2024年6月 3日 (月曜日)

聴かせる好企画盤『カルメン』

シビアで硬派で「即興が命」の純ジャズを聴き続けた合間、耳休めにウエストコースト・ジャズを聴くことが多い。

ウエストコースト・ジャズは、1950年代後半から1960年代全般にかけて、米国西海岸、ロスアンゼルス、サンフランシスコを中心に流行ったジャズの演奏トレンド。ハイテクニックを駆使して流麗で聴き心地の良いパフォーマンス、聴き手に訴求するキャッチーなアレンジ。「聴かせる」ジャズを旨とした、ジャズの演奏トレンドの一つ。

Barney Kessel『Modern Jazz Performances From Bizet's Opera Carmen』(写真左)。1958年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g, arr), André Previn (p), Victor Feldman (vib), Joe Mondragon (b), Shelly Manne (ds)。ここに、8人編成の管楽器がメインのコンボが付く。ジャズ白人3大ギタリストの一人、ウエスコースト・ジャズの代表的ギタリスト、バーニー・ケッセルのリーダー作。

ウエストコースト・ジャズを代表するメンバーで、オペラでお馴染みビゼーの「カルメン」をカヴァーした作品集である。ビゼーの「カルメン」からの編曲は、ケッセル自身が行っている。収録曲は以下の通り。

1)闘牛士の歌(Swingin' The Toreador)
2)セギディーリャ(A Pad On The Edge of Town)
3)お前、おれが好きなら(If You Dig Me)
4)恋は野の鳥(Free As A Bird)
5)行進曲(Viva El Toro!)
6)花の歌(Flowersville)
7)あんたのために踊るは(Carmen's Cool)
8)母の様子を教えておくれ(Like There's No Place Like)
9)ジプシーの歌(The Gypsy's Hip)
 

Barney-kesselcarmen  

 
こうやって、ジャズ化された曲を並べてみると、このビゼーの「カルメン」には、キャッチーなメロディーを持った、魅力的な曲が沢山あることが判る。また、これらをジャズに編曲した、ケッセルのアレンジ能力も素晴らしい。

演奏全体の雰囲気は明るくて楽しい内容。どこかで聴いたことのある、親しみのある、キャッチーなメロディーがジャズに乗って、演奏される。結構、俗っぽいメロディーを持った楽曲もあるのだが、優れたアレンジと演奏で、そんな俗っぽさをカバーしている。

この「カルメン」のカヴァー盤は、あくまで、ギターがメインの、ギターがフロントのパフォーマンス。管楽器のコンボがバックに付くが、ケッセルのギターの音は骨太でメロディアスなので、管楽器のコンボの音に、ケッセルのギターの音が埋もれることは無い。

プレヴィンのピアノの伴奏フレーズの妙が素晴らしい。フェルドマンのヴァイブは流麗で躍動感溢れメロディアス。マンの職人芸的、変幻自在のドラミング。バッキングを受け持つ、ウエストコースト・ジャズの名うての名手たちの演奏も優秀だが、あくまで、ケッセルのギターをサポートし、引き立てる役に徹していて立派だ。

1950年代には、米国の東西ジャズで、ミュージカルやクラシック、映画スコアのジャズ化が行われ、我が国では「キワモノ」として、硬派なジャズ者の方々からは敬遠される向きもあるが、このケッセルの『カルメン』は、キワモノとして、聴かず嫌いで敬遠するには惜しい、充実した内容をキープしている。

印象的なイラストのジャケットも良し。ハイテクニックを駆使して流麗で聴き心地の良いパフォーマンス、聴き手に訴求するキャッチーなアレンジ。「聴かせる」ジャズを旨とした、ジャズの演奏トレンド、ウエストコースト・ジャズの「好例」の一枚として、一聴をお勧めしたい好企画盤です。
 
 

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2024年4月25日 (木曜日)

「聴かせる」ジャズの真骨頂な盤

米国ウエストコースト・ジャズは、洒脱に小粋に「聴かせる」ジャズである。

この盤では、米国のウエストコースト・ジャズの真骨頂を聴く様な、どこから聴いても「ウエストコースト・ジャズ」な演奏がズラリと並んでいる。洒落たアレンジ、響きの美しいアンサンブル、テクニック溢れる洒脱なアドリブ展開、グループサウンズ優先の整った演奏。そんな、ウエストコースト・ジャズの個性をバッチリ反映した演奏がこの盤に詰まっている。

