2021年1月28日 (木曜日)

モーガン最後の公式セッション 『The Last Session』

当ブログの朝のツイート「今日のスタート」で、リー・モーガン(Lee Morgan)の聴き直し、それも、急逝直前の遺作から順に遡って聴き直している。モーガンが内縁の妻に撃たれて急逝したのは、1972年2月19日(享年34歳)。ジャズは、クロスオーバー・ジャズとモーダルなジャズが主流だった時期。モーガンが果敢に新しいジャズのトレンドに挑んでいった姿が涙を誘う。

Lee Morgan『The Last Session』(写真左)。1971年9月17–18日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Grachan Moncur III (tb), Bobbi Humphrey (fl), Billy Harper (ts, alto-fl), Harold Mabern -(ac-p, el-p), Reggie Workman (b, perc), Jymie Merritt (b), Freddie Waits (ds, recorder)。フロント4管のセプテット(7重奏団)編成。

モーガン、急逝の5ヶ月前のセッションの記録。最後の公式セッションになる。メンバーは、当時のブルーノート御用達のメンバーをメインに固めた「手練の面々」。メンバーの志向としては、モーダルなジャズを志向するメンバーが多くを占めている。積極的な電気楽器の導入もあって、クロスオーバー・ジャズの影響も垣間見える。
   
  
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モーガンのトランペットが、モード・ジャズに完全適応している様子が窺える。それまでのスタジオ録音は、ところどころ、ファンキー・ジャズへの未練や、ソウル・ジャズへの浮気心が見え隠れして、ちょっと散漫なイメージが付きまとっていたが、この盤では、それが吹っ切れた様に、モード・ジャズ一色に染まっている。

そんなモーダルなジャズをベースに、エレクトリック・サウンドの積極導入、スピリチュアルなアドリブ展開、黒人解放運動からの影響、そして、ネイティヴな民族音楽の要素の反映など、従来のスタイルから明らかに進化したモーガンの音楽を聴くことが出来る。この時期、こんなモーダルなジャズの音世界は他に無い。明らかにモーガンならではの音世界である。

当時の、新しいモーガンの進化した音世界が形になったアルバムだと思う。ここから更に進化したモーガンが聴けるはずだったのだが、このセッションの5ヶ月後、内縁の妻に撃たれて急逝する。実に残念である。

最後に、ノーマン・シーフ撮影によるジャケが実に格好良い。本当に「鯔背で小粋で格好良い」トランペッターだった。
 
 
 

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2020年11月21日 (土曜日)

独特のファンキーなメロウ感 『Fancy Dancer』

Bobbi Humphre(ボビー・ハンフリー)は1950年生まれの女性ジャズ・フルート奏者。ディジー・ガレスピーに見初められ、1971年6月にニューヨークへ移住し、ブルーノート・レーベルとの契約を得る。ブルーノートではBN-LAシリーズの人気ジャズ奏者となり、リーダー作『Satin Doll』(1974年)はスマッシュ・ヒットした。R&B志向のクロスオーバー・ジャズで、ファンク色が強いが、女性ジャズ奏者らしく、彼女のファンクネスはギトギトしておらず、爽やかである。

Bobbi Humphrey『Fancy Dancer』(写真)。1975年8月、ハリウッドのSound Factoryでの録音。主だったパーソネルは、Bobbi Humphrey (fl, vo), Oscar Brashear (tp), Fonce Mizell (tp, clavinet, solina, vo), Julian Priester (tb), Tyree Glenn Jr. (ts), Dorothy Ashby (harp), Roger Glenn (vib, marimba), Chuck Davis, Skip Scarborough, Jerry Peters, Larry Mizell (key), Craig McMullen, John Rowin (g), Chuck Rainey (el-b), Harvey Mason (ds) 等々。

メンバーを厳選して、しっかりリハを積んで、プロデューサーの納得いくまで録音する、という1950年代〜60年代のブルーノートとは打って変わって、レコーディングのオートメーション化が垣間見える。パーソネルを見渡しても、ピンと来るメンバーはほとんどいない。しかし、この盤全体のグルーヴ感は半端ないんだが、リズム隊を見たら、なんとベースがチャック・レイニー、ドラムがハーヴィー・メイソンでした。納得。
 
