2024年4月15日 (月曜日)

Brufordの『Feels Good to Me』

ジャズを本格的に聴き出す前は「ロック小僧」だった。高校に入って、いきなりプログレッシブ・ロック(略して「プログレ」)に嵌った。EL&Pから始まって、イエス、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、フォーカス、ジェネシス、ムーディー・ブルース等々、クラブの先輩達とガッツリ聴きまくった。

このプログレ好き、バカテク+インスト中心の楽曲好きが昂じて、即興演奏がメインのインストの「ジャズ」に興味が移行した訳で、今でも自分では、プログレについては造詣が深いと思っている。

Bill Bruford 『Feels Good to Me』(写真左)。1977年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Bruford (ds, perc), Allan Holdsworth (el-g), Dave Stewart (key), Jeff Berlin (b)。ゲストに、Kenny Wheeler (flh, on tracks 3, 7, 9), Annette Peacock(vo), John Goodsall (rhythm-g)。英国の人気プログレ・バンドのイエス、キング・クリムゾンのドラマーを歴任したビル・ブルーフォードの初ソロ・アルバムである。

プログレのドラマーがジャズをやるの、と訝しく思われる方もいるかと思うが、もともと英国の音楽シーンでは、ロックとジャズの境界が曖昧。ロック畑のミュージシャンがジャズをやったり、ジャズ畑のミュージシャンがロックをやったりして、特にプログレとクロスオーバー・ジャズ、ジャズ・ロックの境界線は他の国と比べて圧倒的に曖昧である。

このブルーフォードの『Feels Good to Me』も、聴けば判るが、プログレ・フレーヴァー満載の「クロスオーバー・ジャズ&ジャズ・ロック」である。決して、プログレでは無い。演奏の根っこは、あくまで「クロスオーバー・ジャズ&ジャズ・ロック」である。

ブルーフォードのドラミングに個性は、驚異の「変則拍子」ドラミング。プログレ・バンドのイエス、キング・クリムゾンの時代から、綿々と叩きまくっているブルーフォード独特の「変則拍子」。
 

Bill-brufordfeels-good-to-me

 
この「変則拍子」は他のジャズ・ドラマーには無い。基本的に2拍目4拍目の「裏」にスネアのアクセントがストンストンと入って、ブルーフォード独特のグルーヴ感を生み出す。これが意外と快感で病みつきになる。

冒頭の「Beelzebub」の変則拍子を聴くと「来た来た〜」と思わず嬉しくなる。全編に渡って、このブルーフォードの変則拍子ドラミングが独特のグルーヴ感を醸し出して、他のジャズ・ロックやクロスオーバー・ジャズに無い音世界を形成している。

そして、このブルーフォードの変則拍子ドラミングにバッチリ乗ってエレギを弾きまくるのが、ジャンルを跨いだ英国の奇才ギタリスト、アラン・ホールズワースである。このホールズワースのエレギが大活躍。このホールズワースの変態捻れギターが、この盤の音世界の「クロスオーバー・ジャズ&ジャズ・ロック」志向にしている。

ゲスト・ミュージシャンを見渡せば、ECMのニュー・ジャズ系トランペッターのケニー・ホイーラーがジャジーなトランペットを聴かせる反面、女性ボーカリストのアーネット・ピーコックが、いかにもプログレっぽい、怪しい雰囲気のイコライジングがかかったボーカルを聴かせてくれる。

アルバム全体の音志向は「クロスオーバー・ジャズ&ジャズ・ロック」だが、どこか英国カンタベリー・ミュージック風の音作りも見え隠れして、もしかしたらプログレ、なんて思ったりする瞬間があるから、この盤、聴いていてとても面白い。

演奏陣のテクニックも申し分なく、英国独特のロックとジャズの境界線が曖昧な、かなりハイレベルのクロスオーバー&ジャズ・ロックを確認することが出来る。そんな中で、ブルーフォードの驚異の「変則拍子」ドラミングだけが突出して目立っていて、この盤を凡百のクロスオーバー&ジャズ・ロック志向に留めていないところが素晴らしい。