Barney Kessel『Music to Listen to Barney Kessel By』(写真左)。1956年8, 10, 12月の録音。1956年の3セッションからの選曲。ちなみにパーソネルは以下の通り。

1956年8月6日の録音は、Barney Kessel (g), Buddy Collette (fl, alto-fl, cl), Junie Cobb (oboe, English horn), George W. Smith (cl), Justin Gordon (cl, b-cl), Howard Terry (cl, b-cl, bassoon), André Previn (p), Buddy Clark (b), Shelly Manne (ds) で、2曲目「Makin' Whoopee」, 9曲目「Gone with the Wind」, 11曲目「"I Love You」, 12曲目「Fascinating Rhythm」を演奏。

1956年10月15日と12月4日の録音は、Barney Kessel (g), Ted Nash (fl, cl), Jimmy Rowles (p), Red Mitchell (b), Shelly Manne (ds) で、1曲目「Cheerful Little Earful」, 3曲目「My Reverie」, 4曲目「Blues for a Playboy」, 5曲目「Love Is for the Very Young」, 6曲目「Carioca」, 8曲目「Indian Summer」, 10曲目「Laura」を演奏。

ちなみに、1956年12月4日の録音の7曲目「Mountain Greenery」だけ、ピアノが Claude Williamson (p) に代わっている。
 

Barney-kesselmusic-to-listen-to-barney-k

 
演奏形態の基本は、ギター、フルート/クラリネット、ピアノ、ベース、ドラムのクインテット編成。ギターはケッセル、ドラムはシェリー・マンが全曲固定。フルート/クラリネット、ピアノ、ベースがセッション毎に担当が代わっている。加えて、1956年8月6日の録音には、クラリネット、バスクラ、バズーン、イングリッシュ・ホルンなどの木管楽器4本が追加で入って、重厚でウォームなアンサンブルを醸し出している。

選曲も良い。ウエストコースト・ジャズの洒脱で優れたアレンジが効果的に映える小粋なスタンダード曲が中心で、ウエストコースト・ジャズのジャズマン達の小粋な演奏が効果的に響く。

特に、この盤では、フルート/クラリネット、バスクラ、バズーンの木管楽器の存在がポイントで、この木管楽器が入ったアンサンブル、木管楽器のソロが、演奏全体をアーバンで洒落た「聴かせる」ジャズに仕立て上げている。逆に、柔らかな音質の木管楽器のアンサンブルをバックにすると、ケッセルの端切れ、切れ味の良いギターの音がグッと浮き上がってくる。良く考えて練られたアレンジ。さすが、ウエストコースト・ジャズ全盛期の作品である。

ウエストコースト・ジャズの「聴かせる」ジャズについては、ピアノ、ベース、ドラムのリズム・セクションの出来が重要になるが、この盤については、当時のウエストコースト・ジャズの名うての名手たちが集っているので、全く問題が無い。特に、全曲ドラムを担当しているシェリー・マンのドラミングは見事。ベースを担当するバディ・クラーク、そして、レッド・ミッチェルも職人気質で堅調なベースラインを供給して見事。

全編、ウエストコースト・ジャズの「聴かせる」ジャズな演奏なので、ポップで聴き易く、心地良い響きがどこかイージーリスニング風に聴こえることがあるが、曲のアレンジ、奏でられるアンサンブル、演奏者個々の高度な演奏テクニックなど、立派なモダン・ジャズである。ウエストコースト・ジャズの実力のほどが、この盤の演奏から垣間見える。ウエストコーストのハードバップな秀作です。
 
 

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2024年4月17日 (水曜日)

好盤 『Kessel Plays Standards』

バーニー・ケッセルのギターは、チャーリー・クリスチャンを源とするビ・バップ・ギターを洗練させ、ビ・バップ・ギターの奏法を取りまとめて、ひとつのスタイルとして完成させたもの。コード弾きを織り交ぜたシングル・トーンの旋律弾き、伴奏に回った時のクールなコード弾きのカッティング、太いトーンでホーンライクに弾きまくるアドリブ・フレーズ。

