2024年5月21日 (火曜日)

日野皓正の『City Connection』

月刊誌「レコード・コレクターズ」2024年6月号の特集が「フュージョン・ベスト100 邦楽編」を眺めていて、久しぶりに「日野皓正」の存在に気がついた。

元々は、限りなく自由度の高いモード・ジャズ志向のエモーショナルなバップなトランペットで、ブイブイ言わせていたのだが、いきなり、NYに渡って、思いっきりイメージチェンジ。フュージョン・ジャズに転身して、何枚かのヒット盤をリリースした訳だが、そういえば、当ブログで、日野皓正の盤については、しばらく扱ってこなかった。

日野皓正『City Connection』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、主だったメンバーとして、日野皓正 (tp, cornet, flh), David Spinozza (g), Leon Pendarvis, Harry Whitaker (p, rhodes), Anthony Jackson (el-b), Howard King (ds), Naná Vasconcelos (perc, conga) 他。

アレンジはハリー・ウィタカーとレオン・ペンダーヴィス。共にロバータ・フラックのブレーンとして知られる黒人キーボード奏者&アレンジャー。バックを固めるミュージシャンは、NYのフュージョン・シーンを彩る名うての名手たち。上質の、演奏レベルがかなり高い、爽快でキャッチーなフュージョン・ジャズが展開されている。

そんなバックの演奏に乗って、日野皓正がとても気持ち良さそうに、トランペットを、コルネットを、フリューゲルホーンを吹き上げていく。この日野のフュージョン盤を聴いて再認識したんだが、日野のトランペット、コルネット、フリューゲルホーンそれぞれ、かなりのハイレベルの吹奏。歌心溢れ、テクニックも超優秀。改めて、日野皓正の演奏の上手さを、このフュージョン・ジャズ盤で再認識した。
 

City-connection  

 
そんな歌心溢れ、テクニックも超優秀なトランペットで、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズ志向のフレーズを吹き上げていくのだ。悪かろうはずがない。米国フュージョン、和フュージョンを合わせた中でも、この『City Connection』は上位に位置する名盤だと僕は思う。

冒頭の「Hino's Reggae」から、ソフト&メロウな、しっかりと芯の入ったフリューテルホーンがいかにも「フュージョン」な雰囲気濃厚。2曲目の「Stay in My Walking Heart」は、ボーカル入りでお洒落でソウルフル。3曲目の「City Connection」は、サントリー・ホワイトのCMソングに起用された、キャッチーでライトなジャズ・ファンク。これがまた洒落ている。

LPではB面に入って、「Send Me Your Feelings」は、ボーカル入り、優しいソウルフルでブギーなフュージョン。続く「High Tide-Manhattan Ecstasy」は日野のフリューゲルホーンがリリカルで爽快、ちょっとライトなジャズ・ファンク。

ラス前の「Samba De-la Cruz」はハンドクラップが印象的な高速サンバ。これもCMソングに起用されたのではなかったか。そして、ラストの「Blue Smiles」は、このアルバムを制作した年に亡くなったトランぺッター「ブルー・ミッチェル」の追悼曲。日野のフルーゲルホーンをはじめ、静謐で寂寞感溢れる演奏が切ない。

久しぶりに全編聴き直してみて、確かにこの『City Connection』は、フュージョン・ジャズの名盤だろう。フュージョン・ジャズの個性と特徴をしっかりと日野皓正の才能でリコンパイルして、「日野の考えるフュージョン・ジャズ」を確立している。
 
 

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2023年8月 1日 (火曜日)

日野皓正の欧州なフリー・ジャズ

今日の関東地方は不安定な天気。明け方、雨が降って、朝は久し振りに曇天。陽射しが無い分、気温はさほど上がらず、蒸し暑さは回避。昼間は東京ではゲリラ雷雨で大変だったみたいだが、我が方はチョロッと降っただけで、昼過ぎからは日が射したりして、最高気温は34℃。猛暑日は避けられたみたいだが、結局、真夏日となった。

今日は日中はほぼ曇り空で、部屋のエアコンの効きが良い。涼しい快適な湿度の部屋の中で、今日は久し振りに「フリー・ジャズ」を聴いてみようと思った。フリー・ジャズはいろいろあるが、最近は1970年代の「Enja(エンヤ」」レーベルのフリー・ジャズを選んで聴く様にしている。