 
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この盤の「キモ」は、爽やかなファンクネスと、趣味の良くうねるグルーヴ感。ハンフリーの吹く、爽やかファンキーなフルートと、レイニー=メイソンのグルーヴ感溢れまくりのリズム隊の成せる技である。独特のファンキー・メロウな雰囲気はハンフリーならでは、のものであり、彼女ならではのジャズ・ファンクは聴いていて心地の良いもの。

この独特のファンキーなメロウ感は、後のフュージョン・ジャズに直結するもので、そういう意味でこの盤は時代のトレンドを先取りしていたものと言えよう。この盤に漂う、ライトで爽やかな「漆黒アーバン」な雰囲気は、当時、流行していたAORの方に直結する感じの、もの。ところどころ、アブストラクトな展開やスペーシーな音の空間が感じられて、当時の独特の空気感がユニーク。

さすがBN-LAシリーズの好盤という印象を強く持たせてくれる好盤です。コーラスやボーカルも多用されているところが日本のジャズ者気質に合わないところがあるのか、この盤のみならず、BN-LAシリーズは、我が母国、日本ではあまり採り上げられることはありません。が、1970年代のブルーノートのジャズ・ファンクは何れも「一目置かれる」存在で、クロスオーバー・ジャズというだけで敬遠するにはあまりに勿体ない。
 
 
 
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2013年1月 4日 (金曜日)

『Bobbi Humphrey Live: Cookin' with Blue Note at Montreux』

ジャズ・レーベルの王道「ブルーノート」も、1970年代に入ると、そのアルバム制作の方針は、大衆迎合に傾き、実に「怪しくなる」。しかし、そこは「腐っても鯛」。怪しくなったなりに一本筋が通っているところが心憎い。

その「怪しさ」がギッシリ詰まったシリーズが「ブルーノートBNLA」のシリーズ。ジャケットもほとんどやっつけで怪しいし、その内容は完全に大衆迎合風のやっつけ仕事。それでも、当時の言葉で言うと「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」ど真ん中なスタジオ録音やライブ録音がズラリ取り揃っているのだからたまらない。

昨年、その「ブルーノートBNLA」のシリーズから50枚選定されて、東芝EMIより「ブルーノートBNLA 999シリーズ」として限定発売された。このラインアップを見ていると楽しくて楽しくて。一度聴いて見たいと思っていた「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」ど真ん中なアルバムがズラリと並ぶ。

そんな中に、この「ブルーノートBNLA」シリーズに限定された花形ミュージシャン、フルート奏者のBobbi Humphrey(ボビーハンフリー)の『Bobbi Humphrey Live: Cookin' with Blue Note at Montreux』(写真)がある。これ、一度聴いてみたかったんだよね。ということで、即予約して入手。入院していたんで聴くこと叶わなかったのだが、今日、やっと聴くことが出来た。

ボビー・ハンフリーのフルートは、中音域を中心にフレーズを組み立てた、骨太でソウルフルなジャズ・フルートを聴かせてくれる。「ブルーノートBNLA」シリーズに限定された花形ミュージシャンながら、意外と正統派なフルートを聴かせてくれる。ファンキーな香りも芳しく、1970年代前半のクロスオーバー・ジャズの流行時期の旬なフルート奏者として、僕は密かに愛聴している。
 

Bobbi_montreux

 
そういう事で、この『Bobbi Humphrey Live: Cookin' with Blue Note at Montreux』というライブ盤は一度は聴いて見たいアルバムだった訳だが、CDでのリイシューがなかなか叶わず、今回、リイシューされて目出度し目出度しという訳。

改めて、この『Bobbi Humphrey Live: Cookin' with Blue Note at Montreux』は、タイトルの通り、かの有名なスイスはモントルーのジャズ・フェスティバルでのライブ録音で、1973年7月5日の録音になる。ちなみにパーソネルは、Bobbi Humphrey (fl), Kevin Toney (el-p), Berney Perry (g), Henry Franklin (b), Keith Killgo (ds)。ボビー・ハンフリー以外、全く、僕にとっては知らないミュージシャンばかりだが、演奏の内容は充実している。

1973年と言えば、「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」の流行真っ只中。録音された音も、「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」ど真ん中。ファンキー・ジャズの名曲「シュガー」や、ビル・ウィザースのヒット曲「エイント・ノー・サンシャイン」をチョイスしているところが、このアルバムの目玉。

