2023年1月21日 (土曜日)

ジャズ・ファンクに「フルート」

ジャズ・フルートについては、フルートという楽器が、元来、音が丸くて、線が細い印象があって、ジャズのフロント楽器としてはちょっと弱くて、ジャズでのフルートの活用は、当初は、クラシックのジャズ化やライトなラテン・ジャズなど、イージーリスニング・ジャズ志向がほとんどだった。

Hubert Laws『Romeo & Juliet』(写真左)。1976年の作品。Columbiaレーベルからのリリース。プロデュース&アレンジはボブ・ジェームスが担当している。当時、CTIレーベルの専属アレンジャーだったボブ・ジェームス。よくまあ、Columbiaレコードのこの盤の制作に協力できたもんだ、と感心する。恐らく、この後、ボブ・ジェームスはCBSに移籍するので、CTIとCBSの契約の端境期だったのかもしれない。

ちなみにパーソネルは、主だったジャズマンとして、Hubert Laws (fl), Bob James (key, Fender Rhodes), Mark Gray (key), Eric Gale, Richie Resnicoff, Barry Finnerty, Steve Khan (g), Gary King (b), Andy Newmark, Steve Gadd (ds), Ralph MacDonald (perc), Alan Rubin, Randy Brecker, Jon Faddis, Marvin Stamm, Bernie Glow (tp, flh), Allen Ralph, David Taylor, Wayne Andre (tb)。ここに豪華なストリングスとボーカル・グループが加わる。

いきなり冒頭ストリングスが大々的に入ってくるので、この盤って、ウィズ・ストリングス系のイージーリスニング・ジャズなのか、と思わず身構える。しかし、ボブ・ジェームスがプロデュースを担当している。それも、1970年半ば、ボブ・ジェームスは、フュージョン・ジャズの仕掛け人として、日の出の勢いの時期。で、程なくストリングスが去って、極上のファンク・グルーヴを伴ったタイトなリズム隊が出てきて、力強いロウズのグルーヴィーなフルートが絡んでくる。
 

Hubert-lawsromeo-juliet

 
それまで、クラシックのジャズ化、ファンキーなクロスオーバー・ジャズ、時々、ライトなラテン・ジャズで、どちらかと言えば、イージーリスニング・ジャズ志向の活躍をしてきたロウズが、ジャズ・ファンクにジャズ・フルートをマッチさせた優秀盤である。パーソネルも、ボブ・ジェームスのジャズ・ファンクなフュージョン・ジャズに欠かせない、ボブ・ジェームス御用達のリズム隊が集結している。

冒頭の「Undecided」は、ボブ・ジェームスのアレンジ志向が色濃い、CTIレーベルぽいジャズ・ファンク。メロウで渋いエレピ&ベース・フレーズに乗ったロウズのフルートが素敵な「Tryin To Get The Feeling」。「What Are We Gonna Do」「Guatemala Connection」のソフト&メロウなフュージョン・ファンクは魅力的。

バリー・マニロウ「歌の贈り物」(1975年11月リリースの大ヒット曲)や、クラシックのチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」をカヴァーしているが、ボブ・ジェームスの手によって、グルーヴィーなアレンジが施され、ファンキーでグルーヴィーなロウズのフルートが素晴らしいインプロビゼーションを披露している。アレンジとしては「ボブ・ジェームス色」濃厚。

この盤、ボブ・ジェームズのアレンジ&キーボードとヒューバート・ロウズのフルートの相性がとても良いことが良く判る。Columbiaレーベルからのリリースだが、音だけ聴くと、この盤は「CTIレーベル」からのリリースと勘違いするくらいだ。但し、このジャケのデザインはイマイチ。CTIレーベルとは似ても似つかない酷いもので、ジャケをみるだけでは、この盤には直ぐには触手は伸びないだろう(笑)。
 
 

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2023年1月13日 (金曜日)

ロウズ=B.ジェームスのライヴ盤

ふと、フュージョン・ジャズが聴きたくなる時がある。僕がジャズを本格的に聴き始めた頃は、フュージョン・ジャズの全盛期。フュージョン・ジャズについては全く拘りは無い。良い音楽と悪い音楽、という話があるが、純ジャズだろうが、フュージョン・ジャズだろうが「良い音楽」と感じればそれでいい、と思っている。