バーニー・ケッセルのギター奏法は、源にチャーリー・クリスチャンのモダン・ジャズ・ギターが見え隠れする。このバーニー・ケッセルのギターは、モダン・ジャズ・ギターの原型のひとつだと感じる。同じオリジンのギタリストにウェス・モンゴメリーがいるが、ウェスのギターは硬派で骨太で豪快でストイック。ケッセルのギターは温和でフレーズが小粋でキャッチー。

Barney Kessel 『Kessel Plays Standards』(写真左)。1954年6月4日、7月1日、1955年9月12日の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

1954年6月4日の録音は、1曲目「Speak Low」、3曲目「On a Slow Boat to China」、8曲目「Prelude to a Kiss」、9曲目「A Foggy Day」。パーソネルは、Barney Kessel (g), Bob Cooper (ts, oboe), Claude Williamson (p), Monty Budwig (b), Shelly Manne (ds).。

1954年7月1日の録音は、2曲目「Love Is Here to Stay」、4曲目「How Long Has This Been Going On?」、7曲目「Barney's Blues」、12曲目「64 Bars on Wilshire」。パーソネルは1954年6月4日の録音と同じ。

1955年9月12日の録音は、5曲目「My Old Flame」、6曲目「Jeepers Creepers」、10曲目「You Stepped Out of a Dream」、11曲目「I Didn't Know What Time It Was」。パーソネルは、Barney Kessel (g), Bob Cooper (ts, oboe), Hampton Hawes (p), Red Mitchell (b), Chuck Thompson (ds)。

選曲が振るっている。タイトル通り、この盤はスタンダード曲集なんだが、いわゆる「皆がよく知っている」有名スタンダードは殆ど選曲されていない。
 

Barney-kessel-kessel-plays-standards

 
洒落た小粋な隠れた名曲的なスタンダード曲を選曲しているのに感心する。さすがウエストコースト・ジャズ。洒落た聴かせるアレンジを施すと、さらにその曲の魅力が増す様な、洒落た小粋な隠れた名曲的なスタンダード曲がずらり。

パーソネルを見渡せば、3セッションとも、米国ウエストコースト・ジャズの精鋭達が勢揃い。演奏全体の雰囲気は明らかに「米国ウエストコースト・ジャズ」。洒落た聴かせるアレンジ、その聴かせるアレンジに乗って、バーニー・ケッセルが、小粋で疾走感溢れるギターをバリバリ弾きまくる。

曲の旋律を弾くケッセルのギターに、寄り添う様にユニゾン&ハーモニーの相棒を務める「不思議な」音のする楽器が目立つ。この「聴き慣れない」楽器の音は、なんとオーボエ。主楽器がテナー・サックスのボブ・クーパーが、このオーボエを吹いている。

恐らく、ギターとユニゾン&ハーモニーをする際、テナーだとテナーの音が勝ってしまって、ギターの音が隠れてしまうのを防ぐ為だったかもしれない。でも、このオーボエ、ユニークな音なのだが、ちょっとテクニックが拙くて、別に無くても良かったのになあ、と思ってしまう。とにかく、拙いオーボエの音が気になって、どうもいけない。

ケッセルのギターは申し分無い。コード弾きを織り交ぜたシングル・トーンの旋律弾き、伴奏に回った時のクールなコード弾きのカッティング、太いトーンでホーンライクに弾きまくるアドリブ・フレーズ。ウエストコースト・ジャズを代表するバップ・ギター。小粋でキャッチーな「聴かせる」フレーズをバンバン弾きまくる。

バックのリズム隊は2編成存在するが、どちらも米国ウエストコースト・ジャズの精鋭達が担当しているので、音の雰囲気に違和感は無い。小粋で洒落た、クールで聴かせるリズム&ビートを供給、フロントのケッセルのギターを鼓舞し、ガッチリとサポートする。

ケッセルの代表盤に挙がることが少ない初期のリーダー作だが、内容の充実度は高い。ケッセルのギターの個性と特徴が、洒落た小粋な隠れた名曲的なスタンダード曲の演奏を通じて、クッキリと浮かび上がる。ボブ・クーパーのオーボエの存在だけがマイナス要素だがクーパーに罪は無い。このオーボエだけを気にせず聴くと、このスタンダード曲集、なかなかの好盤だと思うのだがどうだろう。
 
