2023年11月19日 (日曜日)

ジョン・ルイスの個性と特徴

ジョン・ルイス(John Lewis)は、ジャズをクラシックと同等のアーティステックな音楽と捉え、ジャズの基本であるブルースから、ファンクネスの源泉であるゴスペル、はたまたクラシックの数々の手法にも精通したジャズ・ピアニストである。

自らのリーダー作では、対位法を用いた楽曲を作曲&演奏したり、バッハのジャズ化にチャレンジしたり。音楽監督として腕を振るったグループ「Modern Jazz Quartet」では、弦楽四重奏的な演奏手法を取り込んだり。ジャズの持つ「芸術性」を一段階、押し上げたイメージの辣腕ピアニスト&コンポーザーである。

John Lewis『The John Lewis Piano』(写真左)。1956年7月30日、1957年2月21日、8月24日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、John Lewis (p), Barry Galbraith (g, tracks 3,5,6), Jim Hall (g, tracks 7), Percy Heath (b, tracks 2,4), Connie Kay (ds, tracks 1,2,4)。ジョン・ルイスの4枚目のリーダー作。

タイトルが「ジョン・ルイスのピアノ」。アルバム・タイトル通り、そんなジョン・ルイスの個性と特徴がしっかりと記録されているリーダー作である。ピアノ・ソロの演奏は無いが、デュオ(ドラムかギター)とピアノ・トリオによる演奏がメインで、ジョン・ルイスのピアノが全面に押し出され、その個性と特徴が良く判る内容になっている。
 

John-lewisthe-john-lewis-piano

 
端正で知的、リリカルで洗練されていてクール。その底にはブルージーな感覚と、そこはかとないファンクネスが漂っている。バリバリ弾きまくることは皆無。音を厳選した、シンプルで音の間を活かした弾き回し。左手が刻むビートは「黒くてジャジー」。決して、ラウンジ・ピアノっぽくはならない。そんなところ、対位法などクラシックの手法を応用した展開や弦楽四重奏的なアレンジが出てきたりして、全体に「アーティステック」な雰囲気が色濃く漂う。

バップなピアノとは対極に位置するような、無理にスイングさせない、古き良きブルースやゴスペルの感覚を漂わせながら、シンプルに、抑制されたオフビートな弾き回しを披露する。特に、ドラムのデュオ、ギターとのデュオに、ジョン・ルイスのピアノの個性が映えに映える。あぁ、これがジョン・ルイスのピアノやな、と実感する。

アーバンなインテリジェンスも感じさせる、ジョン・ルイスの作曲とアレンジについても特筆に値する。そんなジョン・ルイスの個性と特徴がしっかりと感じ取ることのできる『The John Lewis Piano』である。

「バリバリの演奏力」や「聴けばすぐに判る個性的な弾き回し」で勝負するのではなく、生涯ブレる事の無かった「自らの美意識に基づいた弾き回し」と、作曲&アレンジの才による「作品の完成度&構築力」で、ジャズ・ピアニストとしての格好たるポジションを獲得した。そんなジョン・ルイスの個性と特徴がダイレクトに体感できるアルバムがこの『The John Lewis Piano』である。
 
 

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2023年11月18日 (土曜日)

ジョン・ルイス meets 西海岸

ジョン・ルイスのピアノが好きである。ジョン・ルイスは、一流のジャズ・ピアニストであり、クラシックの様々な音楽理論にも精通した、アーティステックな音楽家である。Modern Jazz Quartetでは、弦楽四重奏的な演奏手法を取り込み、対位法を用いた楽曲を作曲&演奏したり、バッハのジャズ化にチャレンジしたり。ジョン・ルイスは、芸術性を前面に押し出したジャズ・ミュージシャンの代表格であった。

ジャズをアカデミックな音楽ジャンルとして捉え、クラシックの手法などに精通している、のが気に入らないとかで、昔の硬派な「4ビート東海岸のモダン・ジャズ絶対主義」のジャズ者の方々からは敬遠されていた節がある。

かなり偏った評価だが、昔はそういう「ジャズの許容量が狭い」ジャズおじさんが沢山いた。ジョン・ルイスは嫌い、MJQはもっと嫌い。個人個人の感じ方なので、それはそれで良いのだが、大きな声で悪口を並べるのは良くない(笑)。

John Lewis『Grand Encounter』(写真)。1956年2月10日、ロスアンゼルスでの録音。Pacific Jazzからのリリース。ちなみにパーソネルは、John Lewis (p), Bill Perkins (ts), Jim Hall (g), Percy Heath (b), Chico Hamilton (ds)。サブタイトルが「2° East / 3° West」。ジョン・ルイスとパーシー・ヒースの二人が「東海岸」、ビル・パーキンス、ジム・ホール、チコ・ハミルトンが「西海岸」。
 

