硬派で正統派なオルガニスト
現代の現代ジャズ・オルガニストの代表的存在の1人、Joey Defrancesco(ジョーイ・デフランセスコ)が、今年の8月25日に急逝して以来、ちょくちょく、彼のリーダー作を聴き直している。
生涯、リーダー作は約40枚。確か、デフランセスコは51歳で亡くなっている。17歳でリーダー作を録音してるので、34年間の活動期間でリーダー作が40枚。1年に1枚のペースでリーダー作をリリースしていたことになる。米国では如何に人気のオルガニストであったかが窺い知れる。
なんせ、デビュー作がいきなりメジャーのColumbiaレコードからのリリースなんで、デビュー作=メジャー・デビューという、いわゆる「早熟の天才」レベルのオルガニストだった訳である。我が国での人気はイマイチだったけど。
Joey DeFrancesco『Reboppin'』(写真左)。1992年の作品。ちなみにパーソネルは、Joey DeFrancesco (org, tp, g), Paul Bollenback (g), Tony Malaby (ts), Jim Henry (tp), Byron Landham (ds), Paul Bollenback (Kalimba), Byron Landham (Wind Chimes)。リーダーのデフランセスコは、オルガンの他にトランペットも吹いているし、ギターも弾いている(ギタリストがいるのにね・笑)。
デフランセスコの4枚目のリーダー作になる。初リーダー作が1989年だから、毎年1枚のペースでリーダー作をリリースしていたことになる。これって、実力と人気が無いと出来ないこと。しかも、メジャーのColumbiaレコードからのリリースだから、なおのこと「凄い」。
で、この4枚目のリーダー作、収録曲を見渡すと面白い。デフランセスコや録音メンバーの自作曲に挟まれて、バリバリ、ファンキー・ジャズな名曲があれば、ジャズでよく取りあげられるディズニーの名曲あり、モード・ジャズの名曲あり、セロニアス・モンクの名曲あり、コルトレーンの名曲あり、ジャズ・スタンダード曲あり。
どうも、1950年代後半から1960年代中盤くらいまでの「ハードバップ時代」の様々なスタイルの曲をチョイスしているようなのだ。デフランセスコのオルガンも「バップ」な感じの弾き回しだしね。
しかし、オルガンでファンキー・ジャズの名曲、ホレス・シルヴァー作の「Sister Sadie」をジャズ・オルガンでやるのは良くあるパターンだけど、難曲であろう、マイルスのモード・ジャズの名曲「ESP」や、モンクの名曲「Evidence」、コルトレーンの「Naima」なんか、ジャズ・オルガンで弾くか、とビックリ。
しかし、そのマイルスなモード、モンク、コルトレーンの名曲が、アグレッシブ&プログレッシヴな弾き回しで、極上のオルガン・ジャズ演奏として成立しているから、デフランセスコのテクニックとセンスは素晴らしいものがある。
オルガン・ジャズだと、どうしても「イージーリスニング・ジャズ」志向のポップな演奏になりがちなんだが、デフランセスコはそうはならない。こういうところが、デフランセスコは「只者では無い」とつくづくおもうのだ。デフランセスコはかなり硬派なで正統派な、メインストリーム志向のジャズ・オルガニストだった。
しかし、ジャケットの若き日のデフランセスコの写真、イケメンでシュッとした「オルガンの貴公子」然としているんだが(写真右は1991年の頃のデフランセスコらしい)、後年の、丸々と太った「キャノンボール」なデフランセスコとは似ても似つかない。後年のイメージしか頭になかったので、この盤のジャケを見て、最初は同一人物とは思わなかった(笑)。
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