 

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2020年4月29日 (水曜日)

西海岸の「逆・ジャケ買い」盤 『Some Like It Hot』

さすがにこのジャケットでは「ジャケ買い」は無い。「ジャケ買い」とは、ジャケットがデザイン良く洒落ていて、リーダーや内容を確認せずに買うこと。ジャズにおいては「ジャケ買い」で好盤に当たる確率が高い、と言われる。まあ、このジャケットであれば「逆・ジャケ買い」盤と言えるかな。

Barney Kessel『Some Like It Hot』(写真左)。1959年3ー4月の録音。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Joe Gordon (tp), Art Pepper (as, ts, cl), Jack Marshall (g), Jimmy Rowles (p), Monty Budwig (b), Shelly Manne (ds)。3曲目と11曲目が、ケッセルのギターとバドウイッグのベースのデュオで、他はケッセルをリーダーにしたセプテット構成。

この盤は、タイトルからピンときたら、あなたは米国コメディ映画マニア、ビリー・ワイルダー監督のコメディ映画「お熱いのがお好き」(マリリン・モンロー、トニー・カーティス、ジャック・レモン出演の有名コメディ映画)のタイトル曲をはじめ、この映画に使われた曲をピックアップして収録した企画盤である。
 
 
Some-like-it-hot  
 
 
パーソネルを見渡すと、さしずめ米国西海岸ジャズのオールスターズの面持ちで、これは内容的にかなり期待出来る。しかも、アルト・サックスに、アート・ペッパーが担当している。しかも、ペッパーはクラリネットも吹いていて、ペッパー・マニアには貴重な録音になる。ロウルズ、バドウイック、マンのリズム・セクションも玄人好みに粋な人選である。

内容と言えば、リーダーのバーニー・ケッセルをはじめ、各メンバーがとってもご機嫌な演奏を繰り広げている。スインギーで洒落ていて、米国西海岸ジャズのサウンドが盤全体に充満している。スインギーで洗練されたギタースタイルで鳴らしたケッセルが好調に弾きまくっている。ペッパーが舞い上がるようなアルト・ソロをとる「Runnin' Wild」と「By The Beautiful Sea」も聴きもの。

アレンジ良好、軽妙なスイング感が心地良く、さすが「聴き手」を意識した、聴き応えのあるジャズを展開している。この盤のジャケットは、どう見てもジャズ盤のジャケットには見えない。何かのミュージカルの楽曲集ぐらいにしか見えないのだが、これが、真っ当で内容確かなジャズ盤なのだから恐れ入る。
 
 

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2019年11月 5日 (火曜日)

西海岸ジャズの入門盤の一枚 『Easy Like』

米国西海岸ジャズでは、ジャズ・ギターの活躍の場が多いような気がする。西海岸ジャズは演奏全体がしっかりアレンジされていて、そのアレンジの中で洒脱でアーバンな雰囲気を創り出す際、ギターの音色が欠かせないのではないか、と睨んでいる。そんな西海岸ジャズの代表的なギタリストと言えば「バーニー・ケッセル(Barney Kessel)」。

西海岸ジャズのアルバムを聴いていて「洒脱でクールで端正」なハイテク・ギターが出てきたら、ほぼ間違い無く「バーニー・ケッセル」である。トーンも明瞭で耳当たりの良いエッジの立ち具合。ウォームではあるが、音の芯はしっかりと聴き取れる、王道を行くギターの音色。西海岸ジャズの中では、バーニー・ケッセルが「ファースト・コール」なギタリストである。

Barney Kessel『Easy Like』(写真)。1953年は11月14日と12月19日、1956年は2月23日の録音。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Buddy Collette, Bud Shank (as, fl), Arnold Ross, Claude Williamson (p), Harry Babasin, Red Mitchell (b), Shelly Manne (ds)。こうやって、パーソネルの顔ぶれを見ると、西海岸ジャズの名手達、大集合である。
 
 
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バーニー・ケッセルは米国西海岸ジャズを代表するギタリストの一人。洒脱でクールで端正。演奏全体がしっかりアレンジされていて気持ち良く聴けるが、決してイージーリスニングには陥らない。ケッセルはこの盤で、一躍有名になった。小粋な西海岸ジャズ・ギターというキャッチがバッチリ合う、お洒落でウォームで和みのあるギターの音。人気が出て然るべき、である。

