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2024年1月10日 (水曜日)

トミフラ『The Cats』のトレーン

コルトレーンに関する記事の改訂を行なっている。とにかく、当ブログでのコルトレーンの記事は古いものがほとんど。10年以上前のものが大多数で、内容的にも整理されていないものもあり、もう一度、見直さないとなあ、ということで、今回の改訂作業である。

コルトレーンはリーダー作で演奏する場合は、基本的には「我が道を行く」タイプで、サイドマンの音を聴きながら、自分の音を調節したりは滅多にしないタイプ。とにかく、自らの思いのままに「吹きまくる」。

しかし、他のジャズマンのリーダー作にサイドマンとして入る時は、特にリーダーが先輩の場合、「我が道を行く」スタイルを引っ込めで、グループ・サウンドの中で、しっかりと落ち着いて吹き上げることが多い。つまり、コルトレーンの良き個性だけのブロウを捉えるには、意外とサイドマンでの参加のアルバムが良いのでは、と思っている。

Tommy Flanagan『The Cats』(写真左)。1957年4月18日の録音。ちなみにパーソネルは、ちなみにパーソネルは、Idrees Sulieman (tp), John Coltrane (ts), Kenny Burrell (g), Tommy Flanagan (p), Doug Watkins (b), Louis Hayes (ds)。トランペットとテナーの2管+ギターがフロントのセクステット構成。記録では「The Prestige All Stars」と表記されている。

「The Prestige All Stars」=「プレスティッジ・レーベルお得意のジャム・セッション構成」。セクステットとはいえ、その日の急造セクステット。プレスティッジだから、ギャラをケチって、お得意のほとんどリハーサル無しの本番演奏だっただろう。それにしては、この盤の演奏はよくまとまっている。
 

Tommy-flanaganthe-cats

 
その一番の理由は、リーダーのフラナガンのピアノ、ワトキンスのベース、ヘイズのドラムの「ピアノ・トリオ」の演奏が充実しているからだろう。リーダーのフラナガンのピアノは申し分無い。じっくりと渋い、小粋で落ち着いたアドリブを聴かせてくれる。ダグ・ワトキンスもベースも良し、ルイ・ヘイズのドラミングも堅調。

さて、コルトレーンといえば、なかなかのブロウを聴かせてくれる。冒頭の「Minor Mishap」はコルトレーン抜きのクインテットでの演奏。2曲目「How Long Has This Been Going On?」から、コルトレーン登場。明確な「コルトレーン」節でソロを吹く。この時点で、コルトレーンの個性は固まっていたと見て良い、コルトレーンらしい吹奏。

3曲目「Eclypso」では、コルトレーンの高速吹き回しを聴くことが出来る。シーツ・オブ・サウンド一歩手前と言ったところか。続く「Solacium」では、哀愁を漂わせた力感溢れるソロで参加。これもコルトレーンらしい吹奏。そして、ラストの「Tommy's Time」では、流麗なソロを聴かせる。ハードバップ時代のコルトレーンの「良き個性」がこの盤に散りばめられている。

ちなみに、ケニー・バレルのギターがなかなか洒落ている。アドリブ・フレーズは短めだが、イマージネーション溢れるプレイを展開している。逆に、トランペットのシュリーマンだけが「置いてきぼり」。音だけはトランペットらしく鳴るが、テクニック中庸、アドリブは凡庸。シュリーマンだけは「我慢」である。

この盤は、ピアノ+ベース+ピアノのリズム隊の妙技を楽しむのが正解のアルバム。しかし、その中で、コルトレーンとバレルは、上質なパフォーマンスを聴かせてくれる。ハードバップの佳作として、一息つきたくなる時に聴きたくなるジャズ盤の一枚です。
 
 

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2024年1月 6日 (土曜日)

「バレル & コルトレーン」再聴

コルトレーンの共演盤はフリー&スピリチュアル志向のものは「それなり」に評価されているが、ハードバップ時代の共演盤については評価が芳しくない傾向にある。特に、20世紀の我が国の評論にその傾向が強い。どうも、コルトレーンには「共演」が許されていない感じなのだ(笑)。

