最近のトラックバック

2019年1月 6日 (日曜日)

ミルトのクロスオーバー好盤

厳寒の冬の空気には、凛としたヴァイブの音が良く似合う。僕は子供の頃から木琴を弾くのが好きで、学生の頃にはヴァイブを少しかじった位である。とにかく、あの凛とした切れ味の良いヴァイブの音が大好きで、ジャズにヴァイブ奏者が存在することを知ったのは、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)を介して出会った。よって、僕にとってのジャズ・ヴァイブのアイドルは「ミルト・ジャクソン」。

ミルト・ジャクソンはハードバップの初期、当時としてはまだまだ珍しいヴァイブを引っさげて、ジャズ界にデビュー。1952年に、ジョン・ルイスらとMJQを結成、ジャズ界での人気グループとなった。が、22年もの間、MJQで地道に音楽活動を続け、それなりの評価を得たにも拘わらず、新進のロック・ミュージシャンの連中に較べ報酬が少ないことが不満となって、1974年、一旦、MJQを離れています。

ミルト・ジャクソンはMJQを離れた後、CTIレーベルでの活動をメインに、クロスオーバー・ジャズ〜フュージョン・ジャズの中で活躍します。ハードバップがメインの純ジャズ出身のジャズメンが、ロックビートと融合したクロスオーバーや、電気楽器をメインに据え、様々な他ジャンルの音楽要素と融合したフュージョン・ジャズで適応するのか、という強い懸念があったのですが、ミルト・ジャクソンは全くそんな懸念は不要だったかと思います。
 

Oringa_milt_jackson

 
例えば、Milt Jackson『Olinga』(写真左)。。1974年の作品。CTIからのリリース。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Jimmy Heath (ss), Cedar Walton (p), Ron Carter (b), Mickey Roker (ds)。1曲目の「Olinga」と5曲目の「Lost April」のみ、バイオリンとチェロの弦が入ります。基本的な音の雰囲気は「クロスオーバー・ジャズ」。ジャズとロックとクラシックを融合したイージーリスニング・ジャズ、といった雰囲気です。

ミルトはMJQのミルトより、ソロのミルトの方がファンキーで活き活きしているので、ミルトはソロの方が良い、と言われるのだが、僕はこの意見には疑義を持っている。ミルトは競演するメンバーによって、ヴァイヴ演奏の雰囲気を変えるのではないか、睨んでいる。この盤でもミルトのヴァイブについて、クロスオーバー・ジャズがメインの演奏の中で、全く違和感が無い。逆に、ミルトのヴァイブが映えている。

硬派で純ジャズなミルトも良いが、1970年代のクロスオーバーなミルトもまた違った魅力が垣間見えて意外と面白い。特に、バックが電気楽器でも、その音の特徴を的確に把握して、しっかりとフィットする職人芸的ヴァイブは彼ならではのもの。そんなミルトの職人芸的ヴァイブが前面に出て躍動する。この『Olinga』って、なかなかの隠れ好盤だと思います。

 
 
東日本大震災から7年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年10月10日 (水曜日)

クロスオーバー・ジャズの「Q」

ビッグバンド・ジャズが時々聴きたくなる。もともと中学時代にブラスバンドを経験していることもあって、ビッグバンド・ジャズについては、ジャズを本格的に聴き始める前から親しみがある。ただ、デューク・エリントンやカウント・ベイシーはあまり聴かない。ちょっとメインとは外れた、異色のビッグバンド・ジャズが昔から好みである。

そんな異色の、というか個性的なビッグバンド・ジャズのひとつが「クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)」、愛称は「Q」。特にクロスオーバー・ジャズに足を踏み入れた「Q」が大好きだし、フュージョン・ジャズの要となった「Q」のアルバムは今でも愛聴盤である。「Q」のビッグバンド・ジャズは格好良い。そして、ソウルフルでお洒落。力感と繊細さのバランスが絶妙。

Quincy Jones『Walking In Space』(写真左)。1969年6月の録音。クロスオーバー・ジャズとフリー・ジャズが台頭してきた時代の録音になる。ビッグバンド編成の演奏で、パーソネルで主だったところでは、Quincy Jones (conductor, arranger), Eric Gale (el-g), Ray Brown (b), Grady Tate, Bernard Purdie (ds), Bob James (el-p), Hubert Laws (fl), Toots Thielemans (g, harmonica) 等々、結構、有名どころが並んでいる。
 