この盤に詰まっている演奏自体が「米国西海岸ジャズ」。言い換えると「ウエストコースト・ジャズ」。ジャズ・ギターの小気味良いフレーズ、爽やかに典雅に響くフルート、お洒落にアレンジされ聴き心地抜群な、ギターとアルト・サックスとピアノのユニゾン&ハーモニー。控えめではあるがしっかりと骨太なベース。洒脱なテクニックで「聴かせてくれる」ドラム。出て来る音は明らかに「西海岸ジャズ」。

バーニー・ケッセルは1947〜1960年までの間、各ジャズ雑誌の年間最優秀ジャズ・ギタリストに幾度も選出されている。この雰囲気のギターである。人気が出るのも頷ける。そんなケッセルのリーダー作の中でも、この『Easy Like』は出色の出来。この盤は『Gerry Mulligan Quartet Vol.1』と同様、どこから聴いても「米国西海岸ジャズ」。米国西海岸ジャズの入門盤の一枚である。
 
 
 
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2016年10月26日 (水曜日)

こんなアルバムあったんや・69 『Live At The Jazz Mill』

こういう音源がいきなり「コロッ」と出てくるから、ジャズは隅に置けない。必ず、ジャズ情報誌やネットでのジャズCDのリリース情報、それも国内だけでは無く、米国やドイツなど、海外の情報もしっかりとチェックしておく必要がある。

Barney Kessel『Live At The Jazz Mill』(写真左)。今年いきなり、こんな「未発表音源」がリリースされた。ジャズ・ギターのレジェンドの一人、バーニー・ケッセルのライブ音源。1954年の録音。当時ジャック・ミラーというジャズ・ファンがテープ・レコーダーに残していたもの。

ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Pete Jolly (p), Gene Stoffell (b), Art Kile (ds)。米国西海岸のジャズメン中心のチョイスと見える。まだ、時代は1954年。ハードバップの萌芽期。バックのリズム・セクションは、ビ・バップの「リズム&ビートを刻み続ける役割」を忠実に果たしている。
 

Barney_kessel_live_at_the_jazz_mill

 
このライブ盤では、明確にギターのバーニー・ケッセルだけが突出している。テープ・レコーダーでの録音なので、音は中の下程度。ちょっと「もやって」いて、音の輪郭もぼけている。それでも、ケッセルの弾き出すアドリブ・フレーズは迫力満点。音はイマイチではあるが、これだけケッセル節を楽しめる盤はなかなか無い。

バーニー・ケッセルのギターは、チャーリー・クリスチャンの延長線上にある、とジョンスコは言った。このライブ盤の高速アドリブ・フレーズを聴きながら、そんなジョンスコの「ケッセル評」を思い出した。確かに、ケッセルのギターの基本は「ビ・バップ」。しかし、その「ビ・バップ」に留まらない、イマージネーションと展開の妙を演奏のそこかしこに感じる。

Arizona州 Phoenixのライブ・ハウス「The Jazz Mill」での私蔵ライブ音源。音は「イマイチ」だが、ケッセル節は堪能できる、そんなジャズ者中級盤。ジャケットもオールディーズな雰囲気で「マル」。久し振りに「ケッセル節」を堪能させてもらいました。
 
 
 
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2015年11月 9日 (月曜日)

このライブ盤のケッセルは凄い 『On Fire』

バーニー・ケッセル(Barney Kessel)は、モダン・ギターの開祖チャーリー・クリスチャン直系のギタリスト。しかし、ケッセルのギターはシンプルで判り易い。テクニックも確かではあるが、そのテクニックに頼ること無く、流麗で判り易いフレーズを聴かせてくれる。

そんなケッセルではあるが、1961年、コンテンポラリーへの録音後はスタジオ・ミュージシャンとして多忙な日々を送っていた。まあ、ケッセルのツアー嫌いが原因ではあるが、ジャズ・シーンからすっかり遠のいていた。が、何を思ったか、1966年、ライブ盤を録音する。

そのライブ盤とは、Barney Kessel『On Fire』(写真左)。ハリウッドのジャズクラブ「PJ’S」でライブ録音されたもの。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Jerry Scheff (b), Frankie Capp (ds)。Emerald という超マイナー・レーベルからのリリースで、その希少性から「幻の名盤」として注目されてきた。