演奏内容と共演メンバーを活かすも殺すもドラマー次第、というが、この盤でのブルーフォードのドラミングはその典型的な例の一つだろう。
 
 
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2016年10月 1日 (土曜日)

こんなアルバムあったんや・67

ジャズという音楽ジャンルは、とにかく裾野が広い。こんなミュージシャンが、こんなミュージシャンと共演しているんや、とパーソネルを見てびっくりすることがよくある。どう考えても「ロック畑」オンリーなミュージシャンがジャズをやったりする。しかも、それが「聴き応え十分」だから始末が悪い。誰が演奏しているのだか、さっぱり判らなくなる。

Bill Bruford, Eddie Gomez & Ralph Towner『If Summer Had It's Ghosts』(写真左)。最近出会った「さっぱり判らない」ミュージシャンの組合せ盤がこれ。1997年2月の録音。3人のミュージシャンの共同リーダー作。

ドラムのBill Bruford(ビル・ブルーフォード・写真右)は、英国のプログレ・バンド「イエス」そして「キング・クリムゾン」のドラマーであり、アースワークスを率いて、エレクトリックなコンテンポラリー・ジャズもこなすレジェンド。

ベースのEddie Gomezは、長年ビル・エバンス・トリオの常任ベーシストとして活躍。ドラムのスティーブ・ガッドと組んで、フュージョン・ジャズでも活躍。特に純ジャズ系の演奏では結構なセッションの数をこなしてきたレジェンドである。

ギターのRalph Townerは、ECMレーベルを中心に活躍してきた「ニュー・ジャズ」な響きを湛えたアコギが個性。多作では無く、他のセッションへの参加も少ないが、この個性的なアコギは、ジャズ・ギターにおけるスタイリストの一人として認知されている。

冒頭のタイトル曲「If Summer Had Its Ghosts」を聴けば、実に良く出来たコンテンポラリーな純ジャズな演奏にウットリする。素晴らしいなあ。特に、ブルーフォードのドラミングが効いている。他のジャズ・ドラマーに無い、乾いた小気味良いポリリズム、ファンクネス皆無の切れ味の良いオフビート。ブルーフォードのドラミングの面目躍如。
 

If_summer_had_its_ghosts1

 
そんなブルーフォードのドラミングに、エディ・ゴメスの独特の骨太で硬質なベースがしっかりとアクセントを付ける。リズム&ビートに彩りを添える、唄う様なエディ・ゴメスのベース。唯一無二の個性的なリズム・セクション。

そこに、硬質でクリスタルな響きを湛えて、ラルフ・タウナーのアコギが旋律を奏でる。タウナーはストローク・プレイに独特の響き(特に12弦)があって直ぐに彼のプレイと判る。決して黒っぽく無い、明らかに欧州ジャズ的なクラシックな響きが心地良い。ブルーフォード+ゴメスのリズム・セクションの音の「質」にぴったり合ったタウナーのアコギ。

で、このアルバムを聴き進めていて、どうにもこのアルバムで出てくるピアノが誰のピアノなのかが判らない。聴いていて、かなり素性の良い、テクニックも申し分無いジャズ・ピアノである。しっかりとタッチに個性があり、アドリブ・フレーズは流麗で端正。明らかに欧州ジャズ系のピアノの音なんだが誰だか判らない。

そして、遂にパーソネルをカンニングすると、なんと「ラルフ・タウナー」のピアノではないか。そう言えば、タウナーってピアノも弾くって聞いたことがある。しかし、こんなに上質で端正な正統派なジャズ・ピアノを弾きこなすとは思わなかった。実は僕はタウナーのピアノを、このアルバムで初めて聴いた。感心した。