Walking_in_space

 
「Q」はアレンジが素晴らしい。ブラスの音の重ね方が独特。この頃の「Q」のアレンジは一聴すれば、すぐに判る位に個性が溢れていた。クインシーズ・ハーモニーとでも呼びたいくらい。しかし、今の耳で聴くと明らかに古い。が、格好良いのだ。古い響きなんだが「格好良い」。ダンディズム溢れるユニゾン&ハーモニー。そして、当時最先端であったエレピやエレギが上手く活用され、当時として新しい響きを獲得している。こういう点も「ニクい」。

そんなビッグバンドのアレンジをバックに、名うてのジャズメン達が素晴らしいソロを披露する。「Q」のアレンジの凄いところは、ビッグバンドをバックにソロイストがアドリブ展開するんだが、ソロイストのアドリブ・フレーズが、バックのビッグバンドの演奏に埋もれることはない。逆に、ソロイストのアドリブ・フレーズが印象的に浮かび上がってくるのだ。「Q」のアレンジの素晴らしさ。ソロイストの適材適所の活用術も見事なもの。新旧入り交じったメンバーを上手に活かしている。クインシーズ・マジックである。

モダンでアーバンな音の色合いが「粋」。ホーンのアンサンブルの様に響く女性ボーカルの存在が実に「ソウルフル」。電気楽器やハーモニカなど、それまでのビッグバンド・ジャズに無かった音を有効活用する技なぞ「上手いアレンジやな〜」と感心することしきり。クロスオーバー・ジャズの時代の「Q」のビッグバンドの好盤として、お勧めの一枚です。

 
 

東日本大震災から7年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年9月 2日 (日曜日)

1970年代の先駆け的ギタリスト

昨日から涼しくなった千葉県北西部地方。今日などは半袖でじっとしていると肌寒いくらいだ。台風が西日本に接近しつつあるので、天気は良くないのだが、これだけ涼しくなると、ジャズ盤鑑賞の幅も広がるし、ジャズを聴いていても汗ばむことも無い。今年の夏は酷暑続きだったので、ジャズ鑑賞も辛かったですね。というか、まず体調が思わしく無い日が多かったなあ。

そこで、ジャズ・ギターである。熱く弾きまくるジャズ・ギター、クールに弾き進めるジャズ・ギター。様々なパターンのジャズ・ギターを聴き比べたくなる。ジャズ・ギターは、エレギとそのアタッチメントの進歩によって、表現の幅が広がった。今ではホーン楽器と変わらない、音のバリエーションと強弱を手に入れている。

そんなジャズ・ギター、ギタリストによって個性が明らかに異なるので、聴いていて楽しい。今日は、George Benson『Giblet Gravy』(写真左)を選盤。1968年2月の録音。1968年の録音とは言え、曲毎にミュージシャンを選んで録音する、という、1970年代の録音手法が取られていて、録音時、リーダー以外、パーマネントなメンバーは存在しない。
 

Giblet_gravy

 
それでもパーソネルを見渡すと、Eric Gale (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter, Bob Cranshaw (b), Billy Cobham (ds) らの名前が確認出来て、ジャズロック〜クロスオーバーな音が顕著である。フュージョン・ジャズ全盛時にはソフト&メロウなフュージョン・ギターがウリのベンソンではあるが、この盤が録音されたのは1968年。まだまだバリバリに弾きまくっている。

そう、ベンソンは1960年代後半はソウル・ジャズ、ラテン・ジャズに大活躍。かなりハードなエレギに惚れ惚れする。これだけハードだとジャズよりはちょっとロックに寄っている雰囲気。聴き応え抜群である。特に、アドリブ展開におけるグルーヴ感とドライブ感が半端ない。このエレギの音を聴くと、当時、マイルスがセッションに呼んだ理由が理解できるような気がする。

ジャケ写を見れば時代を感じるんだが、若き日のギラギラしたベンソンが実に精悍。この頃のベンソンについては、単にウエス・モンゴメリーの後継者という切り口では無く、ハードバップを越え1970年代への橋渡しとなる、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズなエレギの先駆者という位置づけで、もっと語られるべきギタリストであると僕は思う。

