2023年2月 6日 (月曜日)

躍動するスナーキー・パピー

基本は、8ビートに乗った、ピアノ&キーボード、時々エレギをフロント・メインとしたインスト。高速8ビートのスムース・ジャズといった雰囲気。「クロスオーバー+ファンク+ダンス+フュージョン」を融合したエレクトリック・ジャズ。ダンサフルな面もあり、プログレッシヴ・ロックの様な側面もあり、ロックとジャズの間を突き抜ける、現代の「ジャズ・ロック」の担い手である。

Snarky Puppy『Empire Central』(写真左)。2022年3月3ー10日、ダラスの「Deep Ellum Art Company」でのライヴ録音。パーソネルを見渡すと、エレクトリックなジャズ・ビッグバンドといった風情。特徴としてはパーカッションが充実していて、リズム&ビートがしっかり効いていて、ダンサフルでもあり、疾走感抜群でもあり。ライトでポジティヴなジャズ・ファンクの響きが個性。

スナーキー・パピーのルーツであるテキサス州ダラスで、50人の観客を前にしたスタジオ・ライヴ録音。リーダー格は、Michael League (el-b, Minimoog Model D bass)。このマイケル・リーグのベースがスナーキー・パピーの個々の音をガッチリとまとめ、統率している。収録曲はボーナス曲を含み17曲。メンバーの19人中12人が作曲に参加するという、気合いの入った内容になっている。
 

Snarky-puppyempire-central

 
バンドのメンバーはそれぞれ、テクニック優秀で、あらゆる展開にしっかりと追従していて、その統一感には舌を巻く。揺るぎやズレの無いユニゾン&ハーモニー、流麗なアドリブ・リレー。純ジャズの様に、フレーズにマイナーな翳りが稀少なので、演奏全体の雰囲気は明るくダンサフル。疾走感溢れる流麗なアンサンブルは、どこか、1970年代のプログレッシブ・ロックやジャズ・ロックの響きがしていてグッド。

米国出身のジャズ・ファンクらしく、内容的にはシンプル。欧州ジャズの様な複雑さやカオスは無い。爽快感と流麗さが前面に押し出されているので、気がつき難いが、R&B、ゴスペル、ファンクなど、米国ルーツ・ミュージックのルーツがしっかり組み込まれていて、それが、このスナーキー・パピーの演奏を「ジャズ」のジャンルに踏みとどまらせている。

こういうインスト・バンドって、最近のジャズ・シーンには稀少になってきたので、スナーキー・パピーって貴重な存在。演奏力もアレンジも最高で、バンドのピークを捉えたライヴ盤に仕上がっているのでは無いだろうか。高みに達したスナーキー・パピー。次の展開はどこへ行くのか。少々不安になるくらい、上出来のライヴ盤である。
 
 

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2022年11月 3日 (木曜日)

スナーキー・パピーのライヴ盤

Snarky Puppy(スナーキー・パピー)。は、ベーシストのマイケル・リーグ率いる米国のインスト集団。音の志向は「ジャズ、ロック、ワールド ミュージック、ファンク」の音要素を融合したもの。ファンクネスはライトで薄め、ワールド・ミュージックの要素も変化を付ける為の小道具的扱いで、基本は、8ビートに乗った、ピアノ&キーボード、時々エレギをフロント・メインとしたインスト。高速8ビートのスムース・ジャズといった雰囲気。

Snarky Puppy『Live at GroundUP Music Festival』(写真左)。2022年3月のリリース。マイケル・リーグが主催しているレーベルの〈GroundUP Music〉が毎年マイアミで開催しているフェスでの音源をまとめたライブ盤。スナーキー・パピーとして、2番目の「ライブ&インコンサート」のアルバムになる。スタジオ録音では無い、ライヴ録音というところがこの盤の「キモ」の部分だろう。

とても高度なテクニックに裏打ちされた、揺るぎない、破綻の無い、流れる様な8ビートのインストで、ライトで薄めではあるが、ファンクネス漂い、明快で重量感のあるオフビートの演奏なので、このインスト演奏は「ジャズ、もしくはフュージョン、またはスムース」と解釈される。電気楽器を活用しているが、音質として生楽器に近いテイストをしているので、テクノ・ポップっぽい、無機質な音作りにならないところが良い。
 

