2022年10月25日 (火曜日)

ウエストコースト・ジャズの頂点

シェリー・マンは、米国ウエストコースト・ジャズの代表的ドラマーであったと同時に、ウエストコースト・サウンドの体現者でもあった。ドラマーとしても超一流だが、バンド・サウンドのプロデュース&コントロールについても優れた実績を残している。シェリー・マンのリーダー作を聴くと、米国ウェストコースト・ジャズの音が、たちどころに判る、と言っても良い。

Shelly Manne and His Men『Vol.4・Swinging Sounds』(写真左)。1956年1ー2月の録音。ちなみにパーソネルは、Shelly Manne (ds), Stu Williamson (tp, valve-tb), Charlie Mariano (as), Russ Freeman (p), Leroy Vinnegar (b)。ウィリアムソンのトランペット&トロンボーン、マリアーノのアルト・サックスのフロント2管、リーダーのマン、ピアノのフリーマン、ベースのヴィネガーのリズム・セクションのクインテット編成。

収録全曲、とてもウエストコースト・ジャズらしいアレンジが施されている。フロント2管のユニゾン&ハーモニーの響きだけで、この盤はウエストコースト・ジャズの盤だということが判るくらいの、典型的なウエストコースト・ジャズのアレンジ。この盤を聴くだけで、ウエストコースト・ジャズのアレンジの特徴と個性が把握できる。
 

Shelly-manne-and-his-menvol4swinging-sou

 
バド・パウエルのビ・バップの名曲「Un Poco Loco」まで、ウエストコースト・ジャズのアレンジで染められて、フロント2管のユニゾン&ハーモニーで「Un Poco Loco」のテーマを奏でると、「Un Poco Loco」の持つ素晴らしいフレーズがグッと浮き出てくる。「聴かせる」、さすが「聴いて楽しむ」、ウエストコースト・ジャズの面目躍如である。

演奏メンバーのパフォーマンスもそれぞれ好調で聴き応えがある。そんな中でも、やはり、リーダーのマンのドラミングが傑出している。相当に高いテクニックと「歌心」を感じさせるドラミングは、ジャズの歴代のドラマーの中でも「指折り」だろう。特に、この盤でのマンのドラミングは素晴らしい。

このマンのリーダー作を聴くと、録音年の1958年、ウエストコースト・ジャズは、更なる進化の「のりしろ」が見当たらないくらい、完全に成熟していたことが良く判る。ウエストコースト・ジャズのアーティステックな頂点を捉えた名盤だろう。
 
 

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2022年10月13日 (木曜日)

米国西海岸ジャズのお手本

米国西海岸ジャズを代表するドラマーと言えば、シェリー・マン(Shelly Manne)。というか、シェリー・マンしか浮かばないほど、シェリー・マンのドラマーとしての存在は突出している。

Shelly Manne and His Men『Vol.1 : The West Coast Sound』(写真左)。1953年4月, 7月, 9月の3つのセッションの寄せ集め。シェリー・マンの2枚目のリーダー作。フロントは、トロンボーン、バリサク、テナー、アルトの4管フロント。リズム隊はスタンダードな「ピアノ・ベース・ドラム」。全部合わせて、セプテット(七重奏団)構成。米国西海岸ジャズお得意の「アレンジ」が映える大人数の編成である。

ちなみにパーソネルは、Shelly Manne (ds), Bob Enevoldsen (valve-tb), Jimmy Giuffre (bs) の3人は3つのセッションに全参加。セッション毎の参加については、1953年4月と7月の2セッション参加は、Bob Cooper (ts), Marty Paich (p)。1953年4月のみは、Art Pepper (as), Curtis Counce (b)。1953年7月のみは、Bud Shank (as), Joe Mondragon (b)。1953年9月はガラッと変わって、Joe Maini (as), Bill Holman (ts), Russ Freeman (p), Ralph Peña (b)。