 
 

東日本大震災から7年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年8月18日 (土曜日)

CTIレーベルからの純ジャズ盤

昨日より、いきなり涼しくなった千葉県北西部地方。やっと猛暑日から解放された。まあ、来週から、また蒸し暑さは戻るらしいが、一時でもこの涼しい状況は嬉しい限り。ホッとする。逆に、いきなり涼しくなったので、猛暑の時の疲れがドッと出たのか、今日は体調が思わしく無い。人間の体とはややこしい。

涼しくなると、ジャズを聴くのが楽しくなる。特に本格的な「純ジャズ」。硬派な熱い「純ジャズ」といきたいところだが、先に書い た様に、今日は猛暑の時の疲れが出たのか、体調が思わしく無い。硬派な熱い「純ジャズ」は、そっと避けて、ライトな純ジャズを選盤する。1970年代のクロスオーバー・ジャズの老舗レーベル、CTIレーベルからの選盤である。

Art Farmer & Jim Hall『Big Blues』(写真左)。1978年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (flh), Jim Hall (g), Michael Moore (b), Steve Gadd (ds), Mike Mainieri (vib), David Matthews (arr)。時代はフュージョン・ジャズ全盛の頃。双頭リーダーのファーマーとホールはハードバップ時代からのベテラン。バックのリズム・セクションとヴァイブは若手。
 

Big_blues  

 
クロスオーバー・ジャズの老舗レーベルのCTI、純ジャズ系のアルバムも多数リリースしている。バックのリズム・セクションは、確かに電気楽器を活用した当時の流行、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの音ではあるんだが、ビートは「4 or 8ビート」。リーダーやフロントにハードバップ時代からの強者ベテランを配し、旧来のハードバップと流行のクロスオーバー〜フュージョン・ジャズの良いところを合わせた、新しい響きの「純ジャズ」を聴かせてくれる。

この盤、フリューゲル・ホーンのファーマーとギターのホールが絶好調。実に覇気のある、ポジティブな演奏を聴かせてくれる。冒頭からの2曲「Whisper Not」「A Child Is Born」はスタンダード、ホールの小粋な自作曲をはさんで、ラストはクラシック系、ラベルの管弦楽曲「Pavane for a Dead Princes(亡き王女のためのパヴァーヌ)」のジャズアレンジ。なかなかに魅力的な演奏で、1970年代の純ジャズって、ちょっと微妙な雰囲気なんですが、この盤は例外。

バックのフュージョン系のリズム・セクションが良い。縦ノリのガッドのドラムに堅実なムーアのベース。神妙に純ジャズなフレーズを弾きまくるヴァイブは誰あろう、フュージョンの伊達男マイニエリである。この盤でのマイニエリ、実に良い。やれば出来るじゃないか。嬉しい発見である。「亡き王女のためのパヴァーヌ」のアレンジがなかなかの内容なのだが、若き日のマシューズでした。

 
 

東日本大震災から7年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年7月21日 (土曜日)

CTI All-Starsの傑作ライブ盤

1970年代前半のクロスオーバー・ジャズについては、聴き直してみると、とても面白い。ロックの影響からか、電化楽器と8ビートの積極活用がメインなんだが、演奏そのものはハードバップだったり、モード・ジャズだったりで、温故知新というか、旧来の純ジャズの演奏を、電化楽器と8ビートでリニューアルした様な、そんな「新装開店」な雰囲気が実に味わい深い。

電化楽器と8ビートでリニューアルした様な「クロスオーバー・ジャズ」については、CTIレーベルを探ると結構出てくる。さすが、クロスオーバー・ジャズの老舗レーベルである。そんな中で、これはイチ押し、CTIオールスターズの演奏の中で、電化楽器と8ビートの積極活用を心ゆくまで楽しめるライブ盤がある。

CTI All-Stars『CTI Summer Jazz At The Hollywood Bowl』(写真)。1972年7月30日、ハリウッド・ボウルでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Deodato (key), Jonny Hammond (key), Bob James (key), Ron Carter (b), Jack DeJohnette (ds), George Benson (g), Airto (Perc), Hank Crawford (sax), Joe Farrell (sax), Stanley Turrentine (sax), Grover Washington, Jr. (sax), Freddie Hubbard (tp), Hubert Laws (fl), Milt Jackson (vib), Ester Phillips (vo)。
 