Snarky-puppylive-at-groundup-music-festi

 
力感溢れる演奏ではあるが、実に流麗な演奏。ひとつ間違えば、高度なテクニックのエレクトリックなイージーリスニングに陥りそうなんだが、上手くファンクネスをビートに効かせ、時折、ワールド・ミュージックな音の要素を織り込んで、単調さ、マンネリを防止している。バックの低音を強調した8ビートな「リズム&ビート」が強力なので、躍動感が高まり、ダンス・ミュージックな雰囲気も漂うところが面白い。

キーボードがフロント・メインな演奏が多いので、どこかプログレッシヴ・ロックの様な雰囲気も漂うインストは、しっかりオフビートを効かせて、聴き手を「乗せる、煽る、躍らせる」音楽を切れ目無く供給する。お洒落でスムースなダンス・ミュージックと表現しても良いかもしれない。

スナーキー・パピーのインストは「ばらつき」が無い。どの演奏も、その演奏テクニックは高度、「ジャズ、ロック、ワールド ミュージック、ファンク」の要素を融合した音の志向、そして、明快で重量感のあるオフビート、という個性をしっかり守った、流麗でダンサフルなエレ・インストは聴いていて気持ちが良い。
 
 

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2020年3月28日 (土曜日)

心地良きビッグバンドとの共演

ビッグバンドとの共演は、ソロイスト側には「テクニックが優れていること」「フレーズが明確でハッキリしていること」、そして、ビッグバンド側には「ソロ楽器を意識したアレンジが施されていること」「ソロイストを前面に押し出す伴奏上手であること」が、それぞれ要求される。そして、その要求が満足されたら、その共演は素晴らしいジャズの音世界への昇華する。

Bill Laurance & WDR Big Band『Live at the Philharmonie Cologne』(写真左)。2018年11月24日、ドイツはケルンの「the Philarmonie」でのライブ録音。スナーキー・パピー結成当時からのメンバーであるキーボーディスト「ビル・ローレンス」と、ケルンの名門ビッグ・バンド「WDR Big Band」との共演。そして、WDR Big Bandのコンダクターは「ボブ・ミンツァー」。

スナーキー・パピーの知性あふれるクールなサウンド・イメージがベースとなって、ビッグバンドのアレンジが為されているように思う。スナーキー・パピーのキーボーディスト、ローレンスのピアノがくっきり浮かび上がる、つまり、WDR Big Bandがソロイストを前面に押し出す伴奏上手となる為のアレンジである。従来のWDR Big Bandの表現とは全く異なる、クールで流麗でスムースな音の流れ。現代の「今」のビッグバンドの音である。
 
 
Live-at-the-philharmonie-cologne  
 
 
ビル・ローレンスは、スナーキー・パピーでのプレイの様に、クールで流麗でキャッチャーなフレーズを弾きまくる。印象的なフレーズがどんどん湧き出てきて、ポップな展開あり、流麗な展開あり、耳に楽しく、耳に心地良い印象的なフレーズ満載。ジャジーでファンキーな要素はまず見当たらない。良質なフュージョン・ジャズを基調にした様なフレーズの作り。それでいて、タッチと弾き回しは純ジャズそのもの。

その印象的なフレーズをWDR Big Bandがしっかりと受け止めて、さらにローレンスのピアノを際立たせている。ローレンスのアドリブ展開の表現の変化に応じて、WDR Big Bandもしっかりとその変化に追従し、その変化に適応する。凄い力量をもつビッグバンドだ。WDR Big Bandのソロイスト達も、ローレンスの醸し出すサウンド・イメージに則りつつ、個性的なアドリブ・ソロを展開する。それはそれは聴き所満載で、あっと言う間に時間は過ぎていく。

ビル・ローレンスは1981年生まれなので、今年まだ39歳。中堅の入り口に差し掛かった若き才能とベテラン・アレンジャー/コンダクターのボブ・ミンツァー、そして、百戦錬磨のアンサンブルのWDR Big Band、の3者が有機的に融合し生み出された「一期一会」の音世界。 クールで流麗でキャッチャー、そしてダイナミック。今までに無い、新しいピアノとビッグバンドの共演サウンドがこの盤に詰まっている。
 
 
 

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2020年3月 4日 (水曜日)

こういう新盤は心強いなあ。

ジャズには「進化」する、または「深化」する側面と、過去の成果を振り返り「温故知新」する側面の2つがあると感じている。「温故知新」については、過去のレジェンドの演奏スタイルを踏襲し、自分なりの個性を融合させたり、はたまた、過去のレジェンドの楽曲を取り上げて、自分なりのアレンジを加えて演奏したり、「温故知新」の意味通り「古きを訪ねて、新しきを知る」というアプローチである。