Hubert Laws『The San Francisco Concert』(写真左)。1975年10月4日、オークランドの「Paramount Theatre」でのライヴ録音。CTIレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Hubert Laws (fl), Bob James (el-p, arr, cond), Glen Deardorff (g), Gary King (b), Harvey Mason (ds) のクインテットがメイン、バックにオーケストラが付く。

全編に渡って、ヒューバート・ロウズのフルートが堪能出来る。オーケストラを従えた豪華な伴奏をバックにしながら、ロウズのフルートがしっかりと前面に出て、素晴らしいパフォーマンスを披露している。フルートの音は音が丸くて、線が細い印象があるのだが、ロウズのフルートは音は丸いが、太くて力強くてシャープ。切れ味の良いフレーズでグイグイ吹きまくる。
 

Hubert-lawsthe-san-francisco-concert

 
フュージョン・ジャズのロウズにはボブ・ジェームスのエレピとアレンジが欠かせないが、このライヴ盤でもボブ・ジェームスがエレピとアレンジ、そして指揮を担当している。そして、演奏される曲も「Feel Like Making Love」(『Bob James I』収録)、「Farandole」(『Bob James II』収録)と、ボブ・ジェームスのアルバムの中で、印象的なロウズのフルートが映える曲を選んでいる。

当時、リアルタイムでボブ・ジェームスのフュージョン盤を聴いていた僕達にとっては、このFeel Like Making Love」と「Farandole」でのロウズのフルートはしっかりと耳に残っている。「Scheherazade」も内容は充実していて、クラシックにも精通するロウズの面目躍如的フルートが堪能出来る。

クラシックとジャズの融合(フュージョン)という切り口で、このロウズ=ボブ・ジェームスのコラボは数々の印象的なパフォーマンスを残しているが、それが、この盤ではライヴ音源で聴けるのだから、フュージョン者にとっては、このライヴ盤は価値がある。ブラス・セクションのアレンジ、オーケストラのアレンジもボブ・ジェームス節炸裂で充実している。なかなか聴き応えのあるフュージョン盤である。
 
 

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2019年8月 6日 (火曜日)

CTI6000番台の最初の第一歩

CTIレーベルは1967年、プロデューサーのクリード・テイラーによって創設されたジャズ・レーベル。コンセプトは「ジャズの大衆化」であり、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの先駆け的アルバムを多くリリースした。そんなCTIレーベルの全アルバムの総合カタログを入手し、各々のシリーズに対するカタログの整理と確認が完了した。そして、その整理されたカタログを基に、先月より、CTIレーベルのアルバムを順に聴き流している。

Hubert Laws『Crying Song』(写真)。CTIレーベルの6000番。1969年7月&9月の録音。ちなみに、この盤はCTI 1002としてリリースされた盤(写真右)をジャケットを差し替えて、CTI6000番として再発したリイシュー盤(写品左)。栄えあるCTI6000番台の最初の一枚。パーソネルは、当時のクロスオーバー畑のミュージシャンがメイン。

Bob James, Glen Spreen, Mike Leechの3人がアレンジを手分けして担当している。が、後のクロスオーバー&フュージョン・ジャズにつながる、新しい響き、新しいリズム&ビート、そしてソフト&メロウな旋律を先取りしているところが、この盤のニクいところ。特に、ボブ・ジェームスのアレンジとエレピについては直ぐに彼と判る。
 

Crying-song

 
この新しいアレンジとそのアレンジから引き出される、クロスオーバー&フュージョン・ジャズな雰囲気がCTIレーベルの真骨頂。そして、この盤は1969年にリリースされているが、ロック曲のカヴァー演奏やジャズ・ファンクの芳しい演奏がメイン。加えて、この頃(1969年)のジャズトレンドとして、ロック曲、ポップス曲のカヴァーがあるが、この盤もその例に漏れない。

タイトル曲「Crying Song」、当時のプログレ四天王のひとつ、ピンク・フロイドのRoger Waters の曲が採用されていたり、Dave Masonの「Feelin' Alright」、Bee Geesの「I've Gotta Get a Message to You」、そして、Beatlesの「Let It Be」をカヴァーしていたりする。なかなか渋いカヴァー曲の選曲で、アレンジも良好、意外とこの盤は硬派である。

ジャズ・ファンク「Feelin' Alright?」や「Cymbaline」、当時の新しい響きとして、米国で受けに受けていたので、受け狙いの選曲かと思いきや、カヴァーしたどの曲もアレンジが優れている分、イージーリスニング・ジャズでは無く、クロスオーバー&フュージョン・ジャズ的な響きが盤の7割程度を占めている。イージーリスニング的要素は見え隠れするが、気にするほどではない。アレンジの勝利である。
 
 
 
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2013年6月10日 (月曜日)

特に夏に聴く楽器って何?