『Kenny Burrell & John Coltrane』(写真左)。1958年3月7日の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell (g), John Coltrane (ts), Tommy Flanagan (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。ケニー・バレルのギターとジョン・コルトレーンのテナーが2管フロントのクインテット編成。

そもそも、ギターとテナー。音の線の細いギターと音が太くて力感のあるテナー。そもそも、フロントとして相立ち、相入れることが出来るのか。漆黒ブルージーでアーバンなバレルのギターと、豪快でエモーショナルで光速切れ味の良いコルトレーンのテナー。ムードで聴かせるバレルとテクニックで聴かせるコルトレーン。聴く前は、合わないよなあ、と感じる。

冒頭の1曲目「Freight Trane」では、いつもより音量を上げたバレルのギターを全く気にせず、我が道を往くテナーのコルトレーン。この曲ではまだ「良好な一体感」は無い。しかし、これは「我が道を往来たがる」コルトレーンの性格によるものではないか。

2曲目の「I Never Knew」、3曲目の「Lyresto」と聴き進めていくと、コルトレーンがバレルに歩み寄るのが判る。コルトレーンが、シーツ・オブ・サウンド風に光速に吹きまくるのでは無く、、歌心溢れるブルージーなテナーとなって、ブルージーなバレルの漆黒ギターに合わせ始める。いい感じの共演フロントになってくる。
 

Kenny-burrell-john-coltrane

 
そして、4曲目の優しいバラード曲「Why Was I Born?」。この演奏、コルトレーンとバレルのデュオなのだが「絶品」。いつもより音量を上げて音が太くなった、漆黒ブルージーでアーバンなバレルのギターの伴奏に乗って、コルトレーンが歌心溢れる優しいテナーを奏でる。

すると、代わって、漆黒ブルージーでアーバンなバレルのギターが、いつになく「しっとり」と語りかける。「絶品」。この演奏を聴くだけの為に、このアルバムを手に入れても良い位の名演である。

以前、ジャズ盤紹介本で、この盤ってミスマッチの極致の様に書かれていた記憶があるが、本当に自分の耳でしっかり聴いた上での評論だったのだろうか。頭で考えるとバレルとコルトレーンはミスマッチの様に感じるが、聴いてみると実は相性は良い。

バレルとコルトレーン、どちらも優れた一流ジャズマン。フロントに相立ったら、相手の音をしっかり聴きながら、良好なマッチングに持ち込もうとするのがプロと言うものだ。このバレルとコルトレーンの共演盤は正式にリリースされている。アマチュアの我々が聴いて「ミスマッチの極致」などとは決して思わない。

このバレルとコルトレーンの共演盤。バレルとコルトレーンの相性は良いです。迷うことなく聴くことをお勧めします。こういう、フロントのパートナーに寄り添うコルトレーンも聴き応え十分です。
 
 

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2024年1月 3日 (水曜日)

ガーランド5 の 『Soul Junction』

1950年代「ハードバップ・マイルス」の良き相棒、レッド・ガーランド。ガーランドのピアノはシンプルでバップでブルージー。バックに回れば伴奏上手。フロント管を引き立て鼓舞する、合いの手を打つような、シンプルなピアノ。そんなガーランド。意外とハードバップ時代のコルトレーンのバッキングにも、上質の「伴奏上手の妙」を発揮する。

Red Garland『Soul Junction』(写真左)。1957年11月15日の録音。ちなみにパーソネルは、Red Garland (p), John Coltrane (ts), Donald Byrd (tp), George Joyner (b), Art Taylor (ds)。ピアノのガーランドがリーダー。コルトレーンのテナーとドナルド・バードのトランペットがフロント2管のクインテット編成。

コルトレーンとガーランドの共演はたくさんある。録音年1957年としては、例えば、『John Coltrane with the Red Garland Trio』=『Traneing In』がある。ただ、この盤はパーソネルが雑然としていて、あまり「パーソネルは関係無し」な盤で、初期の「シーツ・オブ・サウンド」だけを体感できる、少し偏った盤であった。