収録された曲それぞれ8分を越える長尺であり、内容的も意外と純ジャズ寄りの骨太でソウルフルな、どちらかと言えば「クロスオーバー・ジャズ」的な演奏。エレピ、エレギの音が「クロスオーバー・ジャズ」ど真ん中な音を振りまいて、それはそれは骨太で楽しい演奏内容となっている。うん、ジャズ・ロックと言っても良いかもしれない。

このライブ盤、「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」のファンの方には、堪えられない内容になっている。逆に「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」なんて認めないぞ、という方々には、「こんなんジャズじゃないよな」的な内容だろう。

「ソウル・ジャズ」や「クロスオーバー・ジャズ」のファンにのみ、お勧めなライブ盤である。限定盤なので早めに入手することをお勧めする。

 
 

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2010年1月18日 (月曜日)

ボビー・ハンフリーを「もう一丁」 『Satin Doll』

先日、Bobbi Humphreyの『Blacks And Blues』をご紹介した(1月13日のブログ・左をクリック)。ブルーノートLAの「ソウル・ジャズ」の人気盤である。当時、人気を博していた、「ロックとジャズ」や「クラシックとジャズ」の融合音楽「クロースオーバー」とはちょっと違う。後の洗練された、ソフト&メロウな「フュージョン」とも違う。

男女のR&Bもどきのコーラスが、仰々しいストリングス・アレンジが、大々的なアナログシンセの使用が、ちょっと「イモっぽい」。この「垢抜けない」ところが、実は「ソウル・ジャズ」の美味しいところ。垢抜けないんだけれど、ファンキーでシンプルなビートが、そして、何より、テクニックのある、「人」による演奏が良い感じ。

というところで、Bobbi Humphreyのアルバムを「もう一丁」ご紹介したい。1974年6月録音の (写真左)。赤ん坊のジャケットが印象的ではあるが、何故「ソウル・ジャズ」のアルバムのジャケ写真が赤ん坊の顔のアップなのかは理解しかねる(笑・この赤ん坊って誰?)。

『Blacks And Blues』では「垢抜けない」度合いが結構高かったが、1年後の『Satin Doll』は、その「垢抜けない」度合いが結構減って、洗練度が上がって、フュージョンに匹敵する爽快感、心地良さがあるが、男女のR&Bもどきのコーラス、大々的なアナログシンセの使用は相変わらずで、そこがやっぱり「垢抜けない」ところで、やっぱり、このアルバムも、ブルーノートLAの「ソウル・ジャズ」の代表盤である。

でも、そのやや「垢抜けない」ところが良いスパイスになっていて、決して飽きないところが凄い。そして、洗練度が向上し、フュージョンに匹敵する爽快感をバックに、Bobbi Humphreyのフルートが実に心地良い。ハイ・テクニックという訳では無いんだが、ぶれの無い、真っ直ぐで素直なフルートの響きが、Bobbi Humphreyのフルートの特徴。とにかく聴き易く、とにかく心地良い。
 

Bobbi_satin_doll

 
どの曲でも、そのBobbi Humphreyのフルートが楽しめるが、2曲目のジャズ・スタンダードの「Satin Doll」や4曲目の「Ladies Day」、7曲目の「Rain Again」などでは、Bobbi Humphreyのテクニック溢れる、熱気を感じる、ソウルフルで爽快なフルートが聴ける。

ラストのスティービー・ワンダーの名曲カバー「You're The Sunshine Of My Life」はご愛嬌。ソウルフルなフルートでテーマを奏でて、いざインプロビゼーションへとなだれ込み、なかなか好フレーズを吹き上げた途端に、唐突にテーマに戻って「終わり」。なんだか良く判らないカバーで不発に終わっている。惜しいなあ。

ブルーノートLAの「ソウル・ジャズ」の人気アーティストBobbi Humphreyのアルバムは、先の『Blacks And Blues』と、この『Satin Doll』で十分かと。同時代の他のアルバムは、この2枚と殆ど同じ内容なので、追加で手に入れても、ほとんど新しい発見は無いです。逆に言うと、この『Blacks And Blues』と『Satin Doll』の2枚のアルバムの出来がかなり良い、ということになります。

80年代以降も、幾枚かアルバムをリリースしてはいるが、内容としては「ソウル・ジャズ」の面影は全く無く、打ち込みがベースの「エレクトリック・ファンク・ボーカル」然としたもので、ジャズとしては聴くべきものは無い。Bobbi Humphreyのフルートは、この70年代の「ソウル・ジャズ」時代の演奏が一番です。
 