Cti_summer_jazz_at_the_hollywood_bo  

 
とにかく、CTIレーベルを聴き込んだ耳からすると、懐かしいやら嬉しいやら。まず、確実に耳につくのが、ボブ・ジェームスとデオダートのキーボード演奏。この2人のキーボードの音は個性に溢れ、アドリブ・フレーズを聴くと直ぐに判ります。特にデオダートのキーボードは懐かしい音です。CTIレーベルの諸作を聴き込んだあの頃が脳裏に浮かびます。ベンソンのギターも聴きもの。唄う画如くのフレーズ、メリハリの効いたソロの構成力、ギタリスト=ベンソンの面目躍如です。

ブヨンブヨンのベースは明らかにロンですし、フロントのサックス隊、クロフォード、ファレル、タレンタイン、ワシントン・ジュニアも大活躍。電化楽器と8ビートに良く合った音色とフレーズでガンガンに飛ばします。リズム隊はデジョネットとアイアートの独壇場。音のアクセントに、ハバードのトランペット、ロウズのフルート、ミルトのヴァイブが小粋に響きます。いや〜、今の耳で聴いても、ほんとエキサイティングで格好良い演奏の数々。

CTIがもっとも充実していた時代、CTI All-Starsの1972年のライブ音源。CD2枚組(LP時代は3枚ばら売りだったかと)にコッテコテのCTIサウンドがてんこ盛り。これでもか、と言わんばかりの、CTIレーベルのフル・オール・キャスト、豪華メンバーで繰り広げられるライブ演奏。しかも、時代の勢いがそうさせるのか、いずれのメンバーの演奏するフレーズには、かなり気合いが入っているのが判ります。適当な顔見世興行で無いことが良く判ります。好盤です。

 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年7月19日 (木曜日)

アーティスティックな電化ジャズ

1970年代後半から本格的にジャズを聴き始めた僕にとって、CTIレーベルはとっても思い出深いレーベルである。CTIは1967年、プロデューサーのクリード・テイラーによって創設されたジャズ・レーベル。クロスオーバー・ジャズの老舗レーベルで、僕が聴き始めた頃は、1970年代後半、フュージョン・ジャズの大ブームの最中であった。

CTIレーベルの音は厳密に言うと、フュージョン・ジャズでは無い。ほとんどのアルバムの音はクロスオーバー・ジャズで括られると思う。特に、ジャズとロックの融合、ジャズの電化について優れたアルバムが多い。クロスオーバー・ジャズの老舗レーベルでありながら、フレーズや展開は従来のハードバップ、演奏はエレ楽器中心、そんな新旧ハイブリッドな盤に優れたものが多い。

Freddie Hubbard & Stanley Turrentineの『In Concert Volume One』(写真左)と『In Concert Volume Two』(写真右)。ちなみにパーソネルは、Freddie Hubbard (tp), Stanley Turrentine (ts), Herbie Hancock (key), Eric Gale (g), Ron Carter (b), Jack DeJohnette (ds)。1973年3月3日、シカゴの Opera Houseと1973年3月4日、デトロイトの Ford Auditorium でのライブ録音になる。
 

In_concert_volume_one_two  

 
この2枚のライブ盤がそんな「新旧ハイブリッドな盤」の好例になる。パーソネルを見れば、このライブ盤は、こってこて正統なハードバップからモード・ジャズをやるんではないか、と思ってしまう位の錚々たるメンバーである。エリック・ゲイルの存在だけが違和感があって、聴く前に「ありゃ〜」となる(笑)。

演奏内容はと言えば、演奏の内容、コンセプトは思いっきりハードバップ〜モード・ジャズである。それを電化された楽器でやる。しかし、楽器が電化されているとはいえ、この今ではそれぞれが、ジャズ・レジェンドと呼ばれるメンバーである、しっかりとメインストリーム・ジャズしている。電化されているからといって、決して、ポップに迎合していないし、決して俗っぽくなっていない。