だが、この『Soul Junction』は違う。ガーランドがリーダーの盤なので、コルトレーンはあくまでサイドマンとして振る舞っている。しかも、フロントの相手が大先輩のドナルド・バード。『Traneing In』はコルトレーンはバックをおいて吹きまくるのだが、この盤では違う。しっかり、グループ・サウンドの中で、周りの音を聴きながら、サックスを吹き回す。ところどころ、「シーツ・オブ・サウンド」を控えめに吹きまくるのはご愛嬌。
 

Red-garlandsoul-junction

 
冒頭のタイトル・ナンバー「Soul Junction」は絶品のスロー・ブルース。冒頭、絶妙なガーランドのピアノ。コルトレーンとバードのソロは中盤。リラックスした雰囲気で悠々と流れていく、絶品のスロー・ブルース。続く有名スターダードの「Woody’N You」は小粋で絶品のハードバップ。コルトレーンとバードのフロントのパフォーマンスも申し分ない。

しかし、このコルトレーンの「我慢」がガーランドにも伝わったのか、ラストの「Hallelujah」は熱いバップ・パフォーマンス。この曲だけは、コルトレーンは存分に「シーツ・オブ・サウンド」を吹き回す。

演奏の形式がモードではないので、ガーランドもバードもコルトレーンに付き合って、「シーツ・オブ・サウンド」のパフォーマンスを披露する。ドラムのテイラーもバッシバッシとバップなドラミングで応戦する。微笑ましいバンド・パフォーマンスである。

さすが、人気のガーランドのリーダー作。パーソネルの人選も良く、ガーランドのピアノが一番に映える内容になっている。コルトレーンはさすがに、ガーランドを差し置いて好き勝手に吹くことはしない。この辺のバランスがとても良い、ガーランドがリーダーのクインテット盤。コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」も五月蝿くなく聴けます。
 
 

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2024年1月 2日 (火曜日)

コルトレーン『Traneing In』再び

明けましておめでとうございます。今年最初のブログ記事は、コルトレーン記事のリニューアルからスタート。コルトレーン関連の記事については、2010年代前半に書かれた記事が多く、今を去ること10年以上になる。10年以上にもなると、自分のジャズの「聴き耳」も進歩しているので、昔、聴けなかった音が聴けたり、昔、気が付かなかったフレーズや展開、アレンジに気がついたりする。

John Coltrane『Traneing In』(写真左)。1957年5月31日の録音。プレスティッジ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Johnnie Splawn (tp), Sahib Shihab (bs), Red Garland (p on 1-3), Mal Waldron (p on 4-6), Paul Chambers (b), Albert "Tootie" Heath (ds)。基本はフロント3管(テナー、トランペット、バリサク)に、ピアノ・トリオのリズム・セクションがバックに控える。

この盤、プレスティッジのコルトレーンのリーダー作の中で、唯3枚しかない、在籍録音時に直ぐにリリースされたリーダー作の中の一枚。しかも、この盤、当初は『John Coltrane with the Red Garland Trio』(写真右)のタイトルで1958年にリリースされている。

が、コルトレーンがプレスティッジを去って、アトランティックに移籍して人気を獲得した1961年に、この『Traneing In』のタイトルに変えて、再リリースされている。内容は全く同じ。タイトルとジャケが違うだけ。プレスティッジって、ほんとエゲつないことするなあ。
 
この盤、バックにガーランド or ウォルドロンのトリオが控えた、コルトレーンとトランペットのジョニー・スプローンがフロント2管のクインテット編成。プレスティッジのコルトレーンのリーダー作って、大体がそうなんだが、パーソネルが雑然としている。プレスティッジって、コルトレーンを低く見ていたのか、パーソネルが雑然としている盤が多い。この盤も例に漏れず、である。
 

Johncoltranetraneing_in   

 
しかし、この盤はあまり「パーソネルは関係無し」な盤。この盤は、コルトレーンがフリー〜アバンギャルドに傾いていない頃の演奏で、ハード・バップを基調にした、実に素直な「シーツ・オブ・サウンド」のフレーズを体験することができる。つまり、コルトレーンの初期の「シーツ・オブ・サウンド」を楽しむ、その唯一点に価値がある盤である。