ジャケットを見ると、これECMレーベルのアルバムか、って思うんだが、実は英国の「Summerfold」からのリリース。しかし、このジャケットのイメージって、ECMレーベルのパクリのような雰囲気やなあ。まあ、アルバムの中身の音もECM風なので良しとしますか(笑)。
 
 
 
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2015年9月11日 (金曜日)

目から鱗な英国フュージョン

国によってジャズの捉え方は違う。特に、大きく分けて、米国、欧州、日本の3極に分かれるのと、欧州については、2大勢力として、英国、仏蘭西とそれぞれ独特のジャズの文化があり、その他、それぞれの国で「ならでは」のジャズが根付いている。

さて、その欧州の中で、英国はロックとジャズの境界線が曖昧である、というのが僕の持論だが、このアルバムを聴いて、その意を強くした。Bill Bruford's Earthworks『Earthworks』(写真左)。

1987年の作品。英国のプログレ・ドラムの雄、リズム&ビートを熟知するビル・ブルッフォードが主宰するフュージョン・バンド、アース・ワークス名義のアルバムである。ちなみにパーソネルは、Bill Bruford (ds), Django Bates (key, tp), Iain Ballamy (sax), Mick Hutton (b)。英国ジャズ界が生んだ類い希な才能ジャンゴ・ベイツの名が目を惹く。

とにかく、ハイテクニックでコンテンポラリーで先進的な純ジャズの演奏が詰まっている。演奏の雰囲気としては、どこから聴いても、これって「Weather Report(以降WRと略)」ではないのか、と思ってしまうくらいの「WRの音世界」、どのあたりだろう、『Night Passage』から『Procession』のWRの音を踏襲したコンテンポラリーなフュージョン・ジャズが展開されている。
 

Earthworks

 
そして、ほとんどフリー・ジャズな、硬派で尖った、切れ味鋭い前衛的なジャズもやっている。そして、この前衛的なジャズが欧州ジャズ独特の響きを宿していて、意外や意外、かなりの「聴きもの」となっていて、ちょっとした驚きである。

まあ、全体の雰囲気は「Weather Report」でしょうか。エレクトリックな楽器を駆使して、ポップで判り易いフレーズを展開しつつも、ハイテクニックで緻密なインプロビゼーションを繰り広げる、そして、リズムチェンジがかなり頻繁に行いつつ、相当に高度で個性的なリズム&ビートを叩き上げる、そんなアース・ワークスの音世界です。

ビル・ブルッフォードは、King Crimson のドラマーとしても有名なんですが、King Crimsonのアルバムと比較すると、この『Earthworks』の音世界は、King Crimsonの『Beat』に近いでしょうか。とにかく、ブルッフォードのポリリズミックなドラミングが驚異的です。変則拍子、リズムチェンジは当たり前、って感じの凄まじいリズム&ビート。

素晴らしいコンテンポラリーなフュージョン・ジャズです。米国ジャズの世界でも、このアース・ワークスの音世界に匹敵するのは、Weather Reportか、チック率いる Return to Forever くらいでしょう。それほどまでに素晴らしいアース・ワークスの音世界です。ジャズ者中級以上の方々にお勧め。目から鱗な英国フュージョンです。
 
 
 
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2013年3月16日 (土曜日)

境界線が曖昧な故の「成果」

ジャズと他のジャンルの音楽、ロックやワールドミュージックの音楽との融合で出来た、ジャズのスタイルの一つである「フュージョン・ジャズ」。米国や日本では、ロックはロック、ジャズはジャズで、それぞれ、しっかりと音楽ジャンルの垣根をハッキリさせて、発展したが、欧州ではその事情がちょっと異なる。

例えば、英国では、この「フュージョンのジャンル」は、米国のような、ジャズのジャンルでの発展形ではなく、ロックのジャンルの一つである「プログレッシブ・ロック」との「共有(シェア)」で発展した。つまり、ジャズのミュージシャンが突如としてプログレに走ったり、プログレのミュージシャンが、突如としてクロスオーバー・ジャズやフュージョン・ジャズをやったりするのだ。