電化されたジャズとはいえ、結構、アーティスティックなメインストリーム・ジャズである。CTIレーベルにはこれがあるから面白い。アルバムを聴き進めていくと、面白い発見が続々出てくる。このお洒落で硬派な電化されたモード・ジャズは、今の耳で聴くと意外と新鮮に響いて、思わず「おっ」と短い歓声を上げてしまう。やはりこのメンバーは、電化ジャズをやっても隅に置けない。

 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2017年7月13日 (木曜日)

CTIレーベルの純ジャズ盤

CTIレーベルって、1960年代の終わりから1980年代前半まで、初期はイージーリスニング・ジャズから始まって、クロスオーバー・ジャズからフュージョン・ジャズまでがメインの老舗レーベルなんだが、そんな中に、上質な「メインストリーム・ジャズ」が混じっているのだから不思議。そして、これがまた、内容的に素晴らしいものなのだから隅に置けない。

Gerry Mulligan & Chet Baker『Carnegie Hall Concert』(写真左)。1974年11月24日、ニューヨークのカーネギー・ホールでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Gerry Mulligan (bs), Chet Baker (tp), Ed Byrne (tb), Bob James (p, el-p), Dave Samuels (vib, per), John Scofield (g), Ron Carter (b), Harvey Mason (ds)。

このライブ盤、パーソネルは見渡せば、なかなかユニークな人選に思わずニヤリ。バリサクのマリガンとペットのチェットはハードバップ時代からの純ジャズ出身のベテラン。そこに、フュージョン・ジャズの仕掛け人、ボブ・ジェームスがキーボードを担当する。そして、若き日の捻れギタリスト、ジョンスコがいる。R&Bっぽいドラミングが小粋なメイソン、どう弾いても純ジャズの雰囲気を抜け出ないロンのベース。
 

Gerry_mulligan_chet_baker_carnegie_

 
この新旧ジャズメン入り乱れた、純ジャズ志向とフュージョン志向が入り乱れたパーソネルで、メインストリーム・ジャズをやるんだから堪らない。音世界は、いわゆる「1970年代のメインストリーム・ジャズ」。アコ楽器とエレ楽器を上手くブレンドし、それぞれの音の良さをしっかりとアピールする。これって、アレンジが良いからですよね。さりげないアレンジが実に見事。

CTIレーベルって不思議なレーベルで、確かにカタログを見渡すと、上質な「メインストリーム・ジャズ」盤がそこかしこに転がっていて、いずれも内容がとても良い。しかも、新旧ジャズメンが入り乱れた、ジャズメンの組合せの妙が絶妙なのだ。この組合せでこの音かあ、と聴いて感心する盤が多々あるから素晴らしい。

このライブ盤、まず、ハードバップ時代からの純ジャズ出身のベテランの二人、マリガンとチェットがとても元気。それでいて、吹き回す音の雰囲気は1970年代の音をしているから、この二人の力量たるや素晴らしいものがある。決して古くならない。その時代時代のトレンドにしっかりと追従する。よくよく考えれば、このライブ盤自体がそうである。

 
 

東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

2017年4月21日 (金曜日)

ながら聴きのジャズも良い・18

やっと4月の中旬らしい気候に落ち着いた感がある。寒くも無く暑くも無い。ちょうど良い塩梅の気候。何かしながらの音楽。ながら聴きに良い季節である。この季節、僕は本を読みながらのジャズの「ながら聴き」が好み。ちょっとだけ窓を開けて、微かな春風の流を感じながらの「ながら聴き」。

僕は「ながら聴き」のジャズについては、フュージョン・ジャズのアルバムを選盤することが多い。爽やかでシンプルで明るいフュージョン・ジャズが「ながら聴き」にピッタリ。そんな盤ってあるのか。あるんですよね、これが(笑)。落ち着いた大人のフュージョン・ジャズが良いですね。あまり「はっちゃき」なのは耳についていけない。

Jim Beard『Song of the Sun』(写真左)。1990年の作品。新生CTIレーベルからのリリース。リーダーのジム・ビアードは、1980年代後半〜1990年代のN.Y.ジャズ・シーンで最も注目すべきキーボード奏者の一人。基本はジャズ。ジャズに軸足を置きながらのモーダルなキーボード・プレイが特徴。
 