John-lewisgrand-encounter

 
まさに、東海岸ジャズマンと西海岸ジャズマンとの「豪華な出会い」である。フロントのテナーとギター、ドラムが「西海岸」なので、演奏全体の音作りは「ウエストコースト・ジャズ」志向になっていると思いきや、どこか「イーストコースト・ジャズ」のファクネスやブルージーな雰囲気が漂っているところが面白い。

まず、それだけ、ジョン・ルイスのピアノが「黒い」のだ。クラシックの手法に精通しているのにも関わらず、ルイスのピアノは「黒い」、つまりジャジーなのだ。加えて、紡ぎ出すフレーズがそこはかとなくファンキー。そんな「黒い」ピアノで、対位法を用いた楽曲を作曲&演奏したり、バッハのジャズ化にチャレンジする。そんなアンバランスな魅力というか、ジャズのボーダーレスな特質が具現化されているというか、そいうところが、ジョン・ルイスのピアノの魅力。

もともと、ジョン・ルイスの作曲する楽曲は「聴かせる」楽曲。そういう点では、西海岸向きだと言える。そんなジョン・ルイスの楽曲が西海岸のジャズマンと共演することで、映えに映える。西海岸ジャズマンは「聴かせる」ジャズの演奏表現に長けているので、ジョン・ルイスの曲を全く違和感なく、聴き手に訴求する「聴かせる」演奏を展開している。

ジャズは「融合」の音楽ジャンル、他の音楽ジャンルの取り込みに長けるところが長所なのだが、この盤は、東海岸ジャズと西海岸ジャズとの融合。ジョン・ルイスのピアノと作曲センス、パーシー・ヒースの「聴かせるベースラインは西海岸、出てくる音は東海岸」というベースが西海岸ジャズにピッタリ合って、素敵な「融合」ジャズがここに記録されている。
 
 

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2022年10月 3日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・252

ジャズは、大衆音楽の側面と芸術音楽の側面、2つの側面を持つ。ポップス同様、大衆向けの音楽として、キャッチャーで判り易い、耳当たりの良い演奏と、しっかりとした音楽理論の下、確かなテクニックと理論的な演奏手法を基に、芸術性を前面に押し出した演奏、2つの側面を持つ、ユニークな音楽ジャンルである。

John Lewis『Private Concert』(写真左)。1990年9月10〜12日、NYでの録音。仏PolyGramレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、John Lewis (p) 1人。Modern Jazz Quartet(MJQ)のリーダー&ピアニストのジョン・ルイスのピアノ・ソロである。

ジョン・ルイスは、一流のジャズ・ピアニストであり、クラシックの様々な音楽理論にも精通した、アーティステックな音楽家である。Modern Jazz Quartetでは、弦楽四重奏的な演奏手法を取り込み、対位法を用いた楽曲を作曲&演奏したり、バッハのジャズ化にチャレンジしたり。ジョン・ルイスは、芸術性を前面に押し出したジャズ・ミュージシャンの代表格であった。

で、このソロ・ピアノであるが、冒頭の「Saint-Germain-Des-Prés」を聴いて、ジャズの「クラシックに匹敵する芸術性」を改めて認識した。流麗で軽やかでアーティスティック。小粋なフレーズがどんどん湧いて出てきて、思わず、じっくりと聴き耳を立ててしまう。まるで、クラシックの様なピアノ演奏だが、出てくるフレーズはしっかりとジャズしている。
 

John-lewisprivate-concert

 
「Saint-Germain-Des-Prés」=サンジェルマン・デ・プレはパリ6区に位置する「知性と文化を代弁する」エリア。いわゆる「アーティスティック」な街。その街の名を曲名にした冒頭の魅力的な1曲が、このソロ・ピアノ盤の音志向を決定付けている。つまり、確かなテクニックと理論的な演奏手法を基に、芸術性を前面に押し出した演奏が詰まっている。

同様に、パリを題材にしたジョン・ルイスの自作曲が全部で4曲。どれもが、流麗で軽やかでアーティスティック。小粋なフレーズが印象的な楽曲ばかりで、ちょっと洒落ている雰囲気が実に良い。

アーティスティックな面を押し出しているからといって、堅苦しくは全く無い。バッハの曲も2曲「The Opening Bid」「Down Two Spades」でカヴァーされているが、しっかりとジャズ化していて、和音の重ね方もビートも「ジャズ」である。

スタンダード曲の「Don't Blame Me」と「'Round Midnight」は、大衆ジャズっぽくアレンジせず、あくまでアーティスティックに格調高くアレンジされている。それでも、底のビートはジャズなんだから、ジョン・ルイスの演奏能力の高さは定評通り。そこはかとなくファンクネスも漂う弾きっぷりは、確かに芸術的である。