 
 
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2010年1月13日 (水曜日)

ソウル・ジャズは精神の活力剤 『Blacks And Blues』

ファンキー・ジャズより「ポップなアレンジ」を施したジャズのジャンルに「ソウル・ジャズ」というのがある。ちょうど1960年代の終わりから、70年代前半にかけて。「ソウル・ジャズ」も、ファンキー・ジャズの一種なので、僕にとっては、やはり精神的に元気が無い時、萎えた精神を揺り動かしたい時に聴く「カンフル剤的」なジャズである。

でも、昔々、僕がジャズを聴き始めた時は、この「ソウル・ジャズ」というジャンルのジャズは、ファンキー・ジャズ以上に、「俗っぽく猥雑で下品」なジャズとして、日本では人気が無かった、というか、なんとなく蔑まれていた感が強い。しかしながら、クラブ・ジャズの台頭で、この「踊れるジャズ」の典型的なケースのひとつとしての「ソウル・ジャズ」は、日本で、やっと正統な評価をされるようになってきたと思う。

このBobbi Humphreyの『Blacks And Blues』(写真左)を聴くと、「ソウル・ジャズ」が意外と良くできているのが判る。1973年7月の録音。ざっとパーソネルを見渡してみる。Bobbi Humphrey (fl, vo) Jerry Peters (p, el-p) Fonce Mizell (clav, tp, vo) Fred Perren (syn, vo) David T. Walker (g) Chuck Rainey (el-b) Harvey Mason (ds) Stephanie Spruill (per) Chuck Davis (vo) Larry Mizell (vo, arr, cond)。

David T. Walker (g) Chuck Rainey (el-b) Harvey Mason (ds) という、要のリズムセクションに、名だたる名手が名を連ねている。ジャズの基本はビートであり、リズムである。リズムセクションが演奏の全てをコントロールすると言っても過言ではない。彼らの担当する「Harlem River Drive」「Just A Love Child」「Blacks And Blue」は絶品のフュージョン・ジャズ。1973年の当時、最高のフュージョン・ジャズである。後のフュージョンの良いエッセンスが全て、完璧に詰まっている。
 

Hamphrey_blacks_and_blues

 
逆に「Chicago, Damn」「Jasper Country Man」「Baby's Gone」は、ギターとベースが、John Rowin (g) Ron Brown (el-b) に代わる。惜しいかな、「ソウル・ジャズ」の「俗っぽく猥雑で下品」な雰囲気が見え隠れする。やはり、フュージョンの成否はリズムセクションが全てだと改めて感じる。でも、アナログ・シンセサイザーの太い伸びた短音は実に良い響き。今の時代から振り返れば芸術的ですらある。

このBobbi Humphreyの『Blacks And Blues』は、レア・グルーヴの定番ともなっている、彼女のリーダー作としては3枚目のアルバム。ソフトでブルージーなフルートと子供のような可愛らしい声が魅力のBobbi Humphrey。特に、彼女のフルートは、テクニックで攻めるのでは無い、フルート独特のソフトで繊細な音色で攻める「雰囲気の」フルート。良い感じである。

このBobbi Humphreyの『Blacks And Blues』は、ソウル・ジャズとしての聴きどころ満載のアルバムである。ジャズの主流から外れているかもしれないが、この演奏内容は、音楽として聴き手を楽しませてくれる要素が満載である。これも「音楽」、これも「ジャズ」、楽しく聴けるジャズも、これまた大切な存在であることを、このアルバムは教えてくれる。

この頃の「ソウル・ジャズ」は、リズムセクションが全て、人間の手で創り出されていることが、最大の価値である。コンピューターの打ち込みではない、人間の手で叩き出されるビート。これが、当時の「ソウル・ジャズ」に暖かさと良い意味での「いい加減さ」を聴き手に感じさせて、それが故に、聴き手は大いにポジティブに演奏に心から「のる」ことができるのだ。

今日も寒い一日。でも、昨晩からの雨も朝には上がって、適度な湿気が心地良い、我が千葉県北西部地方の朝。鉛色の雲が割れて青空が覗き、その青空が少しずつ広がって、黄金色の陽が差し込んでくる。一筋の太陽の光が差し込んでくると、鉛色の雲のお陰で塞ぎ込んだ心がポジティブになる。太陽の光の有り難さ、太陽の光の不思議な力である。
 
 
 
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