1980年代の初めにLPで復刻された時は酷い音質だったらしい。マスターテープが行方不明で、ディスク(LP)から直接ダビングしたことが原因なんだが、1980年当時の機材でそれは乱暴以外の何物でも無い。そりゃ〜あかんやろう。その話を雑誌で読んでいたので、CDで復刻された時もまずは「敬遠」。雑誌やネットでの評判を聞いて、やっとのことで購入。

しかし、なんとまあ、派手派手しい、チープな香りがプンプンする思いっきり俗っぽいジャケットである。このジャケットを見れば、まず、触手を伸ばすことは無いだろうな。このアルバムの内容を知ってしか、このジャケットを持つアルバムに手を出すことは無いだろう。
 

On_fire

 
現在リイシューされているCDを聴くと、まずは「まあまあ」の音質にホッとする。確かにちょっと霞がかかったような、音の抜けの悪さはあるが、1940年代後半の録音と思えば、まずまず納得出来る音質。十分に鑑賞には耐える。マスターテープが行方不明なのは相変わらずみたいだが、最近の機材の進歩によって、リミックスやノイズ処理が上手くなされているのだろう。

で、その内容はと言えば、アルバム・タイトル通り「On Fire!」(笑)。火の出るような、活き活きとしたギターを聴かせる。このライブ盤でのケッセルは実にアグレッシブで、流麗で判り易いフレーズではあるが、実にダイナミックでポジティブなソロに思わず身を乗り出して聴いてしまう。

熱いテクニックにビックリの「Slow Burn」から始まり、「いそしぎ」や「リカード・ボサノバ」というポピュラーなボサノバ曲が、ライトで親しみ易いアクセントを醸し出し、味のあるフレーズ満載の「Who Can I Turn To」でグッと耳を奪いつつ、ラテン・タッチの「One Mint Julep」で楽しくエンディングという流れ。この収録曲の流れもこのライブ盤の魅力。

バーニー・ケッセルのギターの「真の実力」をバッチリと感じることが出来る好盤です。最近のリイシュー盤は音質もまずまずで、最近のリイシュー盤に限って、ジャズ者万民にお勧めです。まあ、ジャケットのチープさは大目に見てやって下さい(笑)。
 
 
 
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2015年11月 6日 (金曜日)

ケッセルの本質を楽しむ 『To Swing or Not to Swing』

ジャズ・ギターを聴き続けて来て、最近、やっとこういうシンプルで枯れた、木訥な味わいのジャズ・ギターがお気に入りになったのは、つい最近のことである。

それまでは、若かりし頃、ロックからジャズに入った経緯と、エレクトリック・ジャズがお気に入りだったこともあって、どうしても、アタッチメントを駆使して様々な音色を紡ぎつつ、目眩く万華鏡のようなエレギが大好きで、どうも、1950年代以前の木訥な味わいのジャズ・ギターが、どうにも退屈だった。

でも、今ではそんなことは無い。木訥な味わいのジャズ・ギターの中に、味わいのある高度なテクニックとシンプルなギターの音の中にそこはかとなく滲み出る「侘び寂び」が、なんとも心地良く感じる様になったのだ。どうしてかなあ。まあ、歳をとるということはそういうことかもしれない(笑)。

そんなシンプルで枯れた、木訥な味わいのジャズ・ギターの中で、お気に入りの一枚が、Barney Kessel『To Swing or Not to Swing』(写真左)。1955年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Harry Edison (tp), Georgie Auld, Bill Perkins (ts), Jimmy Rowles (p), Al Hendrickson (g), Red Mitchell (b), Irv Cottler, Shelly Manne (ds)。
 

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タイトルに「Swing」の文字が目に付くが、このアルバムに詰まっている音は「スイング・ジャズ」の音である。パーソネルもスイング・ジャズの名手達が集っているように感じる。1955年のハードバップ初期の時代に、米国西海岸ジャズの中での「スイング・ジャズ」。なんともはや「粋」である。

コンテンポラリー・レーベルに残されたケッセルの作品の中でも、かなりトラディショナルな内容なので、モダン・ジャズのファンからはあまり注目されないアルバムではあるんですが、このスイング・ジャズな雰囲気のジャズ・ギターはなかなかに味わいがあります。ケッセルのルーツを感じる上でも、重要な位置づけのアルバムですね。