この盤、たまたまネットを徘徊していてピックアップ出来たのだが、こんなジョン・ルイスのソロ・ピアノ盤が、1990年にリリースされていたとは知らなかった。しかし、たまたまピックアップ出来て良かった。ジョン・ルイスのアーティスティックな側面を強烈に感じる盤はそうそう無い。ジョン・ルイスのピアノを感じるに最適のソロ・ライヴ盤だと思う。
 
 

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2019年2月28日 (木曜日)

JLCOのジョン・ルイス作品集

リンカーン・センターは、ニューヨークのアッパー・ウエスト・サイドにある総合芸術施設。そのセンターの1部門が「Jazz at Lincoln Center(略称JALC)」。JALCの芸術監督はウィントン・マルサリス。このウィントンが率いるジャズ・オーケストラが「Jazz at Lincoln Center Orchestra(JLCO)」。JALCの常設オーケストラである。ウィントンが主宰するジャズ・オーケストラなので、設定されるテーマは真面目そのもの。

そう言えば、最近、ウィントンの新作を見なくなった。いつの頃からか、ブルーノート・レーベルからの新作のリリースが途絶え、マイナー・レーベルから何枚かリリースしている。逆に、ウィントンが出演するアルバムはJLCOものが半数以上を占めるようになる。つまり、21世紀に入ってからは、ウィントンを聴くなら「JLCOもの」は外せない、という状況になっている。

Jazz at Lincoln Center Orchestra『The Music of John Lewis』(写真左)。今回、なかなか楽しめたJLCOものがこれ。2013年1月19日の録音。モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のピアニストであり、音楽監督でリーダーでもあるジョン・ルイスの作品集。ジョン・ルイスはクラシックに根ざした音楽理論をジャズに持ち込んだりして、ちょっとアカデミックなところがあるんだが、作曲家としてはなかなか印象的な曲を沢山書いている。
 

The_music_of_john_lewis_jlco

 
そんなジョン・ルイス作の名曲の数々を、ウィントン・マルサリス率いる名門JLCOがスモールコンボ編成からビッグバンド・スタイルまで様々なフォーマットで演奏している。これが聴きもの。全編に渡ってアレンジがふるっている。演奏の編成ごとに最適なアレンジが施されていて、曲毎に明確な変化があって聴いていて楽しい。ジャズならではのアレンジの多彩さを存分に楽しむ事が出来る。

このアルバムでも、ウィントンのトランペットは申し分無い。非の打ち所が無くて逆に印象に残りにくいのが玉に瑕ではある。逆に、ニューオリンズのジャズピアニスト、ジョナサン・バティストをフィーチャーした演奏の数々は印象に強く残る。ジョン・ルイスの曲のフレーズが米国南部のルーツ色豊かなジャズ・ピアノにぴったり合うとは、ちょっとビックリである。

ジョン・ルイス作の楽曲を判り易くポップにアレンジして、オーケストラで演奏するなんて発想がユニークですね。そんなユニークな発想を、ジャズとして先端をいく「ネオ・ハードバップ」な演奏に昇華しているところはJLCOのポテンシャルの高さを物語っています。ジョン・ルイス作の楽曲のフレーズを楽しむも良し、ジャズ・オーケストラの変幻自在な演奏を楽しむも良し、この「JLCOもの」は、なかなかの内容です。
 
 
 
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2017年5月27日 (土曜日)

(欧州ジャズ+米国ジャズ) な盤

このところ、梅雨空の様に鬱陶しい曇り空が続く。昨日などは午前中はまとまった雨。久し振りに雨道具総動員である。が、今日は朝から回復基調。午前中は夏の到来を告げるような蒸し暑い陽気。午後から空気が入れ替わったのか、涼しい風が吹き抜けて、半袖ではちょっと肌寒さを感じる清々しい陽気に。

こういう清々しい初夏の陽気の中、耳を傾けるジャズは「欧州ジャズ」が良い。しかし、ブルージーでファンクネス濃厚な米国ジャズも捨てがたく、その双方のジャズの雰囲気を併せ持つジャズ盤は無いのか、と思いを巡らす。と、あったあった。欧州ジャズと米国ジャズのハイブリッド盤の様な雰囲気を持った盤が。

Sacha Distel & John Lewis『Afternoon In Paris』(写真左)。1956年12月、パリでの録音。ちなみにはパーソネルは、John Lewis (p), Sacha Distel (g), Barney Wilen (ts), Pierre Michelot, Percy Heath (b), Connie Kay, Kenny Clarke (ds)。オリジナルLPのA面3曲のベースとドラムがPierre MichelotとConnie Kay、B面3曲がPercy HeathとKenny Clarkeとなっています。
 