米国西海岸ジャズらしく、アレンジは6人が分担して担当している。が、このシェリー・マンの3つのセッションについては。6人のアレンジ担当が分担しているにも関わらず、当時の米国西海岸ジャズの音の傾向をしっかり踏まえた、バラツキの無い、一貫性のあるアレンジになっているのには感心する。
 

Vol1-the-west-coast-sound

 
いわゆる、小粋で洒落たアレンジを施し、演奏者の高テクニックと豊かな歌心による、「聴かせる」ジャズ &「鑑賞する」ジャズ。そんな米国西海岸ジャズのお手本の様なジャズが、このアルバムの中にギッシリ詰まっている。

しかも「聴かせる」ジャズに必須アイテムのスタンダード曲が、アルバム全12曲中、半分の6曲。残りの6曲は、セッション参加メンバーのオリジナル曲なんだが、これがなかなかの出来。スタンダード曲の中に混じりながら、メンバーのオリジナル曲に違和感が無い。洒落たアレンジを施されて、スタンダード曲と並べて遜色の無い、メロディアスでキャッチャーなフレーズを持った佳曲の数々。

3セッションの参加メンバーは、何れも米国西海岸ジャズの名手揃い。この盤が録音されたのは1953年。この1953年で、米国西海岸ジャズの「音の志向」は確立されていたことが良く判る。「小粋で洒落たアレンジ」と「演奏者の高テクニックと豊かな歌心」。この2要素が、米国西海岸ジャズにおいて重要であることが、この盤を聴いていて良く判る。

名手シェリー・マンのドラミングについては申し分無い。米国西海岸ジャズにおける、ドラマーの第一人者であることが良く判る。演奏全体の出来も米国西海岸ジャズらしくて良し、リーダーのマンのドラミングも良し。申し分無い、マンの2枚目のリーダー作である。
 
 

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2022年10月 9日 (日曜日)

シェリー・マンの初リーダー作

最近、ドラマーがリーダーのアルバムを聴き直している。特に、エルヴィン・ジョーンズ、ロイ・ヘインズを中心に聴き直していて、今の耳で聴くと、以前、若かりし頃に聴いた印象とは異なる音、もしくは、若かりし頃には気が付かなかった音が聴けて面白い。

そんな中、まだ、有名なジャズ・ドラマーを忘れているぞ、と思って、ライブラリーを見渡したら、米国ウエストコースト・ジャズのレジェンド・ドラマーであるシェリー・マンのリーダー作をしばらく、聴き直していないのに気がついた。これはこれは、大物ドラマーを見落としていた。即、ライブラリーからリーダー作をチョイスして、聴き直しを始めた。

Shelly Manne『The Three & The Two』(写真左)。"The Three" が 1954年9月10日、"The Two" が 同年9月14日の録音。ちなみにパーソネルは、"The Three" が、Shelly Manne (ds), Jimmy Giuffre (cl, ts, bs), Shorty Rogers (tp)。"The Two" が、Shelly Manne (ds), Russ Freeman (p)。リリース順でいくと、シェリー・マンの初リーダー作になる。

かなり変則な編成である。"The Three" が、リーダーのドラムに、クラリネット&サックス、トランペットの変則トリオ。"The Two" が、リーダーのドラムにピアノのデュオ編成。メンバーそれぞれの演奏力がとても高く、アレンジが優れているので、各曲の演奏それぞれが凄く充実している。
 

Shelly-mannethe-three-the-two

 
演奏の密度、演奏の充実度、演奏のレベル、どれもがかなり「高い」。トリオ演奏、デュオ演奏とは思えないほどである。特に「Autumn in New York」や「Steeplechase」「Everything Happens to Me」「With A Song In My Heart」など、スタンダード曲に、そんな「演奏の妙」が炸裂している。

リーダーがドラマーである。そして、ウエストコース・ジャズ全盛期の録音である。当時のウエストコースト・ジャズの大きな特徴である「優れて洒落たアレンジ」が、シェリー・マンのドラミングを引き立たせ、シェリー・マンのドラミングの妙を前面に押し出している。そして、演奏メンバーそれぞれが、そんな「優れて洒落たアレンジ」に、余裕を持って応えている。