エンヤ・レーベルは、1971年、ジャズ愛好家のマティアス・ヴィンケルマンとホルスト・ウェーバーによって、ドイツのミュンヘンで設立された、欧州ジャズ・レーベルの老舗のひとつ。ハードバップからモード、フリー、スピリチュアル・ジャズまで、モダン・ジャズの奏法、スタイルをほぼ網羅するが、とりわけ、前衛ジャズに造詣が深い。

ジャズの演奏スタイルの1つ「フリー・ジャズ」。従来のジャズの奏法を踏まえることなく、自由に演奏するスタイル、いわゆる「音階(キー)」「コードあるいはコード進行」「リズム(律動)」、以上3要素から自由になって演奏するのが「フリー・ジャズ」。しかし、これら3要素を全て自由にすると「音楽」として成立しないので、「必要最低限の取り決め」のもと、フリーに演奏するということになる。

日野皓正『Vibration』(写真)。1971年11月7日、ベルリンでの録音。ENJAー2010番。ちなみにパーソネルは、日野皓正(tp), Heinz Sauer (ts), Peter Warren (b), Pierre Favre (ds)。日野のトランペットとザウアーのテナーがフロント2管、ピアノレスのカルテット編成。演奏スタイルはフリー・ジャズ。欧州ジャズのフリー・ジャズ。
 

Vibration

 
日野皓正といえば、僕が本格的にジャズを聴き始めた頃は、NYに渡ってフュージョン・ジャズにドップリだったので、NYの渡る以前のハードボイルドで前衛的な日野皓正を聴いた時は、最初はビックリ。しかし、しっかり対峙して聴くと、かなり高度で難度の高い純ジャズをやっていて、フリー・ジャズはそのバリエーションのひとつ。

日野以外のメンバーは3人とも僕は知らなかった。この人選、ホルスト・ウェーバーによる人選だったらしく、録音当日、全員、初顔合わせだったらしい。しかし、録音された演奏を聴くと、初顔合わせとは思えない、フリー・ジャズ志向な演奏の中、メンバー間の連携と熱気が凄い。ピアノレスな分、フロントの2人の自由度が限りなく高い。

前衛的でアバンギャルド、激しいフレーズと無調のアドリブ。米国のコルトレーン直系の、心の赴くまま、とにかく「熱く吹きまくって力づく」というフリー・ジャズでは無く、クールでソリッドで硬質、切れ味良く、「前衛音楽の響きを秘めた欧州ジャズの範疇」でのフリー・ジャズ。加えて、高度なテクニックと音楽性を有しないと、フリー・ジャズとしての音楽を表現出来ないのだが、この盤のカルテット・メンバーの演奏テクニックはかなり高い。

日野の自由度の高い、シャープなトランペットの咆哮、ザウアーのゴリゴリと尖ったテナー、自由奔放にクールに暴れまくるファーヴルのドラム、そして、フリーな演奏の底をガッチリと押さえる、重心低くソリッドなウォーレンのベース。混沌とした無調のフリー・ジャズだが、「間」としっかり取って、それを活かしたフリーな展開が、この盤のフリー・ジャズを聴き易いものにしている。

定速ビートが無い分、聴くのに骨が折れるが、しっかり聴いていると、フリーな演奏の底に自由度の高い変則ビートが流れている様で、このフリーな演奏をどこか整然とした印象を持たせてくれる。限りなく自由度の高いモーダルなジャズのすぐ先にある、そんな感じのフリー・ジャズ。
 
 

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2015年10月 3日 (土曜日)

日本の純ジャズのピークを捉える

1970年代、日本のメインストリーム・ジャズは充実していた。米国ジャズ至上主義のジャズ者の方々は「日本のジャズなんて米国の物真似さ」なんて言ったりするが、残された音源を聴き直してみると、かなり個性的な、日本人ならではの純ジャズが展開されていてビックリする。

今から約5年前に遡る。2010年11月30日のブログ(左をクリック)で「初めての日野皓正...」と題して、『Wheel Stone(車石)』というライブ盤をご紹介している。

実はこの『Wheel Stone(車石)』というライブ盤には続編がある。日野皓正『Wheel Stone Live in Nemoro Vol.2』(写真左)。1975年4月8日、北海道、根室市民会館にてライヴ録音の続編。ちなみにパーソネルは、日野晧正 (tp), 宮田英夫 (ts), 杉本喜代志 (g), 板橋文夫 (p), 岡田勉 (b), 日野元彦 (ds), 今村裕司 (per) 。