Bob Reynolds『A Message for Mobley』(写真左)。2018年7月26日、ロサンゼルスでの録音。 ちなみにパーソネルは、Bob Reynolds (ts), Larry Goldings (Fender Rhodes ele-p), Alex Boneham (b), Charles Ruggiero (ds)。リーダーのボブ・レイノルズはテナー奏者。その名前、どこかで聴いた事があると思って資料を見たら「スナーキー・パピー、ジョン・メイヤーとの共演で知られる実力派サックス奏者」とある。

おお、思い出した。しかし、スナーキー・パピー、ジョン・メイヤーとの共演の経験者であれば、ちょっとフュージョン寄りのコンテンポラリーな純ジャズをやってくるんやないか、と思っていた。で、この盤である。タイトルを見れば、この盤、ハンク・モブレーのオマージュ、もしくはトリビュートでは無いか、と思うんだが、どうにも、先進的なコンテンポラリーな純ジャズの志向と合わないのでは、と思いつつ、この盤を聴いてみると・・・。
 
 
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まず、リズム・セクションが面白い。フェンダー・ローズをメインとしたリズム・セクションである。軽快で適度なファンクネスと爽快感が個性のゴールディングスのローズが「プログレッシブ」な印象を醸し出している。少なくとも、モブレーが活躍したハードバップな雰囲気は微塵も無い。あるとすれば「ネオ・ハードバップ」な、現代の解釈における新しい響きのハードバップである。

そこに、リーダーのレイノルズのテナーが入る。このレイノルズのテナーがこれまた曲者で、テナーと言えば、猫も杓子も「コルトレーン風」か、モブレーの自作曲を採用しているので、「モブレー風」に吹くのが定石だが、レイノルズはそうでは無い。あくまで、自分のスタイル、自分の音でモブレーの自作曲を吹き進める。これが清々しい。モブレーの自作曲を採用するんだが、出てくる音は現代のコンテンポラリーな純ジャズ。決して、懐古趣味では無いし、決して、ハードバップの焼き直しでは無い。

実に頼もしいアルバムである。ネットの情報によれば「レイノルズは今作をハンク・モブレーへのオマージュやトリビュートではないと語る。」とある。なるほど、この盤はオマージュやトリビュートの類の盤では無い、モブレーの楽曲の優秀性と応用性を最大限に活かして、現代のコンテンポラリーな純ジャズなアルバムとして成立している。こういうアルバムに出会うと、まだまだジャズは捨てたもんじゃ無い、と思うのだ。
 
 
 

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2019年7月17日 (水曜日)

「音の多国籍性とぶ厚さ」が魅力

エレクトリック・ジャズも順調に深化している。バリエーションも豊かになっている。思えば、1960年代後半、マイルス・ディヴィスにてその扉を開いたエレクトリック・ジャズ。1970年代のクロスオーバーからフュージョン・ジャズを経て、純ジャズ復古の1980年代にも、数は限定されてはいたが、その傍らでエレクトリック・ジャズは深化し、21世紀に至っている。

Snarky Puppy『Immigrance』(写真左)。今年2019年3月のリリース。(クロスオーバー+ファンク+ダンス+フュージョン)を融合したエレクトリック・ジャズ。(ファンク+ダンス)の要素が演奏全体に渡って、効果的に効いていて、ぼ〜っと聴いていると、ライトでポップさを前面に押し出した「マイルスのエレクトリック・ジャズ」のような音世界。リズム&ビートがしっかりと効いていて、実にダンサフル。

「スナーキー・パピー(Snarky Puppy)」。バンドというかグループ名である。ネットの情報によると「2004年結成。ツアーやセッションによって40人以上のメンバーが流動的に入れ替わる大所帯編成で、ノラ・ジョーンズも輩出した名門北テキサス大学の出身」とある。つまりは流動的にメンバーが入れ替わるバンドだそうだ。
 
 
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ジャズ+ファンク+ダンス+フュージョンを融合した造語「Jafunkadansion」サウンドがウリだそうで、思わず納得である。この新盤では、そこに民族音楽的な音の要素がふんだんに散りばめられいる。アラブやアフリカ、トルコやモロッコの音楽の要素が見え隠れして、聴いていてとても楽しい。多国籍な音の要素をふんだんに含んだエレクトリック・ジャズ。