そんな演奏の中、シェリー・マンのドラミングのテクニックは素晴らしいものがある。硬軟自在、変幻自在、緩急自在、シンバルワークのテクニックから、叩き出すリズム&ビートの洗練度合いまで、ウエストコースト・ジャズ独特の個性を反映した「聴かせるドラミング」がアルバムにギッシリ詰まっている。

採用理由は判らないが、異色のペンギンのイラスト・ジャケットが印象深い。可愛いジャケットだが、中身は硬派なハードバップ。ベースレス&ピアノレスの変則トリオ編成とドラムとピアノという異質なデュオ編成。実験的アプローチ満載のシェリー・マンの、とってもウエストコースト・ジャズらしい初リーダー作。名盤である。
 
 

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2015年1月19日 (月曜日)

ジャズ・ギターを愛でるには...

Charlie Christian(チャーリー・クリスチャン)は、モダン・ジャズ・ギターの祖とされる。しかし、ジャズ者初心者の方々に、チャーリー・クリスチャンの諸作を「モダン・ジャズ・ギターの祖とされる」理由が良く判るから聴け、というのはちょっと無理がある。

それでは、モダン・ジャズ・ギターを感じ、理解するにはどうしたら良いか。早い話、ジャズ者初心者の方々向けのモダン・ジャズ・ギターの入門盤はどれか、ということになる。ということで、さてさて、と思いを巡らせる。

まず浮かぶのが、Barney Kessel, Shelly Manne, Ray Brownのトリオ盤『Poll Winners』(写真左)。1956年度の『ダウンビート』、『メトロノーム』、『プレイボーイ』各誌における人気投票でポールウィナー(ナンバーワン)になったプレイヤーを集めた企画盤。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g・写真右), Shelly Manne (ds), Ray Brown (b)。1957年3月の録音。

バーニー・ケッセルのギターは、チャーリー・クリスチャンを源とするビ・バップ・ギターを洗練させ、ビ・バップ・ギターの奏法を取りまとめて、ひとつのスタイルとして完成させたもの。コード弾きを織り交ぜたシングル・トーンの旋律弾き、伴奏に回った時のクールなコード弾きのカッティング、太いトーンでホーンライクに弾きまくるアドリブ・フレーズ。

バーニー・ケッセルのギター奏法は、源にチャーリー・クリスチャンのモダン・ジャズ・ギターが見え隠れする。このバーニー・ケッセルのギターは、モダン・ジャズ・ギターの原型のひとつだと感じる。

ベースのレイ・ブラウンのテクニックも凄まじいものがある。ブンブンと重低音を響かせつつ「のし歩く」、重戦車のようなウォーキング・ベース。ベースの胴鳴りを感じつつ、中高音を駆使して、ベースをしてホーンライクに弾きまくるアドリブ・フレーズ。
 

Poll_winners

 
ドラムのシェリー・マンも相当に多彩なドラミングを聴かせてくれる。さすが西海岸ジャズのドラムの雄、乾いたスネアの音、硬質なタムタムの音、響きがシャープなシンバル、タイトに響くバスドラ。西海岸ジャズ独特の多彩で豊かなドラミングを、テクニックを駆使して、これでもか、という感じで聴かせてくれる。

この『Poll Winners』というトリオ盤は、ジャズ者初心者の方々向けのモダン・ジャズ・ギターの入門盤として最適な盤である。が、このアルバムを愛でるには、まずまずの性能の再生装置で聴いて欲しい。

1950年代のジャズ・ギターの再生は苦労する。もともと音が細い。繊細といっても良い位の線の細さ。そんなジャズ・ギターのフレーズをしっかりと捉えるには、そこそこの性能の再生装置が必要と感じている。チープな再生装置だと、ギターの音が薄くなる。とても貧弱な音になるので、聴いていてつまらなくなる。それでは元も子もない。