ケッセルのギターの基本は「スインギー」。この『To Swing or Not to Swing』を聴けば納得の一枚です。ちなみにタイトルを直訳すると「スイングするか、スイングしないか」。これって、ハムレットの「To be, or not to be(生きるべきか、死ぬべきか)」のもじりでしょうね。お後がよろしいようで(笑)。
 
 
 
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2015年1月19日 (月曜日)

ジャズ・ギターを愛でるには.. 『Poll Winners』

Charlie Christian(チャーリー・クリスチャン)は、モダン・ジャズ・ギターの祖とされる。しかし、ジャズ者初心者の方々に、チャーリー・クリスチャンの諸作を「モダン・ジャズ・ギターの祖とされる」理由が良く判るから聴け、というのはちょっと無理がある。

それでは、モダン・ジャズ・ギターを感じ、理解するにはどうしたら良いか。早い話、ジャズ者初心者の方々向けのモダン・ジャズ・ギターの入門盤はどれか、ということになる。ということで、さてさて、と思いを巡らせる。

まず浮かぶのが、Barney Kessel, Shelly Manne, Ray Brownのトリオ盤『Poll Winners』(写真左)。1956年度の『ダウンビート』、『メトロノーム』、『プレイボーイ』各誌における人気投票でポールウィナー(ナンバーワン)になったプレイヤーを集めた企画盤。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g・写真右), Shelly Manne (ds), Ray Brown (b)。1957年3月の録音。

バーニー・ケッセルのギターは、チャーリー・クリスチャンを源とするビ・バップ・ギターを洗練させ、ビ・バップ・ギターの奏法を取りまとめて、ひとつのスタイルとして完成させたもの。コード弾きを織り交ぜたシングル・トーンの旋律弾き、伴奏に回った時のクールなコード弾きのカッティング、太いトーンでホーンライクに弾きまくるアドリブ・フレーズ。

バーニー・ケッセルのギター奏法は、源にチャーリー・クリスチャンのモダン・ジャズ・ギターが見え隠れする。このバーニー・ケッセルのギターは、モダン・ジャズ・ギターの原型のひとつだと感じる。

ベースのレイ・ブラウンのテクニックも凄まじいものがある。ブンブンと重低音を響かせつつ「のし歩く」、重戦車のようなウォーキング・ベース。ベースの胴鳴りを感じつつ、中高音を駆使して、ベースをしてホーンライクに弾きまくるアドリブ・フレーズ。
 

Poll_winners

 
ドラムのシェリー・マンも相当に多彩なドラミングを聴かせてくれる。さすが西海岸ジャズのドラムの雄、乾いたスネアの音、硬質なタムタムの音、響きがシャープなシンバル、タイトに響くバスドラ。西海岸ジャズ独特の多彩で豊かなドラミングを、テクニックを駆使して、これでもか、という感じで聴かせてくれる。

この『Poll Winners』というトリオ盤は、ジャズ者初心者の方々向けのモダン・ジャズ・ギターの入門盤として最適な盤である。が、このアルバムを愛でるには、まずまずの性能の再生装置で聴いて欲しい。

1950年代のジャズ・ギターの再生は苦労する。もともと音が細い。繊細といっても良い位の線の細さ。そんなジャズ・ギターのフレーズをしっかりと捉えるには、そこそこの性能の再生装置が必要と感じている。チープな再生装置だと、ギターの音が薄くなる。とても貧弱な音になるので、聴いていてつまらなくなる。それでは元も子もない。

レイ・ブラウンのベースもそうだ。チープな再生装置だと、重低音の部分、胴鳴りの部分、弦鳴りの部分が聴き分けられない。ギターとドラムの音にかき消されて、ベースの存在が無くなる。そうすると、トリオ演奏がスカスカになる。これはまずい。

シェリー・マンのドラムは、さすがにドラムなので、チープな再生装置でも埋もれることはないが、細かなニュアンスが伝わらない。ドラムの叩く部分しか響かず、マンの多彩なドラミングの違いとニュアンスを感じることが出来ない。アルバムを聴き進めるうちに、リズム&ビートに飽きが来る。