ジャズのミュージシャンが突如としてプログレに走った例としては、Affinityというバンドがそう。ボーカルのリンダ・ホイルが不在の時はオルガン・ジャズに勤しみ、リンダ・ホイルがカムバックした途端、プログレに走った。逆に、プログレのミュージシャンが、突如としてクロスオーバー・ジャズやフュージョン・ジャズをやったりする例としては、キング・クリムゾンのドラマー、ビル・ブラッフォード(ソロでの活動)や、ジェネシスのドラマー、フィル・コリンズ(ブランドXへの参加)が挙げられる。

今日は、ビル・ブラッフォードのライブ盤を採り上げる。改めて、そのアルバムは、Bill Bruford『The Brufford Tapes』(写真左)。979年7月12日、カナダのFM曲の公開録音の模様を収録したもので、ブート音源のオフィシャル化。「Bruford」名義のアルバムとしては唯一のライブ音源になります。ちなみにパーソネルは、Bill Bruford (ds), Dave Stewart (key), Jeff Berlin (b), John Clark (g)。ドラムでリーダーのブラッフォード以外、英国のプログレ/フュージョン・シーンのミュージシャンなので、名前を見ても全く判らない。

ビル・ブラッフォードについては、5年ほど前、2008年3月29日のブログ(左をクリック)にて、このブログで1回だけ採り上げている。ブラッフォードは英国出身のドラマーで、1970年代、一世を風靡したプログレッシブ・ロックの人気バンド、イエス、キング・クリムゾンに在籍した。日本では、プログレッシブ・ロック界を代表するドラマーの一人として通っている。
 

The_bruford_tapes

 
しかし、ブラッフォードは、1974年、いきなりロバート・フィリップがキング・クリムゾン解散してしまった後、カンタベリー・ジャズロックの諸バンドや、プログレ・バンドのジェネシスのツアーメンバー等のセッション活動を経て、1978年にU.K.の結成に参加したが、アルバム1枚でU.K.を脱退、翌1979年に自身のバンドである「ブラッフォード」を結成した。

この自身のバンドである「ブラッフォード」が、ジャズのスタイルで言う「フュージョン・ジャズ」の音なのである。どう聴いても、プログレッシブ・ロックでは無い。出だしの「Hell's Bells」での、前奏のDave Stewartのシンセサイザーのリフと音を聴くと、キャッチャーでメロディアスなリフやフレーズが随所に散りばめられていて、ちょっとプログレ寄りの音作りなんですが、インプロビゼーションの展開に入ると、これは、リズム&ビートも含めて、もうフュージョン・ジャズ。

このライブ盤、もともとの音源がブート音源なので、音がちょっと荒いんですが、これはこれでライブ感が増幅されて、あまり気にはなりません。楽器の音の分離は良く、ブラッフォードの変拍子ドラミングが良く聴き取れて、なかなかのものです。他の楽器も良く聴き取れて、インプロビゼーションでの、それぞれの楽器担当のハイテクニックな様が良く判ります。

収録されたどの曲も、適度にテンションは高く、充実した内容です。リズム&ビートと演奏の展開から、その内容は、フュージョン・ジャズ、若しくは、ジャズロックと位置づけて良いかと思います。ほんと、英国のプログレ/フュージョン・シーンって、面白いですね。他にもいろいろあるんですが、それはまた後日、ご紹介していきたいと思います。

所変われば品変わる。国が変わればジャズも変わる。特に、英国や和蘭のプログレ/フュージョン・シーンって面白い。フュージョン・ジャズやジャズロックは、米国のような、ジャズのジャンルでの発展形ではなく、ロックのジャンルの一つである「プログレッシブ・ロック」との「共有(シェア)」で発展しているのだ。所謂、ロックのジャズの境界線が曖昧。そんな「曖昧」な故の音楽的成果が多々残されている。英国や和蘭のプログレ/フュージョン・シーンをもっと掘り下げてみたいと思っている。
 
