)」。創立者はマンフレート・アイヒャー。演奏家としての素養と録音技術の経験を基に、自らが選んだ「今日的」な音楽を記録し、世に問うべく、自らのレーベルを1969年に立ち上げる。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音。

このECMレーベルらしい音が、ECMレーベル黎明期、ECM1000番台にはっきりと記録されている。このECMらしい音を体験し、自らの記憶に留めるには、このECM1000番台の聴き通しは必須アイテムである。それほど、このECM1000番台には、ECMレーベルを代表する音が詰まった好盤が目白押しである。

Paul Bley『Ballads』(写真左)。ECMの1010番。1967年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Bley (p), Gary Peacock (b, track:1), Mark Levinson (b, track:2&3), Barry Altschul (ds)。ECM1003番『Paul Bley With Gary Peacock』の続編的位置づけのアルバム。   

このアルバムは、ECMレーベルでの録音ではない。ECM1003番同様、録音にアイヒャーは関与していない。ブレイが私蔵の録音テープをアイヒャーに送りつけ、それをアイヒャーがアルバム化したもの。もちろん、録音もトン・スタジオでの録音盤のものほど良くはない。
 

Ballads1

 
しかしながら、この『Ballads』というアルバム、ECMの録音では無いとは言え、不思議なのは、このアルバムの音がしっかりと「ECMレーベルの音」になっていることです。特に、ブレイの「響きを押さえたピアノの音色」にその特徴を強く感じます。このポール・ブレイのピアノの音が、ECMレーベルの黎明期、ECMレーベルらしい音の「決め」にかなり貢献している様に感じます。

演奏の内容についても、抑制の効いた、ファンクネスの一切を排除した、いかにも欧州的なフリー・ジャズで、これまた、ECMレーベルらしい内容になっています。アイヒャーが関与しない、ECMレーベルとしての録音でもないのに、ECMレーベルらしい音がこの盤には溢れています。

いかに、このポール・ブレイの音が演奏が、後のECMレーベルらしい音の「決め」に貢献したかが、推察出来る内容です。ブレイの私蔵の録音テープなのに、明らかにECMレーベルの音になっているのだから不思議です。

ちなみに、このアルバム、LP時代には意外と入手が可能だったのですが、CDの時代になって、なかなか再発されなかったり、されても流通せず、入手が困難な時期が続き閉口していましたが、最近、やっとなんとか入手できる環境になったようで、有り難いことです。

 
 

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