ジャズ者初心者とは言え、モダン・ジャズ・ギターを感じ、理解するには、そこそこの再生装置で聴くことをお勧めする。この『Poll Winners』という盤も、再生装置次第で、名盤にもなれば、スカスカ薄々の駄盤にもなる。

しかし、再生装置を選べば、モダン・ジャズ・ギターとはいかなるものか、を十分に感じることが出来る。ジャズ・ギターを愛でるには、アルバムの再生装置に気を遣う。
 
 
 
★震災から3年10ヶ月。決して忘れない。まだ3年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2009年6月30日 (火曜日)

『The Poll Winners Ride Again!』

ジャズのアルバムには、演奏のニュアンスや雰囲気によって、良いステレオ装置で聴きたくなるアルバムがある。

録音状態が良くて、各楽器の音が生々しく聴こえるものや、演奏の強弱のメリハリが効いていて、静的な演奏の部分に微妙なニュアンスが垣間見えて、その微妙なニュアンスが聴きどころなもの、などは、どうしても良いステレオ装置で聴きたくなる。

今回聴いた『The Poll Winners Ride Again!』(写真左)の、そんな「良いステレオ装置で聴きたい」一枚である。Poll Winners(ポール・ウイナーズ)とは、バーニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、シェリー・マン(ds)の3人で結成されたトリオ。人気投票で各楽器ジャンルで一位に選ばれた3人による、所謂「ドリーム・トリオ」である。

ファーストアルバムは、2009年4月25日のブログ(左をクリック)でご紹介した『The Poll Winners』。スタンダード曲を中心に、3人の職人芸的な演奏が素晴らしい名盤である。この『The Poll Winners』の好評を受けて、この『Poll Winners Ride Again』は、ポール・ウイナーズのセカンド・アルバムである。

冒頭の「Be Deedle Dee Do」の3者のピッタリと息の合ったユニゾンを聴くだけで、決してファーストアルバムの二番煎じではない、二番煎じどころか、3者が本腰を入れて、十分にリハーサルを積んで、このポール・ウイナーズの演奏に取り組んでいる様子が良く判る。

その後に出てくるレイ・ブラウンのベースの「ゴリゴリ、ブンブン」と生々しく迫力のあるベースの音。今回のアルバムの収録において、レイ・ブラウンの気合いの入りようが音に現れている。アルバム全編に渡って、レイ・ブラウンのベースの音が凄い迫力で鳴り響く。
 

Poll_winners_ride_again

 
そして、バーニー・ケッセルが凄まじい疾走感を持って、ギターを弾きまくる。凄いスイング感、素晴らしいスピード感。バーニー・ケッセルのギターってこんなに凄かったっけ、とビックリするような「カッ飛び」ギターである。

そして、気合い入りまくりの二人をガッチリサポートし、お洒落な合いの手を入れる、職人芸的なシェリー・マンのドラム。繊細かつ硬軟自在なシェリー・マンのドラミングにも、気合いの入れようが感じ取れて、聴いていて、ドキドキ、ワクワクする。収録されたどの曲も素晴らしい演奏です。

3人3様に、硬軟自在、緩急自在、音の「強弱、濃淡、メリハリ」が実に効いていて、素晴らしいトリオ・インプロビゼーションです。このアルバム、1958年の録音なのですが、意外と録音が良いので、3人一体となって、素晴らしいテクニックに裏打ちされたインプロビゼーションのニュアンスを心ゆくまで楽しむには、是非とも「良いステレオ装置」で聴きたいアルバムです。

音の「強弱、濃淡、メリハリ」が、かなり効いた演奏ばかりですので、この『Poll Winners Ride Again』は、iPodで聴くにはちょっと物足りないと思います。特に、歩きながらとか電車の中では、細かい演奏のニュアンスが聴き取れない。勿体ないです。

是非とも「良いステレオ装置」で聴きたいアルバム。こんなアルバムは、本格的なジャズ喫茶でリクエストしたいですね。本格的なジャズ喫茶は、どこも「ステレオ装置」については優れたものばかりです(所謂、商売道具ですからね)。一度、有名ジャズ喫茶で、この『Poll Winners Ride Again』をリクエストしてみたいものです。どんな音で鳴るのでしょうか。
  
  
  
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