2017年1月31日 (火曜日)

R&B系のフュージョンは良い

R&B系のフュージョン・ジャズが大好きである。思いっきりファンキーで思いっきり黒い、リズム&ビートの効いたダンサフルなフュージョン・ジャズ。古き良き時代のブルースやR&Bを基調としたフュージョン・ジャズ。これが大好きで、今でも時々聴き直す。

もともと大学に入った時、当時のロックの先行きに見切りをつけて、ジャズかモータウン系、いわゆるR&Bに走るか、悩んだクチである。思いっきりファンキーでオフビートなR&Bは大好きなのだ。結局、インストがメインのジャズに走ったんだが、当時から今まで、R&Bは大好きだ。

Joe Sample & David T. Walker『Swing Street Cafe』(写真左)。クルセイダースのキーボード奏者ジョー・サンプルとソフト&メロウなフュージョン・ギタリスト、デヴィッド・T・ウォーカーの双頭リーダーのバンドである。この二人が組むと、ソフト&メロウなAOR系のフュージョン・ジャズをやってるのか、と思うのだがこれが全く違う。

この盤、曲目を見渡して「Hallelujah, I Love Her So」や「C.C. Rider」「Honky Tonk」などの曲名が目につく。もしや、これって、コッテコテR&B系のフュージョン・ジャズをやってるのか、なんてちょっと嬉しくなる。そして、盤から出てくる音を聴いて、思わず「うひょ〜」と歓喜の雄叫びを上げるのだ(笑)。
 

Swing_street_cafe1

 
徹頭徹尾、コッテコテのR&B系のフュージョン・ジャズである。リリカルな切れ味の良いピアノが個性のジョー・サンプルが、これだけファンキーでR&Bなピアノを弾きまくるとは思わなかった。そして、ソフト&メロウなギタリストであるデヴィッド・T・ウォーカーも、思いっきりファンキーでR&Bチックなギターを弾きまくる。

徹底してR&Bなフュージョン・ジャズ。ラスト前の「Honky Tonk」で、そのノリと興奮は頂点に達する。ノリノリであり、ソウルフルであり、黒くてダンサフル。ベースにジェイムズ・ジェマーソン、ドラムにアール・パーマーというモータウン・レコーディング仲間。否が応でも「R&B」基調になる。

このアルバム、録音されたのが1978年、マスタリングが1981年、リリースが1982年。R&B系のフュージョン・ジャズである。当時、流行のソフト&メロウなフュージョン・ジャズでは無い。どういうマーケティングを経てのリリースかは判らないが、売れたのかなあ。

こればっかり聴き続けると、ちょっと飽きがきますが、ハードでシリアスはジャズを聴き続けた後、耳直しに聴く「R&B系のフュージョン・ジャズ」は格別です。あっけらかんと難しいことを考えず、ただただR&B系のリズム&ビートに身を委ねる。良い感じです。
 
 
 
★震災から5年10ヶ月。決して忘れない。まだ5年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2016年4月19日 (火曜日)

サンプルのセルフカバー盤

こういうアプローチもありなんやなあ、とつくづく改めて感心した。1970年代以降、フュージョン全盛期、クルセイダースのキーボード奏者&作曲者として一世を風靡し、その後もフュージョン・ジャズの第一人者の一人として活躍したジョー・サンプル。そのジョー・サンプルの佳曲をセルフカバーする。

Joe Sample『Sample This』(写真左)。1997年のリリース。基本はトリオ。ベースは、Jay Anderson (tracks: 1, 3, 4, 9, 13, 14), Marcus Miller (tracks: 2, 5 to 8, 10 to 12) の使い分け。ドラムも、Lenny Castro (tracks: 1, 3, 4, 9, 13, 14), Steve Gadd (tracks: 2, 5 to 8, 10 to 12) の使い分け。プロデュースはGeorge Duke。

まとめると、Joe Sample (ac-p,el-p), Jay Anderson (b), Lenny Castro (ds) と、Joe Sample (ac-p,el-p), Marcus Miller (b), Steve Gadd (ds) の2つのトリオで、サンプル自身の有名曲のセルフカバーをしている。

これがなんともはや「良い」、とても「良い」。そもそも、サンプルの曲自体が良い。だから、どんなアレンジにも耐えるというか「映える」。なるほど、タイトル通り「Sample This」。爽やかなピアノ・トリオの音。それぞれの曲が収録されているオリジナル盤の雰囲気をそこはかとなく漂わせながら、シンプルなピアノ・トリオでカバーされる。
 

Sample_this1

 
このピアノ・トリオの音を「スムース・ジャズ」というなかれ。立派なメインストリーム・ジャズの音だ。それも現代の純ジャズ・ピアノ・トリオの音だ。マーカス・ミラーもスティーヴ・ガッドも正統なジャズメンである。メンストリーム・ジャズをやらせても一流である。

基本はピアノ・トリオなんですが、曲によって、ギターやフルート、ボーカルが客演していて、アルバムの中で良いアクセントとなっています。ダイアン・リーブス、そして、デニス・ローランドのボーカル、そして、ディーン・パークスの小粋で爽やかなギター、ヒューバート・ロウズの爽やかなフルート、いずれも本当に良い音を出してます。

このところ、このアルバムの存在を忘れていた。最近、思い出して聴き直したんだが、これが実に「良い」。こういうセルフカバーってありやな、と思った。このアルバムのリリースが1997年、サンプルが58歳の時の作品。その17年後、2014年9月、満75歳で逝去。彼がこの世にいなくなって、このセルフカバー盤の存在意義が更に高まった様な気がします。
 
 
 
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