Song_of_the_sun1

 
アルバムを聴き通すとこのアルバムの雰囲気に思わず「ニヤリ」とする。1970年代から1980年代を駆け抜けた伝説のフュージョン・バンド「ウェザー・リポート」の後期の音をスッキリとシンプルにした、判り易い「ウェザー・リポート」といった雰囲気。とりわけ、ビアードのキーボード・プレイは秀逸で、バラエティーに富んでいて、とても楽しめる。

パーソネルを見渡すと、うへへ〜と思わず笑みが漏れる。サックスにMichael Brecker、Bob Mintzer、Wayne Shorter、Lenny Pickettを使い分ける。ベースはVictor Bailey、Anthony Jackson、Batundi Panoを使い分け。ドラムにDennis Chambersの名前が見える。ハーモニカにはToots Thielemans。これって、フュージョン全盛時代の主要ジャズメンばかりである。

アルバムに収録された演奏は、ビアードの優れた編曲で整えられたシンプルで破綻の無いもの。あまりに整然としていて、ファンクネスに欠けるところがちょっと惜しい。それでも、アルバム全体の音世界は、小粋で成熟した上質のフュージョン・ジャズ。時は1990年、遅れてきたフュージョン・ジャズの好盤としてお勧め。特に「ながら聴き」にピッタリである。

 
 

震災から6年1ヶ月。決して忘れない。まだ6年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

その他のカテゴリー

AOR CTIレーベル ECMレーベル Enjaレーベル jazz Miles Reimaginedな好盤 Pops R&B rock SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio Yellow Magic Orchestra こんなアルバムあったんや ながら聴きのジャズも良い アキコ・グレース アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラウンド・マイルス アル・ディ・メオラ アンドリュー・ヒル アート・ブレイキー アート・ペッパー イエス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イタリアン・プログレ インパルス!レコード イーグルス ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウディ・ショウ ウラ名盤 エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルトン・ジョン エンリコ・ピエラヌンツィ オスカー・ピーターソン オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カーラ・ブレイ キャノンボール・アダレイ キャンディド・レーベル キング・クリムゾン キース・ジャレット ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスマスにピッタリの盤 クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ゲイリー・バートン コンテンポラリーな純ジャズ サイケデリック・ジャズ サザンロック サンタナ ザ・クルセイダーズ ザ・バンド ジャケ買い「海外女性編」 ジェフ・ベック ジミ・ヘンドリックス ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルト ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナー ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャズ喫茶で流したい ジョシュア・レッドマン ジョニ・ミッチェル ジョン・コルトレーン ジョン・スコフィールド ジョン・レノン ジョージ・ハリソン ジョー・ヘンダーソン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーブ・カーン スピリチュアル・ジャズ セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チック・コリア チャールズ・ミンガス チューリップ テテ・モントリュー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デクスター・ゴードン デュオ盤 デューク・ジョーダン デヴィッド・ボウイ トミー・フラナガン トランペットの隠れ名盤 ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ハンク・ジョーンズ ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック バリトン・サックス パット・メセニー ビッグバンド・ジャズは楽し ビル・エバンス ビートルズ ビートルズのカヴァー集 ピアノ・トリオの代表的名盤 ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・ウッズ フェンダー・ローズを愛でる フュージョン・ジャズの優秀盤 フリー フリー・ジャズ フレディー・ハバード ブッカー・リトル ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルーノート ブレッカー・ブラザース プレスティッジ・レーベル プログレッシブ・ロックの名盤 ベニー・ゴルソン ベーシストのリーダー作 ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ハッチャーソン ボブ・ジェームス ポップス ポール・サイモン ポール・マッカートニー マイケル・ブレッカー マイルス・デイヴィス マッコイ・タイナー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・クインテット マンハッタン・トランスファー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ラテン・ジャズ ラリー・カールトン リトル・フィート リバーサイド・レーベル リンダ・ロンシュタット リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レジェンドなロック盤 レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロック ロッド・スチュワート ローランド・カーク ヴィーナス・レコード 上原ひろみ 北欧ジャズ 吉田拓郎 和ジャズの優れもの 四人囃子 夜の静寂にクールなジャズ 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 尾崎亜美 山下達郎 山中千尋 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 書籍・雑誌 欧州ジャズ 歌謡ロック 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 音楽喫茶『松和』の昼下がり 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2019年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