 
 
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2008年3月29日 (土曜日)

ロックとフュージョンの距離

今日は晴れるには晴れているが、気温の上がり方が鈍い。花見にはちょっと冷たい風が吹いている。明日は天気は良くないみたいで、どうも花見日和に恵まれない、今年の「桜の季節」である。

これだけ、気温の上がり下がりが激しいと、どうも体調が思わしくない。今週は仕事もハードだったので、ちょっと疲れた。もう少し、気温が上がってくれると楽なんだけどなあ。

さて、ジャズと、他のジャンルの音楽、ロックやワールドミュージックの音楽との融合で出来た、ジャズのジャンルの一つである「フュージョン」。英国では、この「フュージョンのジャンル」は、米国のような、ジャズのジャンルでの発展形ではなく、ロックのジャンルの一つである「プログレッシブ・ロック」との「共有(シェア)」で発展した。

その代表例が「ビル・ブラッフォード」。彼は、イギリス出身のドラマーで、1970年代、一世を風靡したプログレッシブ・ロックの人気バンド、イエス、キング・クリムゾンに在籍した。つまりは、プログレッシブ・ロック界を代表するドラマーの一人である。

ブラッフォードは、1974年、いきなりロバート・フィリップがキング・クリムゾン解散してしまった後、カンタベリー・ジャズロックの諸バンドや、プログレ・バンドのジェネシスのツアーメンバー等のセッション活動を経て、1978年にU.K.の結成に参加したが、アルバム1枚でU.K.を脱退、翌1979年に自身のバンドであるブラッフォードを結成した。

この「ブラフォード」というバンドでのファースト・アルバムが『Feels Good to Me』(写真左)。メンバーは、Bill Bruford (ds,per)、Dave Stewart (key)、Alan Holdsworth (g)、Annette Peacock (vo)、Jeff Berlin (b)、Kennt Wheeler(flh)。メンバーを見渡すと、ジャズロック畑、ジャズ畑からメンバーが集まっている。プログレ+ジャズ=英国フュージョンという図式が垣間見えるところが面白い。
 

Bruford

 
この『Feels Good to Me』は全体的な印象は、硬質でクールなテクニカル・フュージョンという感じです。Annette Peacockのボーカルがところどころ良いタイミングで出てきて、良いアクセントとなっています。ちょっと不気味な感じのボーカルですが、それがまた英国っぽくて良い感じです。

硬質でクールな雰囲気が全面に出ている分、キャッチャーなメロディーやリフが不足しているかな〜、と思いますが、フュージョンのアルバムとしては、良い出来だと思います。

セカンド・アルバムは『One of a Kind』(写真右)。メンバーは、女性ボーカルのAnnette Peacockが外れたが他は同じ。前作がちょっと硬質でクールな雰囲気が前へ出すぎた感があった部分を実に上手く修正している。

出だしの1曲目「Hell's Bells」での、前奏のDave Stewartのシンセサイザーのリフと音を聴くと前作との音の作りの相違点が判ります。キャッチャーでメロディアスなリフやフレーズが随所に散りばめられていて、ちょっとプログレ寄りの音作りが心地よい。

これって、プログレ+ジャズ=英国フュージョンの成功例のひとつだろう。この音は米国では創れない。英国ならではの「くすんだ感じ」と「少し陰鬱な薄暗い感じ」と「湿度を感じるウェットな感じ」を十分に感じ取ることができ、英国プログレ・ファンにもお勧めです。

英国における「ロックとフュージョンの距離」は近い。意外と、インスト・ロックとフュージョンとの差は無い。つまりは、英国では、この「フュージョンのジャンル」は、米国のような、ジャズのジャンルでの発展形ではなく、ロックのジャンルの一つである「プログレッシブ・ロック」との「共有(シェア)」で発展したと言えるのではないでしょうか。
 
 
 
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