日野皓正の米国移住前のサヨナラ公演のライブ音源である。1975年の出来事。1970年代後半が、フュージョン・ジャズの大流行の時代であったことを考えると、この辺りが、日本のメインストリーム・ジャズのピークだった様な気がする。それほどに、このアルバムに詰まっている日本人ジャズメンのパフォーマンスは優れている。
 

Wheel_stone_vol2

 
『Wheel Stone(車石)』では、ビートを活かした、限りなくフリーではあるが、最低限のレベルで制御されたインプロビゼーション。マイルスの手法であるが、それを自分なりに解釈し、日本的な音楽的雰囲気をシッカリと活かした、類い希な「日本独自の」コンテンポラリーなジャズがここにある、と評しているが、この『Vol.2』も全く同様である。

とりわけ、リズム&ビートが、日本の「祭り」の太鼓のビートを彷彿とさせるものがあるし、テナーのフリーな吹き回しなど、雅楽の笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)、篳篥(ひちりき)という雅楽三管に通じる響きが芳しい。

「スピーク・トゥ・ロンリネス」と「ラウンド・ミッドナイト」の2曲のみの演奏であるが、内容は充実し、メインストリーム・ジャズとして一級品である。日本のメインストリーム・ジャズの良いとこがこのライブ盤にギッシリと詰まっている。

Vol.1の『Wheel Stone(車石)』と併せて、連続して聴いて貰いたい『Wheel Stone Live in Nemoro Vol.2』。日野皓正の渡米直前の全国ツアーでの伝説的なプレイが堪能出来ます。

 
 

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2010年11月30日 (火曜日)

初めての日野皓正...

最近、日本女子を中心に日本ジャズ界が活気づいている。我も我もという感じで頭角を現す日本女子。そのリーダー作は、意外と言っては失礼だが、内容のあるものが多々輩出されている。聴き応えのある演奏は、それはもう、その将来が楽しみで仕方が無い。

で、日本ジャズの草分けは、というノリで、日本ジャズ界の歴史を遡ってみた。僕にとって初めての日本ジャズは「ナベサダさん」。そして「秋吉敏子さん」。そして、フュージョン界では「渡辺香津美さん」。そして、トランペットの「日野皓正さん」。この4人は、1978年にジャズを聴き始めて、真っ先に覚えた日本人ジャズ・ミュージシャン。

その日野皓正さんを初めて経験したアルバムは何だったか、と思い出そうと考えていたら、はた、と思い当たった。1975年4月8日録音のライブ盤『Wheel Stone(車石)』(写真左)である。日野皓正の米国移住前のサヨナラ公演のライブ音源である。ちなみにパーソネルは、日野皓正(tp), 宮田英夫(as), 板橋文夫(p), 杉本喜代志(g), 岡田勉(b), 日野元彦(ds), 今村祐司(per)。当時、日本ジャズの実力者ミュージシャンがズラリである。

このライブ盤は、当時、FMでエアチェックさせて貰った。当時、僕はジャズ者駆け出し初心者。 ジャズがなんであるかも良く判らない頃。日本ミュージシャンの代表格の一人として日野皓正の名前を覚えたての頃。FMの番組雑誌でその名を見つけて、エアチェックさせて貰った。

当時、FMエアチェック全盛時代で、FM番組の方も大らかな時代で、新譜のアルバムを全部オンエアしたり、それがちょっとまずければ、同系列の番組で、それぞれLPのA面、B面を別々にオンエアして、合わせると一枚のアルバムが完成する、なんていう「粋な」番組構成も多々あった。それだけ当時、FMは、僕たち貧乏人ジャズ者初心者の力強い味方であった(笑)。
 

Hinoteru_live_in_nemuro

 
ちなみに僕はこのライブ盤『Wheel Stone(車石)』は、FMの番組で全編オンエアで、カセットにダイレクトにエアチェックさせて貰った。当時、オンタイムでのエアチェックは当然、リアルタイムで聴きながらのエアチェックになるんだが、もうリアルタイムでFM放送で聴いているそばから、このライブ盤は凄い演奏だとビックリした。