レイ・ブラウンのベースもそうだ。チープな再生装置だと、重低音の部分、胴鳴りの部分、弦鳴りの部分が聴き分けられない。ギターとドラムの音にかき消されて、ベースの存在が無くなる。そうすると、トリオ演奏がスカスカになる。これはまずい。

シェリー・マンのドラムは、さすがにドラムなので、チープな再生装置でも埋もれることはないが、細かなニュアンスが伝わらない。ドラムの叩く部分しか響かず、マンの多彩なドラミングの違いとニュアンスを感じることが出来ない。アルバムを聴き進めるうちに、リズム&ビートに飽きが来る。

ジャズ者初心者とは言え、モダン・ジャズ・ギターを感じ、理解するには、そこそこの再生装置で聴くことをお勧めする。この『Poll Winners』という盤も、再生装置次第で、名盤にもなれば、スカスカ薄々の駄盤にもなる。

しかし、再生装置を選べば、モダン・ジャズ・ギターとはいかなるものか、を十分に感じることが出来る。ジャズ・ギターを愛でるには、アルバムの再生装置に気を遣う。
 
 
 
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2014年11月17日 (月曜日)

テンション高く熱い西海岸ジャズ

米国西海岸ジャズというのは、程良くアレンジされ、ユニゾン&ハーモニーが心地良い、落ち着いたお洒落で粋な演奏、というのが定説。しかし、このライブ盤は違う。僕はこのライブ盤を初めて聴いた時、東海岸のハードバップな演奏だと思った。

そのアルバムとは、Shelly Manne & His Men『Complete Live At The Black Hawk』(写真左)。もともとは5枚のアルバム、つまり、Shelly Manne & His Men『Live At The Black Hawk Vol.1』から『Live At The Black Hawk Vol.5』までの5枚に分かれていた音源を1つのパッケージにまとめて、録音順に並べた優れもの。

このShelly Manne & His Menの『Live At The Black Hawk』シリーズの演奏が凄いのだ。1959年9月22〜24日、サンフランシスコのライブ・スポット、ブラックホークでのライブ録音。 ちなみにパーソネルは、Monty Budwig (b), Shelly Manne (ds), Victor Feldman (p), Richie Kamuca (ts), Joe Gordon (tp)。

このライブは「熱い」。西海岸ジャズの「程良くアレンジされ」という部分はしっかりと存在している。収録された全26曲のいずれもアレンジが良い。さすが西海岸ジャズというところ。ユニゾン&ハーモニーも心地良い。しかし、「落ち着いたお洒落で粋な演奏」という部分は全く無い。

まず、リーダーのシェリー・マンのドラミングが熱い。そもそも、シェリー・マンって過小評価されているんだよな。なんか勝手に、シェリー・マンのドラミングって、米国西海岸ジャズの落ち着いたお洒落で粋なドラミングで、東海岸ジャズのドラマーほどに熱くない、と決めつけられている様な気がする。

熱くないジャズってジャズじゃ無い。なんて言い方で、シェリー・マンのドラミングは過小評価されてきた。でも、このライブ盤のドラミングを聴けば、そんな偏った見方は一掃されるのではないか、と思われる。
 

Shelly_manne_black_hawk

 
そして、僕が一番ビックリしたのが、ジョー・ゴードンのトランペット。このライブ盤でのゴードンのトランペットはかなり「熱い」。しかも、テクニックもかなり高度。速いパッセージにもよれることなく、スローなバラードでもよれることもない。ミストーンは皆無。

そして、バンド全体の充実した演奏テクニックは、長尺の演奏でもアドリブ・ラインがマンネリズムに陥ることが無い。長いアドリブでもダレることが無い。しっかりと充実した熱いアドリブ・ラインが展開される。ウッカリ聴いていると、このライブ演奏って東海岸のハードバップかな、と勘違いしてしまうくらいの「熱さ」。