冒頭の「Traneing In」、3曲目の「Bass Blues」、ラストの「Soft Lights and Sweet Music」では、高速の「シーツ・オブ・サウンド」が堪能できる。単に速いだけではない、コードを分解して、いかに高速に、いかに鋭く吹き切るか、を追求する、修道僧のような求道的なコルトレーンを体験できる。

そして、2曲目の「Slow Dance」と4曲目の「You Leave Me Breathless」では、バラードでの「シーツ・オブ・サウンド」が体験できる。コードを分解して、いかに単純に、いかに簡素化して、最短距離でバラードを吹き切るか、を追求する、甘いエモーショナルを排除した、禁欲的なコルトレーンを体験できる。

特にこの盤では「シーツ・オブ・サウンド」へ至る、演奏上のアプローチが体感できる。最初は手探りで入りながら、確信を掴むと一気に吹き切る、ジャズのインプロの「最良のサンプル」のひとつがここにある。全5曲で、トータル38分ちょっと。今のCD前提のアルバムと比べると、ちょっと短い収録時間だが、唯、コルトレーンの初期の「シーツ・オブ・サウンド」を楽しむには問題は無い。

コルトレーンのアルバムの中では、地味な存在で、ジャズ入門本では、滅多に取り上げられることの無いアルバムですが、どうして、コルトレーンの初期の「シーツ・オブ・サウンド」が体感できる、意義のあるアルバムです。マニアだけが知っている「オタク盤」で留めるには勿体ない。もっと、広く聴かれても良いのでは、と僕は思います。
 
 

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2023年12月29日 (金曜日)

『Coltrane(Prestige)』再び

コルトレーンのリーダー作の記事を整理し始めた。コルトレーンのリーダー作の記事については、2010年代前半に書かれた記事が多い。今を去ること10年以上になる。10年以上にもなると、自分のジャズの「聴き耳」も進歩しているので、昔、聴けなかった音が聴けたり、昔、気が付かなかったフレーズや展開、アレンジに気がついたりする。

つまりは、今の自分の「聴き耳」による、今の自分のコルトレーンのリーダー作の評価が以前とは異なるケースもあるので、他ならぬコルトレーンである。もう一度、しっかりコルトレーンのリーダー作を聞き直して、今の自分の「聴き耳」で、今の自分の評価をまとめて、以前の記事を修正しようと思い立った。

John Coltrane『Coltrane(Prestige)』(写真左)。1957年5月31日の録音。この盤は同一日セッションの音源オンリーで、1957年10月にリリースされている。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Johnnie Splawn (tp), Sahib Shihab (bs), Red Garland (p on 1-3), Mal Waldron (p on 4-6), Paul Chambers (b), Albert "Tootie" Heath (ds)。基本はフロント3管(テナー、トランペット、バリサク)に、ピアノ・トリオのリズム・セクションがバックに控える。

コルトレーンの初リーダー作になる。この初リーダー作については、プレスティッジからのリリースだが、プレスティッジお得意の様々なセッションからの寄せ集め、という暴挙はなく、1セッションの録音成果から、コルトレーンの初リーダー作を編集している。よって、曲によって、演奏の雰囲気が違ったり、演奏の編成がガラっと違ったり、コルトレーンの調子が変化したりすることは無いので、安心して聴くことが出来る。

ただし、コルトレーンの初リーダー作にしては、ちょっと狙いがボンヤリとした、とっ散らかったパーソネル。これはプレスティッジ・レーベルお得意の「エイヤっでジャズマン集めて、誰かをリーダーにして、ジャム・セッション分の一発録り」だったようで、プロデューサーのボブ・ウェインストックからすると、コルトレーンの初リーダー作については、ほとんど重要視していなかったようで、これだけが残念である。
 