なんせ、1曲目(と言っても全2曲しかないが・・・)の「Mocco(モッコ)」の日本の祭りのようなリズムセクションが叩き出すビートだけで仰け反った。そして、その日本的なビートをバックに、日野皓正、愛称ヒノテルが吹きまくる。アルトの宮田も吹きまくる。そして、個人的にはこの人のソロ・パフォーマンスが今では一番のお気に入りだが、板橋文夫のピアノ。ギターの杉本も「間」を活かしたエレギソロは実に個性的だった。これが日本のジャズの今なんだ、と激しく感動したのを、昨日のことの様に思い出す。1978年のことである。

今の耳で聴いても、このライブ盤『Wheel Stone(車石)』は秀逸。ビートを活かした、限りなくフリーではあるが、最低限のレベルで制御されたインプロビゼーション。マイルスの手法であるが、それを自分なりに解釈し、日本的な音楽的雰囲気をシッカリと活かした、類い希な「日本独自の」コンテンポラリーなジャズがここにある。これは今でもなかなか無いよ〜。これだけのオリジナリティー溢れる日本ジャズは、今でもなかなかお目にかかれない。

このアルバムでの「日野皓正」が、僕にとって初めての「日野皓正」だった。この秀逸な内容の「日野皓正」が僕にとって初めての「日野皓正」で良かった。このライブ以降、日野皓正は米国に渡って、遂にはフュージョン・ジャズに手を染めるのだが、この純ジャズな「日野皓正」を事前に体験していたので、フュージョンな「日野皓正」を聴いても、「日野皓正」を間違って解釈することは無かったのである。 
 
 
 
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2007年12月13日 (木曜日)

70年代後半、流行のジャズ

今日は朝から、結構まとまった雨。雨は大嫌いなのだが、たまには降って貰わないとね。少し風もあって、寒い雨の朝だったが仕方ない。このところ、湿度が低くてカラカラだったから、たまには降って貰わないとね。

今日は、Hal Galper(ハル・ギャルパー)の『Now Hear This』を聴く。昨年、国内盤にて、紙ジャケット仕様で復刻された、ヨーロッパのEnjaレーベルの日野皓正をフィーチュアしたアルバム。メンバーは、Hal Galper(p)、Cecil McBee(b)、Tony Williams(ds)、日野 皓正(tp)。

Hal Galperは、モロにMcCoy Tyner直系を感じさせるダイナミックなピアノが特徴。1970年代のジャズ・ピアノの流行のスタイルですね。ガンガンゴンゴン、ダイナミックに弾きまくるピアノです。でも、テクニックがあるので、やかましくない。ドライブ感と「ため」と「間」が命のジャズ・ピアノのスタイルでした。

発売当時から、名盤、名盤と宣伝されているアルバムですが、名盤というよりは、70年代後半の流行のジャズ・スタイルを明快に感じさせてくれる佳作でしょう。キャッチャーで親しみやすい曲に乏しい収録曲の構成となっているので、印象に残りにくいのが玉に瑕ですね。
 

Hal_galper_now_here_this

 
アルバム全体を通じて、Cecil McBee(b)、Tony Williams(ds)のリズム・セクションの演奏が光ります。この二人の演奏については申し分無い。特に、Tony Williamsはノリノリです。逆に、リーダーのHal Galperのピアノと、フィーチャーされた日野皓正のトランペットが、このリズム・セクションのバッキングに応えきれずに、ちょっと一本調子なのと不完全燃焼っぽいのが残念です。

それでも、1970年代後半の、当時流行のジャズ・アルバムとしては出来が良く、ピアノがガンガンにドライブしていくところにペットが突き刺さる、といったタイプの演奏。前年の1976年、ハービー・ハンコックを中心にした、VSOPクインテットが大受けして、メインストリーム・ジャズが復活しだしたころの演奏です。当時の流行の演奏の雰囲気が強く感じられる佳作だと思います。

ジャズ初心者の方々には、ちょっと判りにくいアルバムかもしれませんが、この1970年代後半の流行の演奏スタイルは、今のジャズにもつながる「先進的なスタイル」のひとつではあるので、このアルバムを通じて、その雰囲気を体験するには良いアルバムかもしれません。

ほんと、このアルバムって、70年代後半、当時流行のジャズの雰囲気がプンプン漂っています。僕にとっては、懐かしい雰囲気ですね〜。
 
 
 
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