Afternoon_in_paris1

 
以前より、パリに対する限りない憧れを抱いていたジョン・ルイス(写真右)が、フランスの人気ジャズ・ミュージシャン、サッシャ・ディステル、バルネ・ウィラン、ピエール・ミシェロとパリで録音した盤。この盤のタイトル『Afternoon In Paris』は録音事情「そのまま」。フランスのジャズメン3人の演奏の内容が良い。米国ジャズメンと対等の濃密で個性的な演奏に耳を奪われる。

盤全体、とても洒脱な演奏になっています。とっても趣味の良いハードバップ。繊細さ流麗さ有り、ダイナミックな力感のある展開も有り。それでいて、演奏の雰囲気は、ブルージーでファンクネス濃厚な米国のジャズとは少し異なる、ちょっとあっさりとしたファンクネス希薄な、そう、欧州ジャズ独特のクラシックの素養をベースとした、耽美的でリリカルな音の響き。

録音も良く、演奏の良さと相まって、実に清々しい堅実な内容のハードバップです。フランスのジャズって、お国柄、ちょっとラフな印象があったので、この盤のカッチリした内容にちょっとビックリ。大向こうを張る様なジャズではありませんが、玄人好みの渋い内容の盤についつい耳を傾ければ、今日もそろそろ夕暮れ時。良い一日でした。
 
 
 
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2009年6月18日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・4

今日は「ジャズ喫茶で流したい」シリーズ第4弾である。ちょっと捻りを効かせた、聴いているジャズ者の方々が、「これ、何て言うアルバム」って、ジャケットを見に来るような、そんなアルバムを、ジャズ喫茶では流したい。ということで、今日は、John Lewis(ジョン・ルイス)である。

ジョン・ルイス。1920年生まれ、2001年没。ディジー・ガレスピー楽団にてデビューし、以降チャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスなどと共演。1952年にMJQ(Modern Jazz Quartet)を結成、以来、終生にわたってMJQのリーダー格として活動、ビ・バップを基調にしながら、サロン音楽的な、端正かつクラシカルな音楽性を確立した。

であるが、MJQのルイスとソロでのルイスとは、そのピアノの作風がガラッと変わる。特に、1950年代から60年代のルイスは、実に味わい深くて、僕は大好きだ。どう味わい深いか、というと、このアルバムを聴いて貰えると直ぐに判る。

『Improvised Meditations & Excursions』(写真左)、邦題は『瞑想と逸脱の世界』。邦題を見ると、物々しくて、ちょっと敬遠したくなるが、収録曲を見て欲しい。

1. Now's the Time
2. Smoke Gets in Your Eyes
3. Delaunay's Dilemma
4. Love Me
5. Yesterdays
6. How Long Has This Been Going On?
7. September Song
 

Improvised_med_ex

 
そう、ズラーッと並ぶ、ジャズ・スタンダードの数々。このジャズ・スタンダードを弾くルイスが、一番、ルイスの個性を確認することが出来て、大のお勧めである。パーソネルは、John Lewis (p), Percy Heath ,George Duvivier (b), Conny Kay (ds)。

ルイスのピアノは、至ってシンプル。ジャズ・スタンダードの持つ美しい旋律をなぞるように、しかしながら、小粋にインプロビゼーションを展開していく右手。その右手の展開の隙間に、そこはかとなく、合いの手を入れるような、左手のコンピング。曲の持つ旋律の美しさ、旋律の躍動感を前面に押し出しつつ、ジャジーな色づけを小粋につける。このシンプルさと小粋さが、ルイスのソロの時のピアノの特徴である。

そして、シンプルな展開の底に、しっかりとブルージーな雰囲気と「黒い」ビートが見え隠れして、いかに、旋律を追いやすい、シンプルなピアノだからと言って、軽音楽風な、カクテル・ピアノ風な演奏にならないところが、ルイスの優れたところ。

それから特筆すべきは、コニー・ケイのドラミング。シンバル・ワーク、特に、シンバルの音色が実に美しい。シンプルで小粋なルイスのピアノに格好のアクセントとなっている。そして、曲によって変わる、ヒースとデュビビエのベース。太くて堅実なビートを供給する。

これぞ、ピアノ・トリオの「お手本的」なアルバムの一枚です。全体の収録時間が37分弱とちょっと短いですが、逆にかえって、冗長とならずに「飽きない」、かつ、もうちょっと聴きたいと思って、2度ほど、聴き直してしまいます。とにかく、内容のあるピアノ・トリオは、繰り返し聴いても飽きない。そんな基本的なことを思い出させてくれる『瞑想と逸脱の世界』である。
 
 
 
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