このライブ盤は、米国西海岸ジャズのレベルの高さを見せつけてくれる。しかも、米国西海岸ジャズはライブでこそ、その真の姿を聴かせてくれる、ということを教えてくれる。

スタジオ録音は、確かに、程良くアレンジされ、ユニゾン&ハーモニーが心地良い、落ち着いたお洒落で粋な演奏が多い。しかし、ライブ音源はちょっと違う。東海岸ジャズに負けないほどテンション高く熱い、しかも、西海岸ジャズ独特の「程良くアレンジされ、ユニゾン&ハーモニーが心地良い」演奏が展開されるのだ。

西海岸ジャズを総合的に理解するには、より沢山、ライブ音源に耳を傾ける必要があるということ。このライブ盤を聴いて再認識した。勉強の仕直しである。
 
 
 
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2009年4月25日 (土曜日)

雨の一日、職人芸を楽しむ

今日の千葉県北西部地方は、終日雨。しっかし良く降るなあ。相当強い雨もあったりで、嵐みたいな時間帯も。それでも、車の定期点検、週次定例の買い出し、そして、歯の定期検診等々、予定がびっしりの土曜日。これだけ雨が降ると、結構なストレスになるらしく、かなり疲れた。

こんな雨の日は、しっぽりと渋いジャズを聴くと、なかなかに心がホッとして、心からリラックスできるのだ。しっぽりと渋いジャズかあ〜。ということで、今日の目玉は『The Poll Winners』(写真左)。1956年度の『ダウンビート』、『メトロノーム』、『プレイボーイ』各誌における人気投票でポールウィナー(ナンバーワン)になったプレイヤーを集めた企画盤。パーソネルは、Barney Kessel (g・写真右), Shelly Manne (ds), Ray Brown (b)。1957年3月の録音。

全盛期のコンテンポラリー・レーベルをはじめ、1950年代後半、この頃のウエストコースト・ジャズは明るくて、実に楽しいアルバムが多い。それでいて、内容は濃く、アレンジ先行という揶揄もあるが、今の耳で聴くと、アレンジ先行が上手くはまっていて、破綻の無い、水準レベル以上の演奏が多く残っている。この『The Poll Winners』も、スカッとするような明るさと爽やかさが「売り」の秀作です。
 

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まずビックリするのが、ギターのバーニー・ケッセル。こんなに熱気溢れるギタリストだったっけ。こんなに超絶技巧なギタリストだったっけ。とにかく、このアルバムでのケッセルは、バックの二人のビートに乗って、弾きまくっています。素晴らしい。このアルバムの実質リーダーがケッセルだ、ということもあるんだろうなあ。とにかく全編、気合いが入っている。

ドラムのシェリー・マンは、もともとテクニシャン。このアルバムでも、丁々発止と超絶技巧なドラミングの妙を聴かせてくれます。いや〜、惚れ惚れしますな。これだけ繊細かつ大胆なドラミングは、なかなか東海岸では見当たりません。ウエストコースト・ジャズならではのドラミングですね。そこはかとなく、知性が漂うドラミング。

ベースのレイ・ブラウンは説明不要のベーシスト。テクニックをとってはジャズ界最高峰。このアルバムでも、レイ・ブラウンのベースが要になっています。彼の叩き出すビートがあってこそ、ケッセルもギターを弾きまくれる訳だし、ドラムのシェリー・マンも、数々のテクニックを披露しながらも、必ず、メインの演奏へ戻ってこれる。この「ポールウイナー」達の自由奔放な演奏は、ベースのレイ・ブラウンの存在に追うところが大きい。

「ジョードゥ」「サテン・ドール」等々、楽しく聴けるジャズ・スタンダードがズラリと並ぶ。スタンダードがズラリと並んでも怯むことはない。トリオの3人の歌心とテクニック溢れる職人芸が、そのスタンダードの演奏をアーティスティックな世界へ昇華させている。見事である。ジャズ・スタンダード演奏の見本とも言うべき内容に、とにかく惚れ惚れとしてしまう。

僕は、6曲目の「On The Green Dolphin Street」が大のお気に入り。この曲の演奏を聴く度、至福の時を感じる。う〜ん、このアルバム、ジャズ者必携盤でしょう。
 
 
 
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  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

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