特に夏に聴く楽器って何?、と訊かれると、昔から決まって「フルート」と答える。あの、切れ味良く、吹き抜けていく風の様な、爽やかな音色は、蒸し暑い夏に聴くと涼しさを感じる格好の楽器だと思っている。

では、ジャズでテナーやアルトなど、サックスを吹くミュージシャンの中では、第2の楽器としてフルートを吹く人が多いが、フルートを専門とするミュージシャンはというと、ハービー・マン、ヒューバート・ ロウズ、ジェレミー・スタイグ等、数えるほどしかいない。

ここでは、そのフルートを専門とする数少ないミュージシャンの中から、ヒューバート・ロウズの変わり種のフュージョン系アルバムをご紹介したい。

Hubert Laws『The Rite of Spring』(写真左)。1971年6月の録音。時代はクロスオーバー・ジャズが出現して、人気が出始めた頃。このアルバムはクロスオーバー・ジャズの専門レーベル、CTIからのリリース。

邦題は「春の祭典」。かのクラシックの名曲ストラビンスキーの「春の祭典」である。フュージョン全盛の時代、CTIIレーベルを代表する大ヒット・アルバムのひとつだ。
 

The_rite_of_spring

 
ヒューバートは、ジャズとクラシックの両分野で活躍する正統派ミュージシャンなので、恐らく、本アルバムの企画が持ち上がったのだろうと想像できる。

こういったクラシックの名曲をジャズやフュージョンのフォーマットで演奏する場合、そのアレンジが重要な鍵を握るのだが、このアルバムでは、ドン・セベスキーのアレンジも抜群に冴えている。

まあ、この表題曲の「春の祭典」の演奏もなかなかに良いのだが、春の雰囲気にあった楽曲といえば、冒頭の1曲目「パバーヌ」、3曲目「パンの笛」なんか、フルートの多重録音が効果的で、なんだか春の微風の中にとけ込んでいってしまいそうな、そんな心地良く、儚い感じが気持ち良い。

4曲目からラストは、バッハのブランデンブルク協奏曲第3番からのアレンジものだが、これはバッハのジャズ化の中でも、成功例に挙げられる名演だろう。フルートの音が効果的に旋律を奏で、その秀逸なアレンジと共に、なかなかに優れた演奏となっているのが立派だ。

夏の昼下がり、このアルバムを聴きながら、本を片手に昼寝するって、ちょっと良い感じじゃありません?
 
 
 
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2011年7月 1日 (金曜日)

フュージョン・フルートの秀作です

ヒューバート・ロウズ(Hubert Laws)。1939年11月生まれ。アフリカ系アメリカ人のジャズ・フルーティスト。万能のフルート奏者。1970年代にはグラミー賞に3回ノミネートされた様に、フュージョン・ジャズのジャンルで活躍した。現在も現役。90年代以降はメインストリーム・ジャズ志向。

僕は、フュージョン・ジャズ時代のヒューバート・ロウズについては、ほぼリアルタイムで聴いていて、ロウズのストレートでエッジが丸い、ふくよかで切れ味の良いフルートの音色が大好き。そんなロウズではあるが、彼のリーダー作の復刻はあまり進んでいないようで、まだまだたくさんの未CD化作品があって困る。

なぜなら、ヒューバート・ロウズのフルートの代表盤というのが、なかなか見当たらないからだ。彼のアルバムは多々録音されているが、これがなかなか復刻されない。確かに、ジャズ・フルートは、ちょっと特殊でマニアックな扱いをされているので、復刻CDの需要が無いと思われいるに違いない。そんな環境から、今まで、ヒューバート・ロウズの代表盤を選ぶことが出来ないでいた。

しかし、このアルバムを手に入れてから、やっと、このアルバムはヒューバート・ロウズの代表盤として評価しても良いのではと思った。そのアルバムのタイトルは『Morning Star』(写真左)。1972年の録音。

ちなみにパーソネルは、Hubert Laws(fl), Bob James (el-p), Ron Carter (b), Billy Cobham (ds), Dave Friedman(vib,per), Ralph MacDonald (per), orchestra arranged & conducted by Don Sebesky。CTIフュージョンのファースト・コールなジャズメンがズラリと並ぶ。壮観である。