そこはかとなくファンキーなリズム&ビートと相まって、インターナショナルなエレクトリック・ジャズに仕上がっている。しかも、自由度溢れるアドリブ・フレーズは実にキャッチャー。耳当たりが良く、耳に心地良い、印象的なフレーズが連続して耳に届く。聴いていてかなり気持ちがポジティヴになる。しかも、よく聴き耳を立てると、その演奏テクニックは卓越したものがある。

そんな優れたテクニックがあるからこそ、全編約1時間弱、全く飽きることが無い。しかも今回の盤は、一発録りでは無く「オーヴァーダビングもしているし、エディットもしている」。些細な部分までしっかりと行き届いた音作りがなされていて、聴き心地満点。スナーキー・パピーの「音の多国籍性とぶ厚さ」が最大の魅力である。いや〜、いい音詰まってる、現代のエレクトリック・ジャズ。好盤です。
 
 
 
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2016年1月18日 (月曜日)

スナーキー・パピー『SYLVA』

ジャズ雑誌を読んでいて「2015年度 ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー発表」とある。そうか、もうそんな時期なんだ。ということで、この「2015年度 ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー」に選定されたアルバムから、私、松和のマスターが何枚か、注目盤をピックアップしてみました。

まずは「スナーキー・パピー(Snarky Puppy)」。バンドというかグループ名である。ネットの情報によると「2004年結成。ツアーやセッションによって40人以上のメンバーが流動的に入れ替わる大所帯編成で、ノラ・ジョーンズも輩出した名門北テキサス大学の出身」とある。つまりは流動的にメンバーが入れ替わるバンドなのね。

なかなか面白いコンセプトのグループである。この「スナーキー・パピー」のメジャー・デビュー作が、昨年、2015年にリリースされている。この「スナーキー・パピー」、ジャズ+ファンク+ダンス+フュージョンを融合した「Jafunkadansion」サウンドがウリだそうなんだが、この「ウリのサウンド」が非常に良く判る、なかなかの内容のライブ盤である。

そのライブ盤とは、Snarky Puppy『SYLVA』(写真左)。2015年4月のリリース。実は僕はこの「スナーキー・パピー」というグループの存在を全く知らなかった。全くもってジャズというのは奥が深く裾野が広い。アルバムの宣伝コメントとしては「メンバーの長年の夢だったというオーケストラとの共演作で、ジャズ・ミュージシャンとの共演歴も多いメトロポール・オルケストと共演」とある。

ジャズバンドとオーケストラとの共演。オーケストラのぶ厚いユニゾン&ハーモニーと、ジャズバンドの柔軟な自由度のある演奏とが融合した演奏内容となっている。最初聴いた時にフッと思い浮かんだのが、チック・コリアの「Return to Forever(RTF)」というバンド。特にRTFの後期から最終期のライブサウンドが、このジャズバンドとオーケストラとの共演だった。
 

Sylva

 
音の印象としても、チック・コリアのRTF的な音がする。そして、このライブ盤、フェンダー・ローズやムーグシンセ、アープの音が蔓延している。1970年代からキーボード系の音に親しんでいる僕達にとっては懐かしい音の響きである。

珍しいなあ〜と思って解説を読んでいたら、このライブ、オーガニックというテーマに沿って、アナログ楽器しか使わない、つまり、通常のデジタル系のシンセサイザーの代わりに、アナログ系のフェンダー・ローズ、ウーリッツァー、ピアノ、クラヴィネット、ムーグ、そしてオルガンを使用、という「こだわりの作品」なんだそうだ。

この盤の内容は一言で言うと現代の「フュージョン・ジャズ」。電気楽器を上手く活用して、アコースティックとエレクトリックを上手く融合させ、オーケストラに「メインストリーム・ジャズ」の雰囲気を、バンドに「フュージョン・ジャズ」の雰囲気を担わせて、コンテンポラリーなジャズ表現に成功している。

面白いのは、バンド・サウンドの部分がジャズの最新のトレンドを押さえて演奏しているんだが、そのバックのオーケストラは、意外とレガシーなアレンジでバッキングしていて、このバンドとオーケストラの対比が実にユニーク。ストリングスやブラスを含んだ63名というアンサンブルは実に「緊密」。今までにない新しいジャズの音を感じます。

「スナーキー・パピー(Snarky Puppy)」、実にユニークなグループです。ジャケットのデザイン・センスは「?」ですが、これはこれで良しとしましょう。良いアルバムです。名門レーベル Impulse!からメジャー・デビューというのも、これからが期待出来る有望株です。

 
 

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