John-coltranecoltraneprestige

 
よって、このコルトレーンのリーダー作については、バックのミューシャンのパフォーマンス込みで評価するのは、いささか無理がある。バックのミュージシャンの演奏を聴いていていも、コルトレーンの初リーダー作だから、しっかりサポートしないと、と言う雰囲気は感じられない。このコルトレーンの初リーダー作については、コルトレーンのパフォーマンスに絞って評価するのが一番だと思う。

そういう点では、この盤のコルトレーンのパフォーマンスは申し分無い。デビュー当初は「いもテナー」と評されたテクニックも安定し、速いフレーズにも破綻の無い、どっしり落ち着いた安定感がある。アドリブ・フレーズも当時としては新しい、イマージネーション溢れる優れたもので、聴けばすぐにコルトレーンだと判るくらい。

また、この盤でのコルトレーンのパフォーマンスで、特に優れているのは「バラードの表現力」。今では語り尽くされている感があるが、この盤の2曲目「Violets for Your Furs(コートにすみれを)」のバラード表現は絶品である。この時点でのコルトレーンのジャズ・テナーの表現力が非常に高いことを証明している。この時点でのコルトレーンのテナー・サックスのバラード表現の力量は他のテナー・マンと比べて、頭ひとつ飛び抜けている。

コルトレーンのテナー・サックスの個性と特性はこの盤を聴くと良く判る。コルトレーンは、この個性と特性をベースに発展していくことになる。プレスティッジ時代のコルトレーンはまだまだ進化前。真の進化は、アトランティックに移籍後の『Giant Step』以降を待たねばならない。しかし、プレスティッジ時代の各リーダー作では、研鑽を重ね、ハードバップを極めていく、頼もしいコルトレーンを確認することが出来る。
 
 

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2020年12月24日 (木曜日)

Prestige時代の最高傑作『Soultrane』

プレスティッジ・レーベル時代のコルトレーンのリーダー作って、異なるセッションの寄せ集めであったり、他人名義にサイドマンとして参加した音源の再編成であったり、「訳あり」の盤が多いのだが、デビュー作の『Coltrane』とこの盤だけは違う。しっかりとコルトレーンのリーダー作であり、しっかりとコルトレーンのリーダーとしての「意志」が入っている。

John Coltrane『Soultrane』(写真左)。1958年2月7日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。レッド・ガーランドのピアノを核としたリズム・セクションをバックにした、コルトレーンのテナー一本、ワンホーン・カルテット編成である。

1958年の2月に録音して10月にはリリースされているので、プレスティッジ・レーベルとしては珍しい、コルトレーンのリーダー作の出し方である。しかも、1958年2月7日のセッションの演奏で固められ、曲順もしっかり吟味されている様に感じる。当時のコルトレーンのテナー・サックスの才能の全てが記録されていて、プレスティッジ時代のベスト的内容である。
 
 
Soultrane_20201224202301  
 
 
出だし冒頭のTadd Dameron作「Good Bait」が「良い」。コルトレーンの悠然としたテナーが「良い」。ロリンズとは異なる、ストレートでシュッとした大らかさが「良い」。続く「I Want to Talk About You」は、コルトレーンのバラード表現の完成形を聴く様だ。バックを締めるガーランド・トリオが、これまた良い味を出している。右手シングルトーン、左手ブロックコードのシンプルなガーランドのピアノがコルトレーンのテナーに実に合う。

LPのB面に回って「"You Say You Care」のストレートな吹き回し、「Theme for Ernie」のスローな吹き回しも絶妙。そして、ラストの「Russian Lullaby」で、コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」が炸裂する。高速電光石火の「ロシアの子守唄」。高速でありながら、原曲の良きフレーズをしっかり浮き出させている「シーツ・オブ・サウンド」恐るべし、である。

このプレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作は「白眉の出来」。1958年2月7日時点のコルトレーンの最高のパフォーマンスがこの盤にしっかりと記録されている。曲の並びも良いし、シンプルなデザインのジャケットもプレスティッジとしては上の部類。このプレスティッジのコルトレーンは間違い無く「買い」である。
 
 
 

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 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.10.07 更新。

  ・僕達はタツローの源へ遡った

 

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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

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