ヒューバート・ロウズのフルートが心ゆくまで堪能出来るアルバムです。ロウズのストレートでエッジが丸い、ふくよかで切れ味の良いフルートが全編に渡って展開されます。ここまで吹きまくるロウズのアルバムは初めて。実は、僕はこのアルバムの存在を最近まで知らなかった。たまたまネットを彷徨っていて偶然見つけたアルバムでした。
 

Morning_star

 
いや〜、これが良いんですよ。アルバム全体の雰囲気は、ドン・セベスキーがアレンジを担当した、それはもう絵に描いた様なCTIフュージョン。ゴスペル色の強い深みのあるメロウなグルーヴが心地良い。このメロウ度の高さは、1970年代後半、AORの時代のアルバムか、と思うんだがさにあらず。1972年。時代は、まだまだクロスオーバー・ジャズの時代。でも、このアルバムに収録されている音は、フュージョン・ジャズそのもの。しかもソフト&メロウ。

パーソネルを見渡して、アレンジがドン・セベスキーなので、ボブ・ジェームスがエレピで参加していることに意味があるのかと思ったりしたんですが、これがまあ、意味があるんですよね。このアルバムでの、ボブ・ジェームスのエレピ(フェンダー・ローズだと思う)が凄いんですよ。

もともとボブ・ジェームスのエレピは優れたものなんですが、それがこのアルバムでのエレピの演奏を聴いて良く判る。それはもうテクニック抜群、歌心抜群、フェンダー・ローズを理解し、エレピならではの音を展開していく、このアルバムでのボブ・ジェームスは凄い。
 
これだけエレピを弾きまくるボブ・ジェームスはなかなか体験できません。それだけでもこのアルバムには存在価値がある。特に、ボブ・ジェームス者、ボブ・ジェームスのファンの方々には必須のアルバムでしょう。

ドン・セベスキーの弦のアレンジも秀逸で、弦入りのゴージャズなフュージョン・ジャズは、かなりの聴き応えです。牧歌的に仕上げられた「Amazing Grace」も聴きもの。良いアルバムです。やっとフューバート・ロウズの代表作に出会った気がします。
 
 
 
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Fight_3
 
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2010年5月11日 (火曜日)

ストレート・アヘッドなロウズ

昨日に比べて、ちょっとばかり喉の調子が快復してきた。けど、体調はイマイチ。といって休む訳にもいかず、騙し騙しの一日。今日は今日とて、疲れた身体、疲れた頭に、爽快感を感じさせてくれる、意外と硬派なフュージョン・ジャズを、と触手を伸ばす・・・。

さて、昨日に続いて、ヒューバート・ロウズの話題を・・・。ヒューバート・ロウズと言えば、どうしても、CTI時代のアルバムが思い浮かぶ。しかも、昨日の『Afro-Classics』や『The Rite of Spring(春の祭典)』のように、クラシックを素材としたフュージョン・アルバムが真っ先に思い浮かぶ。なんだか、クラシックを題材にした「フュージョン屋さん」みたいな印象が強い。が、である。ストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズもあるんですよ。最近、やっとこさCDで入手することが出来ました。

Hubert Laws 『In The Beginning』(写真左)。1974年録音。CTIでの2枚組アルバムです。2枚組ですよ。ヒューバート・ロウズの意気込みを感じるし、当時、高くて手が出なかった思い出も頭をよぎるし(笑)。

この2枚組アルバムが、なかなかストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズ的な内容で、ジャズ者初心者当時から、大学近くの隠れ家的な喫茶店で良くリクエストしました。なんせ2枚組ですからね。当時の資金力では到底手が出ませんでした(笑)。

収録曲を見渡して、それぞれの曲名を確認すると、このアルバムは、なかなかにストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズであることが想像できます。
 

Hlaws_beginning

 
SIDE-A
1.In The Beginning
2.Restoration

SIDE-B
1.Gymnopedie #1
2.Come Ye Disconsolate
3.Airegin

SIDE-C
1.Moments's Notice
2.Reconciliation
SIDE-D
1.Mean Lene

やはり、John Coltrane作の「Moment Notice」のカバーやラテン・リズムがユニークなSonny Rollins作の「Airegin」が目を惹きますね。

そして、パーソネルを見渡し、リズムセクションはと確認したら、Ron Carter (b), Steve Gadd (ds), Airto (per)。このリズムセクションが凄いリズムとビートを叩きだしている。特に、スティーヴ・ガッドのドラミングは、実にユニークかつ超絶技巧なドラミング。うねるようなビートが凄まじい。そして、加えて、Bob Jamesのキーボードのソロも凄まじき限りです。この時期に、こんなにエモーショナルに弾きまくるボブ・ジェームスも珍しい。 
 
そんな並外れたリズムセクションをバックに、実にストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズが繰り広げられます。当然、主役、フルートのヒューバート・ロウズも吹きまくる吹きまくる。エモーショナルに、テクニック豊かに、フリーキーに、はたまた堅実に、変幻自在にストレート・アヘッドなジャズ・フルートを聴かせてくれます。
 
最近、あまり話題にあがらない『In The Beginning』ですが、これは「買い」です。特に、1970年代、フュージョン・ジャズのファンの方々には一度聴いて頂きたい推薦盤です。疲れた身体、疲れた頭に、爽快感を感じさせてくれる、意外と硬派なフュージョン・ジャズです。 
 
 
 
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2010年5月10日 (月曜日)

米国ジャズ者はクラシック好き?

喉が痛くてたまらない。昨日は日曜日だというのに一日伏せっていた。今日はちょっと本業の方が故あって休めないときた。すこぶる体調が悪い。体調が悪い時は、純ジャズはいかん。ライトなフュージョンが良い。

なんか良いのはないかいな〜、と、ふと目にとまったのが、Hubert Laws(ヒューバート・ロウズ )の『Afro-Classic』(写真左)。ヒューバート・ロウズは、ジャズ・フルート奏者。ヒューバート・ロウズはクラシック教育もしっかり受けており、クラシックをジャズ風にアレンジしたフュージョンアルバムを幾枚か出している。

「CTIクラシックス・シリーズ」第2弾とのこと。米国ジャズ者の方々はクラシック曲が好きなのかしら。ジャズの世界でも、クラシック曲を題材にアレンジされた演奏が、そう言えば結構ありますよね〜。 このアルバムの収録曲も日本語訳の収録曲の曲名を並べた方が、このアルバムの特徴が良く判る。

1. ファイアー・アンド・レイン
2. バッハ,協奏曲第3番,ニ長調
3. ある愛の詩・テーマ
4. バッハ,のパッサカリア,ハ短調
5. モーツァルト,フルート・ソナタ,へ長調

はははっ〜(笑)。ほとんど「クラシック」集ですね。 ヒューバート・ロウズは、正式にクラシック教育受けていたとのこと、アレンジの内容も良く、演奏レベルも十分に高い。大々的にクラシックを取り入れたところは、実にヒューバート・ロウズらしい
 

Hubertlaws_afroclassic

 
ちなみに、パーソネルは、Hubert Laws(fl), Dave Friedman(vib), Ron Carter(b), Fred Waits(ds), Bob James(p,key) etc...。とりわけ、ボブ・ジェームスのキーボードが凄まじい。ロン・カーターのベースも結構入れ込んでいる。バックのメンバーの演奏も含めて、意外と聴き応えのある演奏が心地良い。

しかし、3曲目の「Theme from Love Story(ある愛の詩・テーマ)」には参ったなあ。これはもうテーマの演奏だけ聴けば、軽音楽、映画音楽そのもの。これがフュージョンかいな〜、と思っていたら、テーマが終わって、インプロビゼーション部に入ると、これがまあ、なかなか味のあるジャズ・フュージョンに早変わり。結構いける展開になんだか「ビックリ」(笑)。

全編、ヒューバート・ロウズのリーダーとしてのコントロールが効いていて、なかなか味のあるジャズ・フュージョン的演奏が聴ける。ジャズ・フュージョンとして、クラシック曲を題材とする時は、アレンジが全てであるが、このアルバムのクラシック曲のフュージョン・アレンジは「イケる」。クラシック臭さより、フュージョン臭さが勝っているところなど、クラシック曲好きのヒューバート・ロウズの面目躍如。ドン・セベスキーのアレンジ万歳である。

しかし、アルバム・タイトルの「Afro-」ってどこからきたのだろう。パーカッションを積極的に導入したところから「Afro-」としたらしい。う〜ん安易やなあ(笑)。実に「脳天気バンザイ」である(笑)。

大向こうを張った煌びやかな展開ではありませんが、聴けば聴くほど味のあるアレンジが粋な、なかなかの佳作だと思います。体調が悪い今日一日、このアルバムの演奏には癒されました。 
 
 
 
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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

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